パンカジ・カプール
パンカジ・カプール(Pankaj Kapur、1954年5月29日 - )は、インドの俳優。ヒンディー語映画・テレビシリーズ・演劇を中心に活動しており、これまでに国家映画賞、フィルムフェア賞など複数の賞を受賞している。世界映画における最高の俳優の一人に挙げられ、『Raakh』『Ek Doctor Ki Maut』『Maqbool』などの代表作がある[1]。
パンカジ・カプール Pankaj Kapur | |
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第53回インド国際映画祭に出席するパンカジ・カプール(2022年) | |
生年月日 | 1954年5月29日(70歳) |
出生地 | インド パンジャーブ州ルディヤーナー |
職業 | 俳優、脚本家、映画監督 |
ジャンル | ヒンディー語映画 |
活動期間 | 1981年 - 現在 |
配偶者 |
ニーリマ・アジーム(1974年 - 1984年、離婚) スプリヤー・パータク(1988年 - ) |
著名な家族 | シャーヒド・カプール(息子) |
生い立ち
編集1954年5月29日にパンジャーブ州ルディヤーナーに暮らすカトリ家庭に生まれる[2]。幼少期をパンジャーブ州で過ごし、成長と共に演劇に興味を抱くようになり、国立演劇学校に進学した[3]。
1979年に女優・ダンサーのニーリマ・アジームと結婚した。夫妻はニューデリーに居住し、1981年に息子シャーヒド・カプールが生まれるが、1984年に離婚した[4]。その後、1988年にスプリヤー・パータクと再婚し、娘サナー・カプールと息子ルハーン・カプールをもうけた[5]。
キャリア
編集国立演劇学校卒業後は4年間舞台演劇した後、映画俳優となった。また、監督としても活動しており、『Mohandas B.A.L.L.B.』『Wah Bhai Wah』『Sahabji Biwiji Ghulamji』『Drishtanth』『Kanak Di Balli』『Albert's Bridge』『Panchvan Savaar』など74本の舞台演劇を手掛けている[6]。
1982年にシャーム・ベネガルの『Arohan』で映画デビューした。同年にはリチャード・アッテンボローの『ガンジー』でマハトマ・ガンディーの第二秘書役を演じ、ヒンディー語吹替版ではガンジー役を務めたベン・キングズレーの吹き替えを担当した。その後は『Mandi』『Jaane Bhi Do Yaaro』『Mohan Joshi Hazir Ho!』『Khandhar』『Khamosh』『Chameli Ki Shaadi』『Ek Ruka Hua Faisla』『青春の終着点』などのパラレル映画を中心に出演した。1980年代後半からは商業映画にも出演するようになり、1987年にアクション映画『Jalwa』でナシールッディーン・シャーと共演し、1989年にはアーミル・カーン主演の『Raakh』に出演して国家映画賞 助演男優賞を受賞した。また、同年にはパンジャーブ語映画『Marhi Da Deeva』に出演している。1990年に『Ek Doctor Ki Maut』に出演して国家映画賞 審査員特別賞を受賞し、1992年にはマニラトナムの『ロージャー』に出演している。2003年に『マクベス』の翻案映画『Maqbool』でダンカン1世に相当するアッバジ役を演じ、国家映画賞 助演男優賞を受賞した。その後は『The Blue Umbrella』『Dus』『Halla Bol』に出演した。
1986年にはテレビ業界に進出し、『Karamchand』でスシュミタ・ムカルジーと共演した[7]。その後も『Kab Tak Pukaroon』『Zabaan Sambhaal Ke』『Lifeline』『Neem Ka Ped』『Philips Top 10』『Office Office』『Naya Office Office』などのテレビシリーズに出演している[8]。2019年11月には小説『Dopehri』(1992年執筆)を出版し、文学デビューした[9][10]。
フィルモグラフィー
編集映画
編集- 出演
- Hari Hondal Bargadar : Share Cropper(1981年)
- Kahan Kahan Se Guzar Gaya(1981年)
- ガンジー(1982年)
- Aadharshila(1982年)
- Arohan(1982年)
- Jaane Bhi Do Yaaro(1983年)
- Mandi(1983年)
- Khandhar(1984年)
- Mohan Joshi Hazir Ho!(1984年)
- Khamosh(1985年)
- Aitbaar(1985年)
- Aghaat(1985年)
- Chameli Ki Shaadi(1986年)
- Musafir(1986年)
- Ek Ruka Hua Faisla(1986年)
- Jalwa(1987年)
- 青春の終着点(1987年)
- Susman(1987年)
- Main Zinda Hoon(1988年)
- Ek Aadmi(1988年)
- Tamas(1988年)
- Agla Mausam(1989年)
- Raakh(1989年)
- Marhi Da Deeva(1989年)
- Kamla Ki Maut(1989年)
- Ek Doctor Ki Maut(1990年)
- Shadyantra(1990年)
- ロージャー(1992年)
- Aakanksha(1993年)
- The Burning Season(1993年)
- Kokh(1994年)
- Ram Jaane(1995年)
- Rui Ka Bojh(1997年)
- Jackpot Do Karode(2002年)
- Main Prem Ki Diwani Hoon(2003年)
- Maqbool(2004年)
