ニュージーランド航空
ニュージーランド航空(ニュージーランドこうくう、英語:Air New Zealand)は、ニュージーランドのオークランド市を本拠地とする航空会社。ニュージーランドのフラッグ・キャリアである。S&P/NZX 50構成銘柄。
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法人番号 | 4700150003018 | |||
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設立 | 1940年 (Tasman Empire Airways Limited として) | |||
ハブ空港 | オークランド国際空港 | |||
焦点空港 |
クライストチャーチ国際空港 ロサンゼルス国際空港 | |||
マイレージサービス | Airpoints | |||
会員ラウンジ | Koru Lounge | |||
航空連合 | スターアライアンス | |||
親会社 | Air New Zealand Ltd. | |||
保有機材数 | 105機 | |||
就航地 | 61都市 | |||
本拠地 | ニュージーランド オークランド市 | |||
代表者 | Rob Fyfe (CEO), Rob McDonald (CFO) | |||
外部リンク | https://www.airnewzealand.jp/ |
ニュージーランド航空のボーイング777-300ER | |
種類 | 株式会社 |
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市場情報 |
NZX AIR.NZ
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本社所在地 |
ニュージーランド オークランド |
設立 | 1940年 |
業種 | 空運業 |
法人番号 | 4700150003018 |
事業内容 | 航空運送事業 |
従業員数 | 11,000 |
外部リンク | https://www.airnewzealand.jp/ |
概要
編集国際線と国内線を運航するニュージーランド最大の航空会社。オセアニア地域を中心にアジア、ヨーロッパ、北アメリカ、南アメリカへの航空サービスを行う。航空連合スターアライアンスのメンバー。
本拠地はオークランド国際空港である。機体マークはニュージーランドのマオリ族の伝統模様である「コルー (Koru)」(シダの芽の渦巻きをモチーフとしたデザイン)を採用している(シダの芽は「誕生、成長」を意味している)。
2006年4月、カンタス航空との間で「トランス・タスマンルート」と呼ばれるオーストラリアとニュージーランド間のフライトに関しての包括提携を発表した。しかし、公正取引委員会によって「反競争的で国民の利益に反する」として認可されなかった。
ニュージーランドは地理的に世界中から遠く離れていることもあり、一部の路線でエコノミークラス専用フルフラットシート『スカイカウチ』を導入するなど、エコノミークラスのサービス品質は世界的に高く評されている。
イギリスの『コンデナスト・トラベラー誌』による読者賞「最高の長距離輸送航空会社」を7度受賞しているほか、『TTGアジアトラベルMTVムービー・アワード』「ベストパシフィックエアライン賞」を6年連続受賞、アメリカ合衆国の航空業界誌『エア・トランスポート・ワールド (ATW)』「エアライン・オブ・ザ・イヤー2010」「エアライン・オブ・ザ・イヤー2012」(3年で2度の受賞は世界初)、航空機の安全調査を行う『AirlineRatings.com』「エアライン・オブ・ザ・イヤー」を2015年から2017年に渡って3年連続で1位受賞[1]するなど、世界各地の旅行部門にて受賞歴多数。その一方で、ニュージーランドの競合他社が少ないことから、航空運賃は相対的に高めである。
従業員数は約11,000人(2012年)。業務上の最高責任者は最高経営責任者(CEO)が務め、2020年からグレッグ・フォランが務める[2]。法人としての最高責任者は会長が務め、2010年12月からアントニー・カーター(フィッシャー・アンド・パイケル・ヘルスケア社会長、ラフボロー大学工学修士)が務める。
2020年4月以降ニュージーランド政府が同年3月15日以降太平洋島諸国を除き、ニュージーランド国民を含め、他国や地域からの入国者に対し、入国後2週間の自主隔離政策を実施したことに伴い日本路線を含め多くの長距離国際線が運休する事となり、以降ニュージーランド国民と居住者の帰国救済便として路線によって週一便単位とかで再開する便があるが、コロナ以前と比較し8,9割運休する事態となっている。
同社は2022年2月から、18歳以上のすべての国際線利用者に新型コロナウイルスのワクチン接種を義務化すると発表した。医療上の理由からワクチン接種ができない場合には、それを証明する書類が必要となるが以前のニュージーランド国民と居住者のみの渡航制限からすれば緩和されることとなりそれに合わせ駐機整備保管されていた777-300ERなど長距離国際線機材の準備のための試験飛行をさせ22年は段階的に渡航制限緩和し、それに合わせ運航便数も復帰させていく見込みとしている。
