ニトロエタン
ニトロエタン(英: Nitroethane)は、化学式C2H5NO2で表される有機化合物。常温・常圧では油状の液体。純粋なものは無色で、果実様の臭気を持つ。
ニトロエタン Nitroethane | |
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nitroethane | |
識別情報 | |
CAS登録番号 | 79-24-3 |
国連/北米番号 | UN 2842 |
RTECS番号 | KI5600000 |
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特性 | |
化学式 | C2H5NO2 |
モル質量 | 75.07 g/mol |
外観 | 無色の油状液体 |
匂い | 果実様の臭気 |
密度 | 1.054 g/cm3, 液体 |
融点 |
-90 °C, 183 K, -130 °F |
沸点 |
112.0–116.0 ℃ (385.2–389.2 K) |
水への溶解度 | 微溶 (4.6 g/100 ml,20°C) |
溶解度 | メタノール・エタノール・エーテルに易溶、クロロホルムに可溶。 |
粘度 | 0.677パスカル秒 (20℃) |
危険性 | |
安全データシート(外部リンク) | MSDS at fishersci.com |
主な危険性 | 可燃性、有害性 |
Rフレーズ | R5 R10 R22 |
Sフレーズ | S41 |
引火点 | 28 °C |
発火点 | 410 ℃ |
関連する物質 | |
関連するニトロ化合物 | ニトロメタン |
関連物質 | 硝酸エチル 亜硝酸エチル |
特記なき場合、データは常温 (25 °C)・常圧 (100 kPa) におけるものである。 |
生成
編集硝酸とプロパンを350–450℃で処理すると得られる。これは、ニトロエタン、1-ニトロプロパン、2-ニトロプロパンと並ぶ、主要なニトロアルカン反応である。この反応では、対応する亜硝酸エステルのホモリシスを介して、CH3CH2CH2O.などのフリーラジカルが発生する。これらのアルコキシ基は、C-Cの断片化の影響を受けやすい[1]。
用途
編集産業的には、ヘンリー反応に利用される。 降圧薬メチルドーパの前駆体となる3,4-ジメトキシベンズアルデヒドの合成や、ベンズアルデヒドとの縮合・置換反応によりアンフェタミンの原料となる。ニトロエタンと2倍の量のホルムアルデヒドを縮合させたのち水素化すると、2-アミノ-2-メチル-1,3-プロパンジオールが生じる。さらにオレイン酸と縮合させるとオキサゾリンが生じる。プロトン化すると陽イオン系界面活性剤となる[1]。
危険性
編集日本の消防法では、ニトロ化合物として第5類危険物(自己反応性物質)に分類される。引火点の28℃以上では、空気と混合し爆発性の気体を生じる。塩基や酸、アミン、重金属と混合したものは衝撃に鋭敏になる[2]。ラットに経口投与した場合の半数致死量(LD50)は1,625mg/kg。摂取した場合には血液障害や麻酔作用、呼吸器への刺激性、催涙性があるが、皮膚への刺激性および発癌性は確認されていない[3]。
脚注
編集- ^ a b Sheldon B. Markofsky “Nitro Compounds, Aliphatic” Ullmann's Encyclopedia of Industrial Chemistry, Wiley-VCH, Weinheim, 2002. doi:10.1002/14356007.a17_401.
- ^ 国際化学物質安全性カード
- ^ 製品安全データシート(安全衛生情報センター)