ヌシャテル (チーズ)
ヌシャテル(フランス語: Neufchâtel)は、フランスのノルマンディー地方のブレ地域(en) で作られる白カビチーズ[2]。ハート型の形状をもつタイプがあり、これは特徴のひとつとして挙げられる[5]。日本語ではヌーシャテル[4]、ヌーシャルテルチーズ[6]、ヌシャルテル[6]、ヌフシャルテル[6]とも表記される。ブレ地域とはセーヌ=マリティーム県、オワーズ県にまたがるエリアである[3]。
ヌシャテル Neufchâtel | |
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分類 | 白カビチーズ |
原料 | 牛乳[1][2] |
原産国 | フランス |
原産地 | ノルマンディー地方のブレ地域(本文参照)。 |
生産場所 | 農家(フェルミエ)、酪農場、酪農工場 |
生産期間 | 生乳のものは夏から秋。それ以外は一年中 |
形状 | さまざま(本文参照) |
大きさ | さまざま(本文参照) |
重量 | さまざま(本文参照) |
乾燥成分 | 40g/100g |
脂肪分 | 45%以上。ボンドタイプは60%[3] |
表皮 |
白カビ 2、3週間ほどで熟成が進むと麦わら色になる[4] |
熟成 | 通常3週間。うち最低 10日は指定の区域内における熟成が必要。 |
呼称統制 | AOC |
同じタイプの白カビチーズのカマンベール・ド・ノルマンディなどと異なる製造工程の特徴があり、カードをこねるときに早くも塩を混入したり[5]、前もって熟成しておいたヌシャテルを混ぜるという手法が用いられる[3]。製造工程は生産者によって違いがあり、塩はあとで使う場合もある[3]。熟成期間は12日、3週間、1 - 3箇月などさまざまで、ボンドタイプの大きなものは熟成期間が6箇月に及ぶものもある[3]。
歴史
編集ヌシャテルについての言及が確認できる現存最古の文献は11世紀のもので、1035年[3]とも1037年[7]とも言われる。かなり間が空くが、1543-1544年サンタマン修道院(ルーアン)における会計報告書の中にも記載が見られる[7]。巷間伝わるところによれば、14世紀に始まる百年戦争の最中、フランス娘がイングランド軍の兵士に送ったハート型のヌシャテルが現在でも特徴とされるハート型の始まりとのこと[5][6]。パリで広く知られるようになったのは “Almanach des gourmands”(『食通年鑑』[2]、『美食年鑑』[8]。1803 - 1812年)に採録されたことによる[2]。AOCの認定を受けた年については複数の文献間で異同が見られ、1969年とするものと[6][9][10]、1977年[2][3][7]とするものがある。INAOの資料では1977年としている[7]。2014年には1,660トンが販売され、うち490トンが農家によって、残りは工場で生産された[11]。
形状・サイズ
編集名称ごとの形状、サイズおよび重量を下表にまとめる[3]。
名称 | 形状 | 平面サイズ | 高さ | 重量 | 備考 |
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カレ carré |
角盤 | 6.5cm角 | 2.4cm | 100g | |
ブリケット briquette |
煉瓦型 | 7 x 5cm | 3cm | 100g | 「小さい煉瓦」の意 |
ボンド bonde |
樽栓状 | 4.5cm直径 | 6.5cm | 100g | 「シードルの樽の栓」の意 |
ドゥーブル・ボンド double bonde |
樽栓状 | 5.8cm直径 | 8cm | 200g | 「2倍のボンド(上記ボンド参照)」の意 |
クール cœur |
ハート型 | 10cm幅 | 3.2cm | 200g | クールは「ハート」の意 |
グロ・クール gros cœur |
ハート型 | 14cm幅 | 5cm | 600g | 「大きなハート」の意 |
脚注
編集- ^ 以下「基本情報」欄は、特記の無い限り下記文献による。
- ^ a b c d e 本間るみ子; 増井和子; 山田友子 著、文藝春秋 編『チーズ図鑑』(7版)株式会社文藝春秋〈文春新書〉、2009年、106-107頁。ISBN 4-16-660182-2。
- ^ a b c d e f g h 日仏料理協会 編『フランス 食の事典(普及版)』株式会社白水社、2007年、455-456頁。ISBN 978-4-560-09202-6。
- ^ a b 並木麻輝子『フランスの郷土料理 : ツール・ド・グルメ』小学館〈Shotor travel〉、2003年、46頁 。
- ^ a b c 本間るみ子 著、主婦の友社 編『チーズの選び方 楽しみ方』株式会社主婦の友社、2012年、36頁。ISBN 978-4-07-285215-6。
- ^ a b c d e “ヌーシャテル”. 雪印メグミルク株式会社. 2016年7月24日閲覧。
- ^ a b c d “Fiche produit”. INAO. 2016年7月24日閲覧。
- ^ 前掲 (日仏料理協会 2007, p. 180)
- ^ “Neufchâtel”. fromages-aop.com. 2016年7月24日閲覧。
- ^ “ヌーシャテル A.O.P.”. ラクタリス・ジャポン. 2016年7月24日閲覧。
- ^ INAO et CNAOL. “Produits laitiers AOP Chiffres clés 2014” (PDF). INAO. p. 2. 2016年7月24日閲覧。