トラボプロスト(Travoprost)は眼科領域で使用されるプロスタグランジンF2αアナログで、緑内障の進展阻止や高眼圧症の管理に用いられる[1][2]。流出路からの房水排出を促進することで眼圧を降下させる[3]アルコンから Travatan および Travatan Z という名称で発売されている。

トラボプロスト
IUPAC命名法による物質名
臨床データ
販売名 Travatan
Drugs.com monograph
MedlinePlus a602027
胎児危険度分類
  • US: C
法的規制
薬物動態データ
代謝活性化:エステルの加水分解
分解:Β酸化, ヒドロキシ基酸化、二重結合の還元
作用発現2 hours
半減期1.5 時間(房水中)
45 分(排泄時)
作用持続時間≥ 24 時間
排泄腎臓
識別
CAS番号
157283-68-6 チェック
ATCコード S01EE04 (WHO)
PubChem CID: 5282226
IUPHAR/BPS 7102
DrugBank DB00287 チェック
ChemSpider 4445407 チェック
UNII WJ68R08KX9 チェック
KEGG D01964  チェック
ChEBI CHEBI:746859 チェック
ChEMBL CHEMBL1200799 ×
化学的データ
化学式C26H35F3O6
分子量500.548 g/mol
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副作用

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副作用として以下のものが知られている[4]

点眼後に余分な薬液を拭き取ることで、眼周囲への色素沈着や睫毛の濃化が軽減されるという調査結果がある[5]

薬理

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作用機序

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タフルプロストやラタノプロスト、トラボプロストのようなプロスタグランジンF誘導体のエステル化プロドラッグは、点眼後に代謝を受けてプロスタグランジンF受容体のアゴニストとして作用する。これにより主経路(線維柱帯流出路)または副経路(ぶどう膜強膜流出路)からの房水流出を促進し、眼圧下降作用を示す。

薬物動態

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トラボプロストは角膜から吸収され、加水分解を受けてトラボプロスト酸となり効果を示す。点眼後1-2時間で最大濃度に達し、半減期は1.5時間である。血中では急速に代謝され、25 pg/mlを超えることはない(眼内での濃度20ng/mlと比較すると、1/1000に過ぎない)。

酸性基はβ酸化により代謝(タフルプロスト#薬物動態も参照)される。別の側鎖ではヒドロキシ基が酸化され、二重結合が隣に移動していく。トラボプロスト酸およびその代謝物は主に腎臓から尿中に排泄 され、半減期は45分である[6]

 
Travatanの2.5ml 点眼容器

参考文献

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  1. ^ Alcon Laboratories, Inc. (September 2011). “Travatan - travoprost solution”. DailyMed. U.S. National Library of Medicine. 2011年9月30日閲覧。
  2. ^ Alcon Laboratories, Inc. (September 2011). “Travatan Z (travoprost) solution”. DailyMed. U.S. National Library of Medicine. 2011年9月30日閲覧。
  3. ^ AHFS Consumer Medication Information (2011年1月1日). “Travoprost Ophthalmic”. MedlinePlus. U.S. National Library of Medicine. 2011年9月30日閲覧。
  4. ^ Haberfeld, H, ed (2015) (German). Austria-Codex. Vienna: Österreichischer Apothekerverlag. Travatan 40 Mikrogramm/ml Augentropfen 
  5. ^ Xu L, Wang X, Wu M (2017). “Topical medication instillation techniques for glaucoma”. Cochrane Database Syst Rev (2): CD010520. doi:10.1002/14651858.CD010520.pub2. PMID 28218404. 
  6. ^ Drugs.com: Travoprost monograph.