バロン・ワカ

ナウルの政治家

バロン・ディヴァヴェシ・ワカ(Baron Divavesi Waqa、1959年12月31日 - )は、ナウル政治家。2013年から2019年まで同国の大統領を務めた。2024年6月より太平洋諸島フォーラム(PIF)事務局長を務めている。

バロン・ワカ
Baron Waqa


ナウルの旗 ナウル共和国
第30代 大統領
任期 2013年6月11日2019年8月27日

出生 (1959-12-31) 1959年12月31日(64歳)
英豪新信託統治領(現ナウルの旗 ナウル)、ボエ地区
政党 無所属

日本の外務省ではバロン・ディバベシ・ワンガと表記されている[1][注 1]。以前は「バロン・ワガ」と書かれていた[2]。外務省以外の報道では「バロン・ワカ」という表記が使われる[3]

来歴

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ナウルのボエ地区に誕生し、18議席からなるナウル国会の議員となる。2003年の5月から8月までと2004年6月から2007年12月までルドウィグ・スコッティ大統領の下で教育大臣などを務めた。2013年6月に国会内で実施された大統領選挙で対立候補のローランド・クン (Roland Kunに13対5で勝利し、第30代大統領に就任した。ナウルにおいて14人目の大統領に相当する。

大統領就任後、米国の人気女優で国際連合難民高等弁務官事務所特使のアンジェリーナ・ジョリーを国内にある難民施設を紹介するため、ナウルに招待した[4]。また、中華民国台湾)を訪問し、馬英九総統と会見し[5]台中市にある労働部で職業訓練の視察をした[6][注 2]

2015年5月、福島県いわき市で開催された第7回太平洋・島サミットに出席するため日本を訪問し、安倍首相と会談した[7]

2018年9月、自国で開催した太平洋諸島フォーラム(PIF)の年次首脳会議で議長を務める。会議中、中華人民共和国の特使の態度が常軌を逸していたとして批難、中国政府に謝罪を求めた[8]

2019年3月25日、ナウルを訪問した中華民国総統蔡英文より、采玉大勲章を授与された[9]

2019年8月24日に執行されたナウル総選挙英語版で落選し、大統領退任が決まった[10]

2024年6月4日にPIF事務局長に就任した[11]

人物

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結婚しており、夫人の名はルイサ・ワカ (Louisa Waqa) という[12][13]。また、彼は音楽が趣味で、政治家と同時に作曲家としても活動している。

 
ミクロネシア連邦マニー・モリ大統領と写るバロン・ワカ

注釈

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  1. ^ Waqaフィジーに見られる姓である。フィジー語においては v は /β/ 、 q は /ŋg/ と発音されるため、 "Baron Divavesi Waqa" は「バロン・ディバベシ・ワンガ」となる。なお、在ナウル日本大使館は在フィジー日本大使館が兼轄している。
  2. ^ ナウルは中華民国を国家承認しており、両国の間には国交が樹立されている。

出典 

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  1. ^ ナウル基礎データ”. 外務省 (2015年2月23日). 2015年3月1日閲覧。
  2. ^ 浜田特派大使の故サモア独立国元首の国葬参加”. 外務省 (2007年5月22日). 2015年3月1日閲覧。
  3. ^ ナウル政府、突然の豪人判事罷免”. 日豪プレス (2014年1月20日). 2015年3月6日閲覧。
  4. ^ アンジェリーナ・ジョリーさん、ナウルの難民施設を訪問へ”. AFPBB News (2014年7月15日). 2015年3月1日閲覧。
  5. ^ 馬英九総統、ナウルの大統領夫妻ら訪問団と会見”. Taiwan Today (2014年12月5日). 2015年3月1日閲覧。
  6. ^ ナウル大統領が労働部の職業訓練を視察”. Taiwan Today (2014年12月8日). 2015年3月1日閲覧。
  7. ^ 日・ナウル首脳会談”. 外務省 (2015年5月22日). 2015年11月15日閲覧。
  8. ^ ナウル大統領、「傲慢」な中国に謝罪要求 国際会議での態度を批判”. AFP (2018年9月6日). 2018年9月6日閲覧。
  9. ^ ナウル議会、台湾支持の決議案採択 蔡総統太平洋歴訪”. フォーカス台湾 (2019年3月25日). 2019年8月28日閲覧。
  10. ^ ナウル大統領落選、退任へ 中国に謝罪求め話題”. 日本経済新聞 (2010年8月26日). 2019年8月26日閲覧。
  11. ^ “Baron Waqa begins role as Pacific Islands Forum secretary general”. RNZ. ラジオ・ニュージーランド. (2024年6月4日). https://www.rnz.co.nz/international/pacific-news/518597/baron-waqa-begins-role-as-pacific-islands-forum-secretary-general 2024年6月4日閲覧。 
  12. ^ Fiji President Ratu Epeli Nailatikau to make state visit to Nauru”. ナウル共和国政府 (2014年2月13日). 2015年3月1日閲覧。
  13. ^ バロン・ディバベシ・ワンガ、小川和美「特別インタビュー ナウル共和国大統領 バロン・ディバベシ・ワンガ」『パシフィックウェイ』第150号、太平洋協会、2017年、2-5頁、NAID 40021336344 リンク (PDF)

外部リンク

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以下全て英語のサイト

先代
スプレント・ダブウィド英語版
 ナウル共和国大統領
第30代: 2013年 - 2019年
次代
ライノル・エニミア