パイエンネ湖
パイエンネ湖またはパイヤンネ湖(フィンランド語: Päijänne フィンランド語発音: [ˈpæi(j)ænːe])はフィンランド中南部に位置する湖。中央スオミ県とパイヤト=ハメ県に跨る。湖の面積は約1,080km2であり、フィンランドで二番目に大きい湖である。最大水深は95.3mであり、この水深は、フィンランドの湖の中で最も深いものである。湖水はキュミ川を通ってフィンランド湾に流れる。湖中には多数の島があるが、比較的面積の大きなものは北からヴオリツァロ島(フィンランド語: Vuoritsalo)、ムーラツァロ島(フィンランド語: Muuratsalo)、オンキサロ島(フィンランド語: Onkisalo)、ユディンサロ島(フィンランド語: Judinsalo)、エデッサロ島(フィンランド語: Edessalo)、タイヴァッサロ島(フィンランド語: Taivassalo)、ハウッカサロ島(フィンランド語: Haukkasalo)、ヴェヘカサロ島(フィンランド語: Vehkasalo)、ムスタッサロ島(フィンランド語: Mustassalo)、ヴィルマイランサーリ島(フィンランド語: Virmailansaari)、サロンサーリ島(フィンランド語: Salonsaari)がある。この内、最も大きなものはヴィルマイランサーリ島であり、パイヤト=ハメ県パダスヨキに属する。
パイエンネ湖 Päijänne | |
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パイヤンネ湖 | |
パイエンネ湖の位置 | |
位置 |
フィンランド * 中央スオミ県 * パイヤト=ハメ県 |
座標 | 北緯61度35分 東経025度30分 / 北緯61.583度 東経25.500度座標: 北緯61度35分 東経025度30分 / 北緯61.583度 東経25.500度 |
主な流出 | キュミ川 |
国 | フィンランド |
延長 | 120 km (75 mi) |
面積 | 1,070–1,082.89 km2 (413.13–418.11 sq mi)[1][2] |
平均水深 | 16.2–18 m (53–59 ft)[1] |
最大水深 | 95.3 m (313 ft)[1] |
水量 | 18.1 km3 (4.3 cu mi)[1] |
滞留時間 | 2.5年 |
塩分濃度 | 淡水 |
水面標高 | 78.3 m (257 ft)[2] |
島 | 1886 (ヴィルマイランサーリ島、サロンサーリ島、ユディンサロ島、オンキサロ島、パーツァロ島、ムーラツァロ島、ハウッカサロ島、ヴオリツァロ島、ムスタッサロ島、エデッサロ島、タイヴァッサロ島) |
主な沿岸自治体 | アシッカラ、ユヴァスキュラ、コルピラハティ、クフモイネン、ルハンカ、ムーラメ、パダスヨキ、シュスマ |
脚注 | [1][2] |
パイエンネ湖岸の町として最も大きいのは、湖の北部に位置し、中央スオミ県の県庁所在地でもあるユヴァスキュラである。パイヤト=ハメ県の県庁所在地ラハティの街とはヴェシ湖(フィンランド語: Vesijärvi)及びヴァークシュ運河で繋がっている。
パイエンネ湖から伸びる、パイエンネ地下水道はウーシマー県ヴァンター迄接続されており、ヘルシンキ首都圏に水を供給している。また、この湖水は「ノードウォーター」のブランドで日本にも輸入されたことがある。
水運
編集パイエンネ湖は、船遊び、カヌースポーツ、セーリングで非常に有名な場所である。最長部で119キロメートル (74 mi)の長さのある湖は、運河でケイテレ湖(フィンランド語: Keitele)やヴェシ湖(フィンランド語: Vesijärvi)、ルオツァライネン湖(フィンランド語: Ruotsalainen)と接続されている。そのため、これらを合わせると、船が航行可能な距離は380キロメートル (240 mi)にも達する。バルト海まで接続する運河を建設することが数十年もの間議論されているが、実現はしていない。
1940年代迄は、パイエンネ湖はフィンランド中部の重要な運送路であった。数多の船がパイエンネ湖を行き来し、湖岸の都市や村から人々や物資を運んでいた。今日では、パイエンネ湖の水運業は、物資や人々の最も速い輸送というよりも、湖の国を楽しむ旅行客を対象とした航海を目的に行われている。最も一般的な航海ルートは、ラハティからユヴァスキュラまでの航海を行うものである。
名前 | 建造年 | 定員 | 全長 | 全幅 | 最高速度 | 母港 | 備考 |
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M/S アイノ(M/S Aino) | 1922年 | 90 | 17.20m | 4.10m | 11ノット | ラハティ[3] | |
