ニコライ・ホジャイノフ
ニコライ・ホジャイノフ(Nikolay Khozyainov, 露: Николай Юрьевич Хозяинов, 1992年7月17日 - )は、ロシアのクラシック音楽のピアニスト。
ニコライ・ホジャイノフ | |
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Khozyainov in 2015 | |
基本情報 | |
生誕 | 1992年7月17日(32歳) |
出身地 | ロシアアムール州ブラゴヴェシェンスク |
ジャンル | クラシック |
職業 | 演奏家 |
担当楽器 | ピアノ |
活動期間 | 1999- |
公式サイト |
www |
人物
編集出自
編集ロシア極東のブラゴヴェシェンスク(シベリア南部-モンゴルの東方、北朝鮮の北方に位置し中国国境を流れるアムール川沿いの州都)生まれ[1][2][3]。
父は軍人、母は小児科の医師で音楽とは無関係。5歳の時に早期教育プログラムで音楽の才能を見出された。母親が医師として行く幼稚園などで勝手にピアノの練習をしていたが、その後10ヶ月のピアノコースで学ぶ。同コースの先生から「モスクワで勉強を続けなさい。」と言われ、6歳でモスクワに移住。[4]
ロシアン・ピアノスクールの優れた継承者と見なされ[4][5][6][7][8][9][10][11][12][13]、詩的な音楽性とヴィルトゥオジティで評価が高い[7][8][9][14][15][16][17][18]。
日本でのマネージメント事務所はClassic Next。[19]
経歴
編集5歳でピアノを始め、その才能を見出された。その後モスクワ中央音楽学校で勉強を続け、7歳の時、モスクワ音楽院大ホールでヘンデルのピアノ協奏曲を弾いてデビュー[20]
Nikolay Khozyainov Handel Piano Concerto F-major Moscow, February 2000 - YouTube
2010年からはチャイコフスキー記念モスクワ音楽院で学び、最優秀生徒メダルを授与されて卒業[6][20][21]。 現在は、ハノーファー音楽大学でアリエ・ヴァルディ教授のもと学んでいる[22]。
セルゲイ・ラフマニノフを作曲家としてもピアニストとしても尊敬している[23][24]。
2024年7月の来日コンサートでは、自作曲「平和の花びら」「ファンタジー」の二つの日本初演を行った。そのうち「平和の花びら」は2022年にジュネーヴの国連事務局でのリサイタルのために書かれた作品。「平和とは美しい幻、蜃気楼のようなもので、時に目にできるけれど、同時に私たちが強く望むものだという想いが込められています。国連に加盟する国々の代表者を前に演奏したことは、忘れ難い思い出です」[25]
日本とのかかわり
編集日本好きとしても知られ日本語でのメッセージ動画が毎回話題になっている。
- ニコライ・ホジャイノフから日本語でのメッセージが届きました!(2014-0530) - YouTube
- ニコライ・ホジャイノフ Nikolay Khozyainov 日本語でのメッセージ(2015-03-27) - YouTube
- ニコライ・ホジャイノフから日本の皆様へメッセージ(2016-11-14) - YouTube
- ニコライ・ホジャイノフ with 若き日本の俊英たち Nikolay Khozyainov(2017-10-10) - YouTube
- ニコライ・ホジャイノフから日本語語のメッセージ(ワルシャワ・フィル)(2018-01-09) - YouTube
- 2020年8月日本ツアーへにむけて、日本のファンへ日本語でメッセージ(2020-04-23) - YouTube
- @nkhozyainov (2020年7月21日). "残念ながら、僕の日本でのコンサートは二月まで延期となりました(2020-07-21)". X(旧Twitter)より2020年7月21日閲覧。
- @nkhozyainov (2021年12月10日). "入国制限のため、日本に入れなくなってしまいました(2021-12-10)". X(旧Twitter)より2021年12月10日閲覧。
平家物語や方丈記[26]などの日本文学も愛読している。
ショパンが日本で人気を集める理由について「日本人は繊細な心の持ち主。『平家物語』の荒々しい性格を持つ登場人物でさえ、最期に美しい辞世の句を詠むのですから。人生や過去の記憶の美しさを大切にする感性を持っているのでしょう。そこにショパンと通じるものを感じます。」と語っている。[27]
- @nkhozyainov (2016年11月27日). "「海を這う雪透明な北の町 (Snow crawling the sea Crystal city)」". X(旧Twitter)より2016年11月27日閲覧。
- @nkhozyainov (2018年11月28日). "「青光心包んで冬の霧 (Blue rays shrouding the heart Winter's mist)」". X(旧Twitter)より2018年11月28日閲覧。
