ヒューブ・ロテンガッター

フベルタス・"ヒューブ"・ロテンガッター （Hubertus "Huub" Rothengatter、1954年10月8日 - ）は、オランダ出身の元レーシングドライバー、実業家。

ヒューブ・ロテンガッター
ロテンガッター（1977年）
基本情報
フルネーム	フベルタス・ロテンガッター
国籍	オランダ
出身地	同・バッセム
生年月日	(1954-10-08) 1954年10月8日（70歳）
F1での経歴
活動時期	1984年 - 1986年
所属チーム	'84 スピリット・レーシング '85 オゼッラ '86 ザクスピード
出走回数	30 (25スタート)
タイトル	0
優勝回数	0
表彰台(3位以内)回数	0
通算獲得ポイント	0
ポールポジション	0
ファステストラップ	0
初戦	1984年カナダグランプリ
最終戦	1986年オーストラリアグランプリ

経歴

ジュニアフォーミュラ

1975年、オランダフォーミュラ・フォード1600に参戦を開始。1976年にヨーロッパF3選手権の4レースとドイツF3選手権の3レースに参戦し、ドイツ選手権ではポールポジション1回と表彰台1回を獲得する。

フォーミュラ2・スポーツカーレース

1979年よりヨーロッパF2選手権に参戦を開始。同年のF2シーズン終了後にはイギリスのアラン・ドッキング・レーシングと短期契約しマカオグランプリに参戦、シェブロン・フォードを駆り3位表彰台を獲得した。これによりパイプを築いたアラン・ドッキング・レーシングとは1980年のニュージーランド・フォーミュラ・パシフィックでも共闘し、7レースで3度の表彰台を獲得している。

F2での2年目を迎えた1980年のヨーロッパF2選手権・第7戦ゾルダーで初優勝を挙げ、シーズンランキング7位の成績を収めた。1980年と1981年には来日し、全日本F2選手権にスポット参戦歴がある。

1983年、スポーツカーレースのクレマー・レーシングと契約しキース・クロエセメイヤーとのコンビでスパ1000kmレースに参戦。WEC初参戦を果たし、ポルシェ・CK5で予選15位を得た。しかし決勝前のアクシデントによりDNSに終わった。

フォーミュラ1

1984年、F1第7戦カナダグランプリより、参戦資金難に陥っていたスピリット・レーシングにスポンサー資金を持ち込み、マウロ・バルディのシートを奪う形で契約、F1デビューを果たす。以後、1985年は第9戦ドイツグランプリからイタリアのプライベートチームであるオゼッラと契約、1986年は第3戦サンマリノグランプリよりドイツのザクスピードとの契約に成功するなど、シーズン途中から小規模のチームと交渉する手法でシートを獲得し、F1をドライブした。彼は、De Telegraaf新聞に1ページの広告を掲載するなど、さまざまな方法でオランダのスポンサーを獲得しようとした。噂によると、ニキ・ラウダが彼について尋ねられたとき、ラウダは彼を「rattengott」（「ネズミの神」）と呼んだ。これらの方法によってオランダの企業「フィリップス」からの支援を得ることに成功する。

ロテンガッターは、F1チームからの電話を待っていた他の多くの「末端ドライバー」とは異なり、個人的なスポンサーを得て、低予算のチームで自分の場所を「購入」することでチームに資金をもたらし、F1を運転することができた。そうでなければ、「末端ドライバー」の中では彼がシートを逃していた可能性が最も高い。

引退後

1986年、ザクスピードでのシーズンが終了すると、レーサーとしてのキャリアを終了する決断をする。そしてロテンガッターは「フィリップス」の広報部門に入る。

1991年、F1への新規参戦が決定したジョーダン・グランプリをフィリップスがスポンサーとして支援することになり、ロテンガッターはジョーダンと共にF1で働いた。その後、オランダ人ドライバーのヨス・フェルスタッペンのマネージャーとして契約していた。以後多くのオランダ若手ドライバーへのアドバイスをする立場となり、イベントマネージャーとして支援した。

2020年代、彼はモータースポーツに直接関与することはほとんどなくなり、大規模な電気自動車充電ステーション事業「EVBox」の共同創設者となりビジネスに注力している。

レース戦歴

ヨーロッパ・フォーミュラ2選手権

年	チーム	シャーシ	エンジン	1	2	3	4	5	6	7	8	9	10	11	12	順位	ポイント
1979年	レーシングチーム・オランダ	シェブロン・B48	BMW	SIL 8	HOC Ret	THR 6	NÜR 5	VAL Ret	MUG Ret	PAU DNQ	HOC Ret	ZAN 12	PER 8	MIS Ret	DON 13	18th	3
1980年	ドッキングスピッツレーレーシング	トールマン・TG280	ハート	THR 6	HOC 5	NÜR 6	VAL 7	PAU Ret	SIL 5	ZOL 1	MUG Ret	ZAN 7	PER 4	MIS 4	HOC 13	7th	21
1981年	リスタレーシングチーム	マーチ・802	BMW	SIL	HOC	THR	NÜR	VAL	MUG	PAU	PER 2	SPA 13	DON 8	MIS 11	MAN Ret	12th	6

全日本F2選手権

年	チーム	使用車両	1	2	3	4	5	6	7	順位	ポイント
1980年	CIBIE Racing	マーチ・782	SUZ	NIS	SUZ	SUZ	C	SUZ	SUZ 9	18位	2
1981年	ADVAN PIAA	トールマン・TG280	SUZ	SUZ	SUZ	SUZ Ret	SUZ			NC	0

スポーツカー世界選手権

年	チーム	クラス	シャーシ	エンジン	1	2	3	4	5	6	7	8	9	10	11	順位	ポイント
1983年	クレマー・レーシング	C	ポルシェCK5	ポルシェタイプ-935 2.8 F6 t	MNZ	SIL	NÜR	LMS	SPA DNS	FSW	KYA					NC	0
1984年	プロカーオートモービルAG	C1	セーカー C830	ポルシェタイプ-935 2.6 F6 t	MNZ DNS	SIL 15	LMS	NÜR	BRH	MOS	SPA	IMO	FSW	KYA	SAN	NC	0

フォーミュラ1

年	所属チーム	シャーシ	1	2	3	4	5	6	7	8	9	10	11	12	13	14	15	16	順位	ポイント
1984年	スピリット	101	BRA	RSA	BEL	SMR	FRA	MON	CAN NC		DAL Ret	GBR NC	GER 9	AUT NC	NED Ret	ITA 8	EUR	POR	NC	0
		101C								DET DNQ
1985年	オゼッラ	FA1G	BRA	POR	SMR	MON	CAN	DET	FRA	GBR	GER Ret	AUT 9	NED NC	ITA Ret		EUR DNQ	RSA Ret	AUS 7	NC	0
		FA1F													BEL NC
1986年	ザクスピード	861	BRA	ESP	SMR Ret	MON DNQ	BEL Ret	CAN 12	DET DNS	FRA Ret	GBR Ret	GER Ret	HUN Ret	AUT 8	ITA Ret	POR Ret	MEX DNS	AUS Ret	NC	0

出典

• F1 Rejects biography