歴史
編集- 1940年:国営航空「タスマン・エンパイア・エアウェイズ・リミテッド (TEAL)」 が設立され、イギリス連邦オーストラリアをはじめオセアニア各地を中心に運航を開始。
- 1947年4月:ナショナル エアウェイズ公社 (NAC) が設立される。国内線と南太平洋諸島への国際線が就航。
- 1963年9月:ダグラス・エアクラフトにダグラス DC-8を購入することに合意。
- 1965年4月:TEALがニュージーランド航空 (Air New Zealand) へ改称される。
- 1967年:日本支社が東京に開設される。
- 1978年4月:ニュージーランド航空とNACが合併する。
- 1980年8月:新東京国際空港(現:成田国際空港)へ定期便を就航する。
- 1989年4月:民営化されニュージーランド証券取引所とオーストラリア証券取引所に株式を上場する。75.5%の株式はニュージーランド政府が所有している。[3]
- 1994年9月:関西国際空港へ定期便を就航する。
- 1999年3月:航空連合スターアライアンスに加盟。
- 2012年:全日本空輸(ANA)とのコードシェア(共同運航)を開始。
運航機材
編集概要
編集ニュージーランド航空が発注したボーイング社製航空機の顧客番号(カスタマーコード)は19で、航空機の形式名は747-419, 767-319ER, 777-219ER などとなる。また、現在同社ではファーストクラスは導入していない。過去には747-200Bや747-400といったジャンボジェットにファーストクラスを12席を入れ、ビジネスクラス[注釈 2]をアッパーデッキや別のコンパートメントに入れたりしていたが、新しいビジネスクラス「ビジネスプレミア」を順次入れた後に廃止された。
同社は地理的に機材の長距離運航が多く、機材を限界近く酷使するため、状態のよい機材を上手く運用している。ニュージーランドはイギリス連邦加盟国であるため歴史的に運用機材のエンジン選択はロールス・ロイス製を使用してきたが近年は総合的に判断し、他社製エンジンも使用している。
老朽化したボーイング747-400を置き換える為に2010年末からボーイング777-300ERが導入され始めた。また金融危機、燃料費節約のために、燃費の悪いボーイング747のZK-NBTとZK-NBSの運用をいち早く止めている[注釈 3]。ZK-NBSは導入から19年たっており、長距離洋上飛行による老朽化、また2002年にエンジン故障もおこしていることから2010年9月にアメリカで解体された。この解体は事故抹消機を除くハイテクジャンボの解体第一号となった。そして2014年9月10日、同社のボーイング747-400は運航をすべて終了した。これにより、同社のフリートから四発エンジン旅客機が姿を消した。
ニュージーランド航空ではボーイング787を導入しているが、遅延のため、2009年にボーイング767-300ERにウイングレットを装着して燃費を向上させる改修を実施し、機材運用を延長していた。その後ボーイング767-300ERは787や777の納入によって機材更新が進み退役した。
一部の機材には、自国のラグビーチームなどをスポンサーとしている「オールブラックス」であり、機体全体がこれまでのコーポレートカラーティールから真っ黒に塗装されたり(ボーイング777-300ERのZK-OKQ、A320のZK-OABなど)、離陸前の機内安全ビデオにもオールブラックスのメンバーが登場したりする。
2012年に垂直尾翼全体が黒地、ロゴマークは白地の組み合わせとなる新塗装が発表され、2013年から就航している[4]。
リスト
編集機材 | 保有数 | 発注数 | 座席数 | 備考 | |||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
L | C | P | S | Y | 計 | ||||
エアバスA320-200 | 17 | - | - | - | - | - | 171 | 171 | |
エアバスA320neo | 6 | - | - | - | - | - | 165 | 165 | |
エアバスA321neo | 7 | 4 | - | - | - | - | 214 | 214 | 短距離国際線用 |
5 | 217 | 217 | 国内線用 | ||||||
ATR 72-600 | 29 | 2 | - | - | - | - | 68 | 68 | |
ボーイング777-300ER | 7 | - | - | 44 | 54 | 60 | 184 | 342 | 長距離国際線用 2027年までに退役予定 |
1 | 6 | 53 | 34 | - | 201 | 294 | |||
1 | - | 40 | 32 | - | 296 | 368 | |||
ボーイング787-9 | 9 | 2 | - | 18 | 21 | 42 | 221 | 302 | ローンチカスタマー 長距離国際線運用 新客室仕様に改修予定 |
5 | 27 | 33 | 39 | 176 | 275 | ||||
- | 8 | 42 | 52 | 125 | 227 | 2024年より「スカイネスト」付き、新客室仕様の機材を受領予定[7] | |||