日本滞在記や、村上春樹 著書の感想メッセージ(英語)も公開している。
- @nkhozyainov (2017年11月4日). "Japanese nocturne..." X(旧Twitter)より2017年11月4日閲覧。
- @nkhozyainov (2018年1月25日). "Join me looking for Zen in Kyoto!!". X(旧Twitter)より2018年1月25日閲覧。
- Book Club Haruki Murakami's Latest Novel!(Nikolay's Book Club〜) - YouTube
演奏
編集演奏への想い
編集「準備したものを披露するのではおもしろくありません。創造性のない芸術は死んでいるも同然です。ステージで弾いている瞬間、僕は別の世界で創造しているので、ある意味そこにはいません。パフォーマンスとは肉体的なものでも触れられるものでもなく、形而上学的なものであるべきです」[29]
主な演奏活動
編集これまでに、ニューヨークのカーネギーホール[30]、リンカーンセンター[31]、ロンドンのウィグモア・ホール、ワシントンのジョン・F・ケネディ・センター、パリのサル・ガヴォー、シャンゼリゼ劇場[5]、ルーヴル[32]、モスクワのチャイコフスキーホール[33]、東京のサントリーホール[34][35] などで行われた。
2018年1月15日東京・港区のサントリーホールで行われたワルシャワ国立フィルハーモニー管弦楽団のニューイヤー・コンサートにて天皇・皇后臨席のもと演奏をした[35]。
共演
編集これまでに、東京交響楽団[34]、シドニー交響楽団[36]、ワルシャワ国立フィルハーモニー管弦楽団、チェコ国立シンフォニーオーケストラ[37]、ロシア国立オーケストラ[37]、読売日本交響楽団[38]、アイルランド国立交響楽団[39] などと共演している。
来日歴
編集- 2011年
- 2012年
- 2013年
- 7月 - 兵庫、甲府、つくば、清水、東京(ソロリサイタル)
- 2014年[44]
- 2月 - 札幌 札幌交響楽団と共演(指揮 ロッセン・ミラノフ)チャイコフスキー:ピアノ協奏曲第1番変ロ短調 作品23[45]
- 2月 - 東京(ソロリサイタル)
- 8月 - 東京 読売日本交響楽団と共演(指揮 円光寺雅彦)チャイコフスキー ピアノ協奏曲第1番変ロ短調 作品23[46]
- 8月 - 東京(ソロリサイタル)[47]
- 10月 - 京都 京都市交響楽団と共演(指揮 チャールズ・オリヴィエリ=モンロー)ショパン:ピアノ協奏曲第2番ヘ短調 作品21[48]
- 11月 - 山形 山形交響楽団と共演(指揮 飯森範親)ベートーヴェン:ピアノ協奏曲 第4番ト長調 作品58[49]
- 11月 - 大阪、明石(ソロリサイタル)
- 2015年[50]
- 2016年[22][54]
- 2017年
- 11月 - 東京 山根 一仁(ヴァイオリン)、伊藤 悠貴(チェロ)と共演 チャイコフスキー:ピアノ三重奏曲イ短調 作品50「偉大な芸術家の思い出に」[60][61]
- 2018年
- 1月 - 東京 ワルシャワ国立フィルハーモニー管弦楽団と共演(指揮:ヤツェク・カスプシック)ショパン:ピアノ協奏曲第1番ホ短調 作品11[62][63]
- 2022年
- 5月 - 名古屋、東京(ソロリサイタル)[64]
- 2024年
- 7月 - 東京(ソロリサイタル)平和の花びら、ファンタジー ※ホジャイノフ自作曲 日本初演[65]
ディスコグラフィー
編集Album Title | Label | Program |
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The Blue Series- Nikolay Khozyainov[66] | The Fryderyk Chopin Institute | Fryderkyk Chopin
|
Nikolay Khozyainov: Piano Recital[67] | CD Accord | Fryderyk Chopin
Franz Liszt
|
ニコライ・ホジャイノフ マイ・フェイヴァリッツ[68] | Victor Entertainment | Ludwig van Beethoven
Franz Schubert
Fryderyk Chopin
Franz Liszt
|
ニコライ・ホジャイノフ リスト:ピアノ・ソナタ ロ短調 他[69] | Victor Entertainment | Maurice Ravel
Fryderyk Chopin
Franz Liszt
|
日本でのテレビ出演
編集受賞歴
編集- 2003年「ピアノ・ヴィルトゥオーゾ」国際コンクール(チェコ)優勝および特別賞
- 2004年 第9回カルル・フィルチ国際ピアノコンクール(ルーマニア)優勝
- 2008年 スクリヤービン国際ピアノコンクール(パリ)優勝