M/S エルバタル(M/S Elbatar) | 1984年 | 90 | 16.08m | 4.78m | 11ノット | パダスヨキ[4] | |
M/S シャルロッテ(M/S Charlotte) | パダスヨキ | ||||||
M/S ハッピー・デイズ(M/S Happy Days) | ラハティ | ||||||
M/S ヒルヤ (M/S Hilja) | 1902年 | 60 | ユヴァスキュラ | チャーター・フェリー[5] | |||
M/S イェンニ=マリアⅡ(M/S Jenni-Maria II) | 1970年 | 30 | 15.30m | 3.80m | 15ノット | シュスマ | |
M/S カトリッリ(M/S Katrilli) | 80 | ユヴァスキュラ | チャーター・フェリー[6] | ||||
M/S キュンッピ(M/S Kymppi) | 77 | ユヴァスキュラ | チャーター・フェリー[6] | ||||
S/S ライティアラ(S/S Laitiala) | 1903年 | 130 | 26.7m | 6.64m | ラハティ | チャーター・フェリー[3] | |
M/S メイニンキ(M/S Meininki) | 1970年 | 30 | ユヴァスキュラ | チャーター・フェリー[7] | |||
M/S ミンニ(M/S Minni) | ユヴァスキュラ | ||||||
M/S パイエンネ(M/S Päijänne) | 50 | 20m | 5m | ユヴァスキュラ | チャーター・フェリー[8] | ||
M/S ルヘア(M/S Rhea) | 43m | 18.2m | ユヴァスキュラ[9] | ||||
M/S ロゼッタ(M/S Rosetta) | ラハティ | チャーター・フェリー[10] | |||||
M/S ルオツァライネン(M/S Ruotsalainen) | 22.10m | 5.32m | アシッカラ | ||||
M/S サロメ(M/S Salome) | 18.90m | 4.35m | ラハティ | チャーター・フェリー | |||
M/S スオメタル(M/S Suometar) | 199 | ユヴァスキュラ[6] | |||||
M/S スオメン・ネイト(M/S Suomen Neito) | 199 | ユヴァスキュラ[6] | |||||
M/S スオメン・スヴィ(M/S Suomen Suvi) | 1993年 | 199 | ユヴァスキュラ[6] | ||||
S/S スオミ(S/S Suomi) | 1906年 | 199 | 31.60m | 2.13m | ユヴァスキュラ[6][11] | ||
M/S テルヒ(M/S Terhi) | 199 | ヘイノラ | |||||
M/S トゥーリッキⅡ(M/S Tuulikki II) | 170 | ヤムサ[12] | |||||
M/S トゥーリッキⅢ(M/S Tuulikki III) | 80 | ヤムサ[12] | |||||
M/S ウェルラモ(M/S Wellamo) | 1990年 | 190 | ラハティ[3] |
観光
編集パイエンネ湖の湖岸には、約16,000棟の別荘が建設されている。別荘の多くが個人の所有であり、サウナ室が別棟として付随している[13]。
別荘に加えて、パイエンネ湖では魚釣り、セーリング、カヌースポーツ、ボート漕ぎ、パドリング、トレッキング、アイススケート、スノーモービル、ネイチャーツーリズムが行われている。パイヤンネ国立公園とレイボンマキ国立公園のみで、1年間で数万人の観光客が訪れている。
ユオタヴァン・ヒュヴァ・エテラ=パイエンネ協会(フィンランド語: Juotavan Hyvä Etelä-Päijänne ry、透き通り飲用可能な南パイエンネ湖協会)は、1995年に欧州連合から観光及び環境に関する賞を受賞している[14]。
国立公園
編集パイヤンネ国立公園(フィンランド語: Päijänteen kansallispuisto)は、パイエンネ湖南部に設けられた国立公園である。この国立公園には、50の未開発の島や無人島の一部が含まれている。この国立公園は、1993年に設立され、面積は14平方キロメートル (5.4 sq mi)になる[15]。
レイボンマキ国立公園(フィンランド語: Leivonmäen kansallispuisto)は、パイエンネ湖北部から北東に数キロメートルの位置に設けられた国立公園である。この国立公園は、フィンランドの中でも最も新しい国立公園のうちの一つである。
パイエンネ湖周辺の町
編集北から南