- Dus(2005年)
- The Blue Umbrella(2005年)
- Sehar(2005年)
- Dharm(2007年)
- Halla Bol(2008年)
- Love Khichdi(2009年)
- Good Sharma(2010年)
- Chala Mussaddi... Office Office(2011年)
- Matru Ki Bijlee Ka Mandola(2013年)
- ファニーを探して(2014年)
- Shaandaar(2015年)
- Toba Tek Singh(2018年)
- Happi(2019年)
- Jersey(2022年)
- Lost(2023年)
- Bheed(2023年)
- 監督
- Mohandas B.A.L.L.B.(1998年)
- Mausam(2011年)
- 脚本
- Sau Jhooth Ek Sach(2005年)
テレビシリーズ
編集- Karamchand (Season 1)(1985-1988年)
- Mungerilal Ke Haseen Sapne(1989-1990年)
- Neem Ka Ped(1991年)
- Phatichar(1991年)
- Zabaan Sambhalke (Season 1)(1993-1994年)
- Zabaan Sambhalke (Season 2)(1997-1998年)
- Mohandas B.A.L.L.B.(1998年)
- Office Office(2000年)
- Tehreer as Munshi Premchand Ki(2004年)
- Naya Office Office(2006-2009年)
- Karamchand (Season 2)(2007年)
- JL50(2020年)
受賞歴
編集年 | 部門 | 作品名 | 結果 | 出典 |
---|---|---|---|---|
国家映画賞 | ||||
1989年 | 助演男優賞 | 『Raakh』 | 受賞 | [11] |
1991年 | 審査員特別賞 | 『Ek Doctor Ki Maut』 | [12] | |
2004年 | 助演男優賞 | 『Maqbool』 | [13] | |
フィルムフェア賞 | ||||
1990年 | 助演男優賞 | 『Raakh』 | ノミネート | |
2005年 | 審査員選出男優賞 | 『Maqbool』 | 受賞 | [14] |
2006年 | 悪役賞 | 『Dus』 | ノミネート | |
2014年 | 助演男優賞 | 『Matru Ki Bijlee Ka Mandola』 | ||
国際インド映画アカデミー賞 | ||||
2005年 | 助演男優賞 | 『Maqbool』 | ノミネート | [15] |
2006年 | 悪役賞 | 『Dus』 | [16] | |
製作者組合映画賞 | ||||
2004年 | 助演男優賞 | 『Maqbool』 | 受賞 | [17] |
2015年 | コメディ俳優賞 | 『ファニーを探して』 | ノミネート | |
スター・スクリーン・アワード | ||||
2006年 | 助演男優賞 | 『Maqbool』 | ノミネート | [18] |
2008年 | 悪役賞 | 『The Blue Umbrella』 | 受賞 | [19] |
2009年 | 助演男優賞 | 『Halla Bol』 | ノミネート | [20] |
ジー・シネ・アワード | ||||
2005年 | 審査員選出主演男優賞 | 『Maqbool』 | 受賞 | [21] [22] |
助演男優賞 | ノミネート | |||
アジア・テレビジョン・アワード | ||||
2021年 | 主演男優賞 | 『JL50』 | ノミネート | |
インド・テレビジョン・アカデミー賞 | ||||
2003年 | コメディ男優賞 | 『Office Office』 | 受賞 | [23] |
2004年 | [24] | |||
2007年 | ||||
インド・テリー賞 | ||||
2002年 | コメディ主演男優賞 | 『Office Office』 | 受賞 | [25] |
2003年 | ||||
2004年 | ノミネート | [26] [27] | ||
2006年 | [28] [29] | |||
2007年 | [30] [31] |
出典
編集- ^ “Punjab is a land of great writers and actors, says Pankaj Kapur” (英語). hindustantimes.com/. (2 December 2017) 30 December 2017閲覧。
- ^ “Happy Birthday Pankaj Kapur: What Shahid Kapoor has said about his Father” (英語). News18 (29 May 2021). 21 July 2021閲覧。
- ^ Rathore, Vinod (28 May 2020). “Pankaj Kapoor was on the hearts of people with this role” (English). News Track. 21 July 2021閲覧。
- ^ “Neelima Azeem on divorce from Pankaj Kapur when Shahid Kapoor was 3.5 years old: 'I didn't decide to separate, he moved on'” (英語). Hindustan Times. (18 May 2020) 24 August 2020閲覧。
- ^ Garoo, Rohit (17 October 2016). “Pankaj Kapur Marriage: Love Truly Deserves A Second Chance” (英語). The Bridal Box. 14 May 2020閲覧。