- | 4 | 22 | 33 | 213 | 272 | ||||
ボーイング787-10 | - | 6 | TBA | ||||||
デ・ハビランド・カナダ DHC-8-Q300 | 23 | - | - | - | - | - | 50 | 50 | |
計 | 108 | 14 |
画像
編集-
エアバスA320-200
-
エアバスA320neo
-
エアバスA321neo
-
エアバスA321neo(オールブラックス塗装)
-
ATR 72-600
-
ATR 72-600(オールブラックス塗装)
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ボーイング777-300ER
-
ボーイング777-300ER(オールブラックス塗装)
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ボーイング787-9
-
ボーイング787-9(オールブラックス塗装)
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ボンバルディア DHC-8-Q300
退役機材
編集リスト
編集- ボーイング737-200
- ボーイング737-300
- ボーイング747-200B
- ボーイング747-400
- ボーイング767-200・300
- ボーイング777-200ER
- BAe 146-300
- ダグラス DC-8
- フォッカーF27
- ロッキード L-188
- マクドネル・ダグラス DC-10-30
画像
編集-
ボーイング737-200
-
ボーイング737-300
-
ボーイング747-200
-
ボーイング747-400
-
ボーイング767-200ER
-
ボーイング767-300ER
-
ボーイング777-200ER
-
BAe 146-300
-
ダグラスDC-8-52
-
ダグラス DC-8-55F
-
フォッカー F27
-
ロッキード L-188
-
マクドネル・ダグラス DC-10-30
就航都市
編集- オークランド - ロンドン便は、かつてロサンゼルス経由(東廻り。所要時間はオークランド発=24時間40分、ロンドン発=26時間20分)と香港経由(西廻り。所要時間はオークランド発=26時間50分、ロンドン発=25時間5分)の2種類で運航されていたが、2013年3月4日以降は、オークランド - 香港 - ロンドン線のうち香港 - ロンドン線を運休[12]し、現在はロサンゼルス経由便のみ残っている。ロサンゼルス経由便も香港経由便もどちらも距離的にロンドンへの最短ルートからは遠回りになっていた。なお、これらの便を合わせれば、ニュージーランド航空のみで世界一周旅行が可能であり、世界一周路線を保有する唯一の航空会社でもあった。
- 南極回りの南アメリカ路線(オークランド-ブエノスアイレス)を運航する数少ない航空会社である。
サービス
編集ニュージーランド航空の長距離国際線では、ボーイング777、787にビジネスクラス『ビジネス・プレミア』とプレミアムエコノミー、エコノミークラスの3クラスで構成されている。
ビジネス・プレミアには、777で1-2-1配列、787で1-1-1配列のフルフラットベッドシートが装備。プレミアムエコノミークラスにはスペースシート装備。エコノミークラスの一部前方窓側座席では、2011年から座席一列の足元レッグレストを座面まであげて水平固定し大人が二人程入るベッドができる『スカイカウチ』を設定している。同社は同サービスコンテンツをライセンス提供しており、2019年からANAで就航運用されているA380フライングホヌで提供されているANA COUCHiiも同社ライセンス提供サービスとなっている。 また、同社は南半球太平洋上にある地理的存在から長距離国際線が多いため、前述「スカイカウチ」にみられるような客室設備開発に意欲的で、2020年にはエコノミー客室内に「スリープ・ポッド」と呼ぶベッドを最大6台収納できる「スカイネスト」と呼ばれる寝室モジュールを設置提供するコンセプトを発表した[13]が、その後COVID-19流行により投入時期は未定となった。しかし、ニュージーランド航空としてニューヨーク直行便就航時に運用したいとしている。
日本線に就航しているボーイング777-200ERとボーイング787には全座席にシートテレビが完備されている。ボーイング787-9に搭載されているものはパナソニックアビオニクス社製のeX3と呼ばれる最新鋭のものである[14]。ボーイング787-9は、2017年7月に新規就航された羽田/オークランド線でも使用されている。
国内線は基本エコノミークラスのみで、無料のスナックや飲料水などが用意されている。
コードシェア
編集ニュージーランド航空はスターアライアンス加盟各社とコードシェアを行っているが、スターアライアンス以外の下記の航空会社ともコードシェアを行っている。
マイレージプログラム
編集マイレージプログラムは「エアポインツ(Airpoints)」を運営している。ただし、ポイント単位は「エアポインツドル」という独自単位を使用している。
ユニークな機内安全ビデオ
