ヒプシロフォドン (Hypsilophodon) は、中生代白亜紀前期(約1億3,000万~1億2,500万年前)のイギリスに生息していた恐竜鳥脚亜目 - ヒプシロフォドン科に属する。属名は「高い隆起を持つ歯」を意味する[1]

ヒプシロフォドン
生息年代: 中生代白亜紀前期, 130–125 Ma
ヒプシロフォドン
ヒプシロフォドン全身骨格
地質時代
中生代白亜紀前期
(約1億3,000万~1億2,500万年前)
分類
ドメイン : 真核生物 Eukaryota
: 動物界 Animalia
: 脊索動物門 Chordata
亜門 : 脊椎動物亜門 Vertebrata
: 爬虫綱 Reptilia
亜綱 : 双弓亜綱 Diapsida
下綱 : 主竜形下綱 Archosauromorpha
上目 : 恐竜上目 Dinosauria
: 鳥盤目 Ornithischia
亜目 : 鳥脚亜目 Ornithopoda
: ヒプシロフォドン科
Hypsilophodontidae
: ヒプシロフォドン属
Hypsilophodon
学名
Hypsilophodon
Huxley1869

かつてはイグアノドンの仲間もしくは祖先と見られていたが、現在は別の分類群、ヒプシロフォドン科に分類されている。このヒプシロフォドン科は、比較的初期に分岐した祖先的な形質を持つグループであったが、ジュラ紀中期から白亜紀後期にかけての約9,000万年もの長期に渡って存続し、非常に繁栄していた。

特徴

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体長0.9 - 2.4メートル程度[2]。頭骨は比較的小さいが眼窩は大きく、視力が発達していたと推定されている。端は角質で覆われ、これで植物を食いちぎっていたとされる[1]。また顎には28 - 30本の頬歯と頬袋があり、食べた植物をかみ砕いていたとされる。

前肢は短く貧弱だが、5本の指をそなえる[1]。逆に後肢は長く、基本的に2足歩行を行っていた。脛から下が長いことから、高い走力を持っていたと推定される。肢端の指は4本であった。は骨質の結合組織が網目状に走り、棒状に硬直していた。また全長に対しての比率が大きく、走る際にはこれを使って安定を保ったのではないかと考えられている。背中にはおそらく二対の装甲板が正中線に沿って存在した[1]

当初は後肢の第一指が他の指と向き合う形(いわゆる親指の状態)に復元されていたため、これを使って木登りをする「樹上生活を送る恐竜」とされていた。現在では、この復元そのものが誤りだったと認められている(小説版『ジュラシック・パーク』においては、この古典的な誤りがそのまま採用されている)。

また、近い仲間は地中に巣を作っていた事もわかっている[3]

脚注

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  1. ^ a b c d リチャードソン 2005, p. 137.
  2. ^ 小畠郁生 2007, p. 66.
  3. ^ 『鳥類学者 無謀にも恐竜を語る』新潮社、7月1日、315,316頁。 

参考文献

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  • 小畠郁生(監修)『面白いほどよくわかる 恐竜』日本文芸社〈学校では教えない教科書〉、2007年。ISBN 978-4-537-25506-5 
  • ヘーゼル・リチャードソン、デイビッド・ノーマン(監修)『恐竜博物図鑑』出田興生(訳)、新樹社〈ネイチャー・ハンドブック〉、2005年。ISBN 4-7875-8534-7 
  • 鳥類学者 無謀にも恐竜を語る 川上和人 新潮社発行

関連項目

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外部リンク

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