- ^ “Pankaj Kapur: My son Shahid Kapoor is smart. He became a star first, then an actor” (英語). India Today. 12 May 2020閲覧。
- ^ “Karamchand was first of its kind, says Pankaj Kapur” (英語). Hindustan Times (5 February 2016). 12 May 2020閲覧。
- ^ “Pankaj Kapur” (英語). Koimoi. 5 July 2021閲覧。
- ^ “Pankaj Kapur on his literary debut and why it took 27 years” (英語). The Indian Express (5 November 2019). 12 May 2020閲覧。
- ^ “Actor Pankaj Kapur's debut novel 'Dopehri' revolves around 'Amma Bi'”. The New Indian Express. 12 May 2020閲覧。
- ^ “36th National Film Awards”. Directorate of Film Festivals. pp. 30–31. 4 November 2016時点のオリジナルよりアーカイブ。9 January 2012閲覧。
- ^ “38th National Film Awards”. Directorate of Film Festivals. p. 26. 26 March 2012時点のオリジナルよりアーカイブ。30 July 2011閲覧。
- ^ “51st National Film Awards”. Directorate of Film Festivals. pp. 32–33. 7 January 2018時点のオリジナルよりアーカイブ。15 March 2012閲覧。
- ^ “Filmfare Awards Winners” (英語). filmfare.com 14 February 2020閲覧。
- ^ “6th IIFA Awards (2005)”. Bollywood Product. 2023年4月28日閲覧。
- ^ “IIFA 2006 Nominees”. Bollywood Hungama (6 May 2006). 11 November 2006時点のオリジナルよりアーカイブ。23 September 2020閲覧。
- ^ United News of India (2004年5月30日). “'Koi Mil Gaya' bags top honours”. The Tribune 2011年1月28日閲覧。
- ^ “11th Screen Awards 2005”. Bollywood Product. 2023年12月5日閲覧。
- ^ “Winners of 14th Annual Star Screen Awards”. Bollywood Hungama. Bollywood Hungama News Network. (11 January 2008). オリジナルの23 October 2011時点におけるアーカイブ。 25 May 2022閲覧。
- ^ “15th Screen Awards 2009”. Bollywood Product. 2023年12月5日閲覧。
- ^ “Zee Cine Awards 2005 Best Actor Critics Award Pankaj Kapur for Maqbool”. YouTube. 2023年12月3日閲覧。
- ^ “8th Zee Cine Awards (2005)”. Bollywood Product. 2023年12月3日閲覧。
- ^ “GR8! TV Magazine - THE INDIAN TELEVISION ACADEMY AWARDS, 2003”. www.gr8mag.com. 2019年9月26日閲覧。
- ^ “GR8! TV Magazine - THE INDIAN TELEVISION ACADEMY AWARDS, 2004”. www.gr8mag.com. 2020年12月15日閲覧。
- ^ “Telly awards 2002 Popular Awards winners”. オリジナルの2016年3月4日時点におけるアーカイブ。 2013年10月15日閲覧。
- ^ “Telly awards 2004 Popular Awards winners”. オリジナルの2018年9月17日時点におけるアーカイブ。 2013年10月15日閲覧。
- ^ “Telly awards 2004 Popular Awards nominees”. オリジナルの2013年10月16日時点におけるアーカイブ。 2013年10月15日閲覧。
- ^ “Telly awards 2006 Popular Awards winners”. オリジナルの2006年12月5日時点におけるアーカイブ。 2023年12月5日閲覧。
- ^ “Telly awards 2006 Popular Awards nominees”. オリジナルの2016年3月3日時点におけるアーカイブ。 2013年10月15日閲覧。
- ^ “Telly awards 2007 Popular Awards winners”. オリジナルの2012年7月22日時点におけるアーカイブ。 2013年10月15日閲覧。
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