編集旅客機の離陸前に放映する機内安全ビデオは、頻繁に更新される。2009年6月22日に動画共有サイトYouTubeで公開され、国内線のボーイング(BA.N)737型機で流されたビデオでは出演する乗務員が裸の体にボディペインティングを施していたり[15](プライベートゾーンは最後に登場する女性の尻以外は見えていない)、オールブラックスのメンバーや、全編ニュージーランドで撮影されたことでも有名な映画『ロード・オブ・ザ・リング』、『ホビット』や『メン・イン・ブラック』(2016年公開)[16]の出演者が出演していたり、冒険家のベア・グリルス[17]やアメリカ出身のコメディ女優「ベティ・ホワイト」ら往年のスターを起用[18]し、機内安全ビデオとしては初の全編屋外ロケとなったり、ニュージーランド観光大使を務める清水直行もこの機内安全ビデオに登場したりと、非常にユーモアに富んでいる。
事故
編集- ニュージーランド航空901便エレバス山墜落事故(南極・エレバス山、DC-10-30型機)
- 2008年2月8日、7時10分ブレナム発クライストチャーチ行き、ニュージーランド航空 NZ2279便の小型機の機長と副機長が刺された。7人の乗客が乗っており(男性2人、女性5人)犯人は33歳の女で、左前方の1Aに座っていた。この飛行機はクライストチャーチに緊急着陸し、クライストチャーチ空港が長時間に渡り閉鎖された。
- 2010年1月31日 19時5分頃、NZ90便(ボーイング777型機)が、成田国際空港A滑走路で逆噴射をかけて離陸を中断し、12本のタイヤが全てパンク、立ち往生した。当該便は欠航となった。乗員乗客にけが人はなかった[19]。また、A滑走路は30分ほど閉鎖となった。
関連会社
編集関連項目
編集- マイレージサービス
- ホビット - 出演者が離陸前のセーフティービデオに出演している。2012年11月24日にB777-300ERを1機(機体番号:ZK-OKP)用いて、この特別塗装機を運航している[20]。
- クリストファー・ラクソン - ニュージーランド航空元CEO、現 ニュージーランド首相
脚注
編集注釈
編集出典
編集- ^ Awards AirlineRatings.com
- ^ 公式サイト 2023年11月27日閲覧。
- ^ “Shares on Issue”. 2010年2月19日閲覧。
- ^ Air New Zealand and Tourism New Zealand Enter Into New $20 Million Partnership Archived 2013年6月19日, at Archive.is June 11, 2013
- ^ Air New Zealand Fleet
- ^ シートマップ
- ^ ニュージーランド航空、ついに3段寝台が登場!6クラスを擁する機内とは? 2024年9月から
- ^ ニュージーランド航空、11月にオークランド/仁川線を開設 最大週5便 FlyTeam 2019年5月5日付
- ^ ニュージーランド航空、12月からオークランド/マニラ線に就航へ 週3便 FlyTeam 2016年4月7日付
- ^ a b [1]
- ^ 羽田 - オークランド線 2017年7月より直行便を新規就航
- ^ Air New Zealand announces changes to Hong Kong and London services November 2012 22:00
- ^ ニュージーランド航空、エコノミー寝室「スカイネスト」 ベッドや寝具、21年導入判断
- ^ Discover the extraordinary new Boeing 787-9 Air New Zealand
- ^ 「NZ航空、機内ビデオに客室乗務員が「裸」で登場」『Reuters』2009年7月2日。2019年4月29日閲覧。
- ^ “ニュージーランド航空、新作機内安全ビデオ 「メン・イン・ブラック×オールブラックス」編を発表 - プレスリリース - 2015年 - プレスリリース | ニュージーランド航空- 日本”. www.airnewzealand.jp. 2019年4月29日閲覧。
- ^ 藤本エリ (2013年3月19日). ““機内安全ビデオ”なのにオール野外ロケ! “ニュージーランド航空”の新作が相変わらずぶっ飛んでる”. ガジェット通信 2016年11月9日閲覧。
- ^ [2]
- ^ “NZ機急制動でパンク 成田、滑走路30分閉鎖”. 47NEWS. 共同通信 (201-02-01). 2015年1月22日時点のオリジナルよりアーカイブ。2015年1月22日閲覧。
- ^ Air New Zealand reveals Hobbit-inspired 777-300 aircraft 23 November 2012
外部リンク
編集- ニュージーランド航空(日本サイト)
- Air New Zealand(国際サイト)
- Air New Zealand - YouTubeチャンネル
- ニュージーランド航空 - YouTubeチャンネル
- Air New Zealand (AirNZJP) - Facebook
- Air New Zealand (@airnz) - Instagram