チャンプ (: champ brúitín) はアイルランドジャガイモ料理である[1]。基本の材料はマッシュポテト小ネギバター牛乳チーズを加え、コショウで味付けする。細ネギの代わりにイラクサの若葉[注釈 1]を用いたのは20世紀半ばという比較的最近までであり、現代ではこのレシピはまれである。

チャンプ
Champ
別名 Poundies (パウンディ)
発祥地 アイルランドの旗 アイルランド
主な材料 マッシュポテト小ネギバター牛乳チーズ
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手ごろな材料で安価に用意できる家庭料理であり、地域により「poundies」(パウンディ) と呼ぶ[3]。アイルランド料理にはマッシュポテトの応用料理としてコルカノンもある。ネギではなくケールあるいはキャベツをゆでて加える点が特徴的である。

慣用表現

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チャンプという料理名はアイルランド英語圏でよく耳にする言い回しにも名詞、動詞として採り入れられている。

名詞形

"as thick as champ"「チャンプと同じくらい不器用でくの坊」という意味。
"as ignorant as champ at a wedding"「結婚式に出かけたチャンプほど物を知らない無骨無粋[注釈 2]

動詞形

"The man beside him placed a cigar between Mallow's teeth and lit it. He champed on one of his own and said, "You must be overworked. Maybe you need a long rest."[注釈 3] ……男はホバー・マロウの口に葉巻を押しこむと火をつけ、自分も1本くわえると言った……。

参考文献

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  • Tilford, Gregory L (1997) (英語). Edible and medicinal plants of the West. Moore, Michael (序). ミズーラ: Mountain Press Pub.. ISBN 9780878423590. OCLC 489841305  山菜としてのイラクサの食べ方

脚注

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注釈

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  1. ^ イラクサの若葉は現在も食用にされ、ゆでてピュレ状にしたり、生でサラダに使ったりする[2]
  2. ^ 家庭料理のチャンプは祝いの宴席にふさわしくないことから[要出典]
  3. ^ アイザック・アシモフ作『ファウンデーション』(再版1971年)より[4]

出典

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  1. ^ Carleton, William; O'Donoghue, David James (1896). Traits and stories of the Irish peasantry. 4. London: J. M. Dent & Co.. p. 328. https://books.google.com/books?id=uCUOAAAAYAAJ&pg=PA328 
  2. ^ Tilford 1997.
  3. ^ poundies”. Irish Slang Sayings, Words & Terms.. 2015年12月17日閲覧。
  4. ^ Asimov, Isaac (1971). “part V: "The Merchant Princes", chapter 13”. Second foundation. London: Panther Books. p. 166 

関連項目

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関連資料

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