- 2008年 若い音楽家のための第6回ショパン国際ピアノコンクール(モスクワ)第2位および特別賞を受賞
- 2010年 第16回ショパン国際ピアノコンクール(ワルシャワ)ファイナリスト
- 2012年 ダブリン国際ピアノコンクール優勝[73]
- 2012年 シドニー国際ピアノコンクール第2位。同時に、聴衆賞、シドニー交響楽団が選ぶベストコンチェルト賞、最優秀リスト作品演奏賞、最優秀シューベルト作品演奏賞、最優秀ヴィルトーゾ賞、最年少ファイナリストを受賞
脚注
編集出典
編集- ^ “Nikolay Khozyainov Biography”. Nikolay Khozyainov Official Website. 2018年1月28日閲覧。
- ^ “Nikolay Khozyainov”. Cavalletti Artists Management. 2018年1月28日閲覧。
- ^ ニコライ・ホジャイノフ 2018年2月3日閲覧。.
- ^ a b “明日を担うピアニストたちNikolay Khozyainov”. Yamaha (July 2015). 2018年1月28日閲覧。
- ^ a b “Musée du Piano : l'étonnant pianiste Nikolay Khozyainov”. ladepeche.fr. 2016年5月31日閲覧。
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- ^ 高坂はる香. “成熟したピアニズムで紡ぐバラエティ豊かなプログラム”. 2024年7月17日閲覧。
- ^ 高坂はる香 (2021年10月10日). “ショパンコンクール1次予選、ピアノとステージ「狭い部屋のことを「方丈」と言ってきて(鴨長明の方丈記が好きみたい)、いまコンテスタントの泊まっている部屋も方丈だ、といっていました。」”. ピアノの惑星ジャーナル. 2021年10月10日閲覧。
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- ^ “【インタビュー】 ニコライ・ホジャイノフに聞く「日本で見た歌舞伎がとても面白かった!衣装も、役者の動きも、見るものすべてにくぎづけになりました。」”. Japan Arts (2016年10月20日). 2016年10月20日閲覧。
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- ^ “東京交響楽団と共演(指揮 シャン・ジャン)ラフマニノフ:協奏曲第3番”. ミューザ川崎 (2012年4月20日). 2018年2月3日閲覧。
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- ^ “ダブリン国際ピアノ・コンクール優勝~俊英、ニコライ・ホジャイノフ登場”. TowerREcords (2012年9月25日). 2018年2月4日閲覧。
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- ^ “誰もが待ち望んだ本物のショパン!ニコライ・ホジャイノフ ピアノ・リサイタル”. オフィス諷雅. 2022年5月3日閲覧。
- ^ “音楽でつなぐ平和の架け橋 彼だけが魅せてくれる、新しい情景”. 浜離宮朝日ホール. 2024年7月17日閲覧。
- ^ “Publications”. The Fryderyk Chopin Institute. 2018年1月28日閲覧。
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- ^ “Nikolay KHozyainov Liszt Sonata”. Victor Entertainment (January 22, 2014). January 22, 2014閲覧。
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- ^ “オンエア情報:ニコライ・ホジャイノフ NHK BSプレミアム「クラシック倶楽部」”. JapanArts (2013年10月2日). 2018年2月12日閲覧。
- ^ “オンエア情報:ニコライ・ホジャイノフ NHK BSプレミアム「クラシック倶楽部」”. JapanArts (2015年4月10日). 2018年2月12日閲覧。
- ^ “ダブリン国際ピアノコンクール / Dublin International Piano Compeitition 2012 1st Prize”. dipc. 2018年2月4日閲覧。
外部リンク
編集- 公式ウェブサイト
- ニコライ・ホジャイノフ (nikhozyainov1) - Facebook
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- ヤマハ・インタヴュー「プログラムを考えるときは常に熟考します」