- ユヴァスキュラ(フィンランド語: Jyväskylä)(北緯62度14.5分 東経025度44.5分 / 北緯62.2417度 東経25.7417度)
- セイナッツァロ(フィンランド語: Säynätsalo)(北緯62度08.3分 東経025度46.9分 / 北緯62.1383度 東経25.7817度)
- ムーラメ(フィンランド語: Muurame)(北緯62度08分 東経025度40.5分 / 北緯62.133度 東経25.6750度)
- トイヴァッカ(フィンランド語: Toivakka)(北緯62度06分 東経026度05分 / 北緯62.100度 東経26.083度)
- コルピラハティ(フィンランド語: Korpilahti)(北緯62度01分00秒 東経025度33分40秒 / 北緯62.01667度 東経25.56111度)
- ヤムサ(フィンランド語: Jämsä)(北緯61度52分 東経025度11分 / 北緯61.867度 東経25.183度)
- ルハンカ(フィンランド語: Luhanka)(北緯61度48分 東経025度42分 / 北緯61.800度 東経25.700度)
- ヨウツァ(フィンランド語: Joutsa)(北緯61度44.5分 東経026度07分 / 北緯61.7417度 東経26.117度)
- クフモイネン(フィンランド語: Kuhmoinen)(北緯61度34分 東経025度11分 / 北緯61.567度 東経25.183度)
- シュスマ(フィンランド語: Sysmä)(北緯61度30分 東経025度41分 / 北緯61.500度 東経25.683度)
- パダスヨキ(フィンランド語: Padasjoki)(北緯61度21分 東経025度16.5分 / 北緯61.350度 東経25.2750度)
- アシッカラ(フィンランド語: Asikkala)(北緯61度10分20秒 東経025度32分50秒 / 北緯61.17222度 東経25.54722度)
ギャラリー
編集脚注
編集- ^ a b c d e Seppälä, Matti (2005), The Physical Geography of Fennoscandia, Oxford University Press, p. 145, ISBN 978-0-19-924590-1
- ^ a b c Päijänne. Järviwiki Web Service. Finnish Environment Institute. Retrieved 2014-03-07.
- ^ a b c “TIETOA LAIVOISTA::Lahden Järvimatkailu Oy”. Lahdenjarvimatkailu.fi. 28 December 2017閲覧。
- ^ “Archived copy”. 2009年7月9日時点のオリジナルよりアーカイブ。2011年9月27日閲覧。
- ^ “Archived copy”. 2007年9月28日時点のオリジナルよりアーカイブ。2011年9月27日閲覧。
- ^ a b c d e f “Archived copy”. 2011年9月3日時点のオリジナルよりアーカイブ。2011年9月27日閲覧。
- ^ “Merimeininki”. Merimeininki.fi. 28 December 2017閲覧。
- ^ “M/S Päijänne”. Mspaijanne.fi. 28 December 2017閲覧。
- ^ “Päijänneristeilyt Jyväskylässä - Risteilyt Jyväskylästä”. Matkarhea.fi. 28 December 2017閲覧。
- ^ [1]
- ^ [2]
- ^ a b “Päijännematkat Koskinen, Jämsä”. Paijannematkat.com. 28 December 2017閲覧。
- ^ Koskinen, Petri. “Täyttä mökkielämää”. Talouselämä. 28 December 2017閲覧。
- ^ Etelä-Päijänne, Juotavan Hyvä. “Etelä-Päijänne - majoitus, ohjelmapalvelut ja ravintolat Järvi-Suomessa”. Loma-paijanne.fi. 13 February 2013時点のオリジナルよりアーカイブ。28 December 2017閲覧。
- ^ “PÄIJÄNTEEN KANSALLISPUISTO” (Finnish). visitpaijanne.fi. 7 April 2020閲覧。