デジタルロック
デジタルロック(Digital Rock)とは、ロック音楽のジャンルの1つ。略称で「デジロック」とも言う[1]。デジタルと融合させたロックを呼ぶために用いられた造語[2]。日本でのみ通用・呼称された「デジロック」は、しばしばテクノ的なアプローチが強いロックも、逆にロック的なアプローチが強いテクノも全てくくれる「音楽業界的に」便利な言葉として使用されたため、同時期に流行したトリップホップやドラムンベース、インダストリアルにカテゴライズされるべきアーティストさえも「デジロック」と一括りにされることが多々あった。ロックと電子音楽を融合させたジャンルとしてはエレクトロニック・ロックもある。
デジタルロック Digital Rock | |
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様式的起源 | |
文化的起源 | 日本 1980年代中期 |
使用楽器 | |
サブジャンル | |
関連項目 | |
歴史
編集90年代に日本の音楽誌上で流行した用語である。その後2000年代に主流になったとされる[3]。
海外と日本ではイメージされるものが違うので注意が必要である。イギリスではデジタルロックとはジーザス・ジョーンズのオリジナル・ジャンルととらえられることが多い。
日本では、デジタル・シンセサイザーが奏でるユーロビートというリズムパートにヘヴィーなギターサウンドを散りばめた『Get Wild』(TM NETWORKの楽曲)がそのスタートとなっている。ユーロビートそのものは80年代に流行していたポップの一ジャンルでありもともとロックとはみなされていなかったが、TM NETWORKがそれにギターサウンドを融合させたことにより新しいロックのジャンルが出来上がった。もっとも1987年当時はデジタルロックという言葉はあまり使われず、ダンス・ビートという呼称が使われていた。TM自体は、「(FUNK+PUNK+FANSで)FANKS」と名乗っていた。
PENICILLINのギタリスト千聖は1996年に、ソロで「DANCE WITH THE WILD THINGS」という曲を発表しているが、当時は「デジロックなんて言葉無かった」と述べている[4]。
デジタルロックはそのノリのよさからアニメ主題歌に起用されることが多く、現在ではアキシブ系とともにアニメソング界の主要なジャンルとなっている。
主なバンドやアーティスト
編集デジタルロックとして挙げられる主なバンド、アーティストには、
- TM NETWORK
- 布袋寅泰
- T.M.Revolution
- access
- BUCK-TICK
- globe
- PENICILLINギタリスト千聖
- 川田まみ[5]
- MELL[6]
- I've[7]
- 茅原実里[8]
- 橋本みゆき
- 原田ひとみ[9]
- KOTOKO[10]
- 黒崎真音[11]
- 島みやえい子
- fripSide[12]
- RAISE A SUILEN[13]
- MYTH & ROID[14]
- 前島麻由
- UVERworld
- MIYAVI[15]
等がある。
関連項目
編集脚注
編集- ^ 山本弘子 (2017年7月11日). “千聖 ソロデビュー20周年ツアーファイナル、熱狂の渦に感無量”. SPICE. 2018年10月15日閲覧。
- ^ “亀田誠治、ガンズ・アンド・ローゼズの魅力を分析”. ガジェット通信 (2017年1月17日). 2018年10月15日閲覧。
- ^ “大黒摩季「今ある心と技術を全投入しきれた」8年ぶりオリジナル・アルバム”. 株式会社アイ・シー・アイ (2018年10月14日). 2018年10月15日閲覧。
- ^ “【インタビュー】千聖、過去と未来を繋ぐソロデビュー20周年ベスト”. BARKS (2017年6月7日). 2018年10月15日閲覧。
- ^ “デジロック的なものが確立してきた ニューアルバム『PARABLEPSIA』発売記念 川田まみ超ロング・インタビューー!”. lisani (2015年). 2021年4月6日閲覧。
- ^ “デジロック・ナンバー「Red fraction」 I'veの歌姫3週連続特集 第三弾 MELL特集INTERVIEW”. barks.jp (2007年5月28日). 2021年4月6日閲覧。
- ^ “尾崎武士、中沢伴行によるI’veデジタルロックの王道サウンドに仕上がった作品。 Break a spell川田まみ”. oricon (2014年). 2022年6月20日閲覧。
- ^ “この「endless voyage」を100%〈茅原実里のデジタルロック〉に仕上げてきた技量に脱帽だ。 「endless voyage」レビュー” (2013年12月11日). 2022年6月19日閲覧。
- ^ “原田ひとみデジタルロック路線の楽曲ではクールな感情を歯切れよくアグレッシブに歌唱。 TVアニメ「魔弾の王と戦姫」エンディングテーマ 「Schwarzer Bogen」歌:原田ひとみ紹介” (2013年12月11日). 2022年6月19日閲覧。
- ^ “今まで以上に尖ったサウンドのデジタル・ロックに挑戦したかったんです。 KOTOKO、硬質なシンセサウンドのバックで変幻自在な歌声が揺れる4thアルバム『イプシロンの方舟(ふね)』大特集”. Barks (2009年10月21日). 2022年6月19日閲覧。
- ^ “黒崎:デジタルロックでカッコイイですね。ギターや打ち込みなど派手なアレンジで、ドラマチックですし。ライブでもバンド映えしそうな曲なので、今後楽しみです。今 黒崎真音さんが歌うテレビアニメ『東京レイヴンズ』のOP曲『X-encounter』11月6日リリース! 黒崎真音さんロングインタビュー【後編】”. animatetimes (2013年11月6日). 2022年6月19日閲覧。
- ^ “アニメ『フューチャーカード バディファイトハンドレッド』にふさわしいデジロックに仕上がっている。 fripSideの力強いデジタルサウンドでファイトを盛り上げる!”. tsutaya (2015年4月25日). 2022年6月15日閲覧。
- ^ “Raychell:Poppin'PartyさんとかRoseliaさんとは違ってDJがいまして、DJがいるからこそのデジタル・ロック・サウンドというか、EDMサウンドというか、そういったもので作るロックが私たちのサウンドだなと思っています。 インタビューRAISE A SUILEN”. 激ロック (2019年2月4日). 2022年6月15日閲覧。
- ^ “過去2作はデジタル色を散りばめたロックテイストの強い楽曲 3rdシングル『STYX HELIX』インタビューMYTH & ROIDが語る、アニソンの理想形「わかりやすさの中で個性を出すこと」”. RealSound (2016年5月28日). 2022年8月7日閲覧。
- ^ “MIYAVIが提言する新たなデジタルロックの形 「Strike It Out」から感じられたアニメ『トライブナイン』への深い愛”. RealSound (2022年3月31日). 2022年8月7日閲覧。