ニトベカズラ

タデ科の植物の一種
ニトベカズラ属から転送)

ニトベカズラ(新渡戸葛[1]、別名:アサヒガズラ、学名:Antigonon leptopus[2])はタデ科ニトベカズラ属多年生つる植物または亜低木。帰化植物

ニトベカズラ
ニトベカズラAntigonon leptopus
分類APG IV
: 植物界 Plantae
階級なし : 被子植物 angiosperms
階級なし : 真正双子葉類 eudicots
階級なし : コア真正双子葉類 core eudicots
: ナデシコ目 Caryophyllales
: タデ科 Polygonaceae
亜科 : エリオゴヌム亜科 Eriogonoideae
: ニトベカズラ属 Antigonon
: ニトベカズラ A. leptopus
学名
Antigonon leptopus Hook. et Arn.
英名
coral vine, chain-of-love
ニトベカズラの花(拡大)
道端に繁茂するニトベカズラ

和名は台湾総督府殖産局長を務めた新渡戸稲造を記念してつけられ、別名は淡紅色の花から朝日を連想したことによるとされる[3]

特徴

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茎は方形で稜があり、淡紅紫色を帯び、他物に絡まって伸び、長さ10–15 mになる。葉は2 cmほどの紅紫色をした葉柄をもち互生する。葉は薄く長いハート型で長さ8–15 cm、葉縁は波打ち、葉脈のシワが目立つ。

茎の先端近くの葉腋から花軸を伸ばし、総状花序に1 cmほどの花を多数つけ、株全体を覆う。花弁は無く、淡紅色の花弁状の萼片が5個ある。

園芸品種に白色のアルブム(cv. "Album")がある。

実は茶色で長さ1 cm、種子は三角錐形で黒色。地下に塊根を作る。一般に常緑性だが低温にあうと落葉する。生長が早く、台風で葉が傷められてもすぐ回復する[4][3][1]

分布と生育環境

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メキシコ原産で、熱帯~亜熱帯で広く栽培される。日本へは1917年に渡来し、沖縄へは戦後ハワイからの導入後に各地で栽培され、逸出野生化したものが散見される。[4][1]

利用

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庭園、生垣、パーゴラ、フェンス用など。実生や挿木で繁殖可能。結実が良く、実生株は発芽後2年ほどで開花株となる。

乾燥にもやや強く、土壌は選ばないが日当たりの良い場所に植栽する。病虫害は少ない[3][4][1]

脚注

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参考文献

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  • 米倉浩司; 梶田忠 (2003年). “ニトベカズラ Antigonon leptopus Hook. et Arn.”. BG Plants 和名-学名インデックス (YList). 2024年6月17日閲覧。
  • 植村修二 ほか『増補改訂 日本帰化植物写真図鑑:Plant invader 500種』 2巻、全国農村教育協会、東京都台東区、2015年。ISBN 9784881371855  ※ 別名のアサヒガズラで掲載
  • 林将之; 名嘉初美『沖縄の身近な植物図鑑』ボーダーインク、2022年。ISBN 9784899824350 
  • 海洋博記念公園管理財団『沖縄の都市緑化植物図鑑』新星出版、那覇市、1997年。ISBN 9784902193732 

外部リンク

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