チェルノブイリの祈り
『チェルノブイリの祈り』(チェルノブイリのいのり、ロシア語: Чернобыльская молитва)は、1997年にベラルーシの作家、ジャーナリストであるスベトラーナ・アレクシエービッチによって発表された著作である。1986年のチェルノブイリ原子力発電所事故を経験した人々に3年にわたってインタビューをしてまとめられた。岩波現代文庫版は2015年12月で7刷5万部を刊行[1]。朝日新聞が2019年3月に発表した「平成の30冊」の20位に選ばれた[2]。
構成
編集- 孤独な人間の声
- 見落とされた歴史について――著者自身へのインタビュー
- 第一章 死者たちの大地
- 第二章 万物の霊長
- 第三章 悲しみをのりこえて
- 事故に関する歴史的情報
- エピローグに代えて
日本語訳
編集- スベトラーナ・アレクシエービッチ『チェルノブイリの祈り――未来の物語』松本妙子(訳)、岩波書店、1998年12月18日。ISBN 4-00-001388-2。
- スベトラーナ・アレクシエービッチ『チェルノブイリの祈り――未来の物語』松本妙子(訳)、岩波書店〈岩波現代文庫〉、2011年6月16日。ISBN 978-4-00-603225-8。
漫画
編集コミカライズが2023年7月14日発売の『ヤングアニマル』(白泉社)No.14より連載されている[3]。作画は熊谷雄太、監修を今中哲二 ・後藤一信が務めている[3]。
- スヴェトラーナ・アレクシエーヴィチ(原作)、熊谷雄太(漫画)、今中哲二 / 後藤一信(監修) 『チェルノブイリの祈り』 白泉社〈ヤングアニマルコミックス〉、既刊2巻(2024年6月28日現在)
- 2024年2月29日発売[4][5]、ISBN 978-4-592-16676-4
- 2024年6月28日発売[6]、ISBN 978-4-592-16677-1
脚注
編集- ^ “(売れてる本)『チェルノブイリの祈り 未来の物語』 スベトラーナ・アレクシエービッチ〈著〉”. 朝日新聞: 15面. (2015年12月27日)
- ^ “朝日新聞「平成の30冊」を発表 ②同点20位・90年代後半の4冊を紹介”. 朝日新聞. 2019年3月10日閲覧。
- ^ a b c d e “原発事故の被災者を取材したノンフィクション「チェルノブイリの祈り」マンガ化”. コミックナタリー (ナターシャ). (2023年7月14日) 2023年7月14日閲覧。
- ^ “原発事故被害者の悲痛な声を記した「チェルノブイリの祈り」マンガ化、小島秀夫が推薦”. コミックナタリー. ナターシャ (2024年2月29日). 2024年6月29日閲覧。
- ^ “チェルノブイリの祈り 1”. 白泉社. 2024年6月29日閲覧。
- ^ “チェルノブイリの祈り 2”. 白泉社. 2024年6月29日閲覧。
関連文献
編集- スヴェトラーナ・アレクシエーヴィチ, 鎌倉英也, 徐京植, 沼野恭子『アレクシエーヴィチとの対話 「小さき人々」の声を求めて』岩波書店、2021年。
- 越野剛「スヴェトラーナ・アレクシエーヴィチ作品の形式的側面について」『国際シンポジウム「文化の汽水域 : 東スラヴ世界の文化的諸相をめぐって」報告集』、東京外国語大学 沼野恭子研究室、2017年12月、5-13頁、2024年4月3日閲覧。
- 服部倫卓, 越野剛 編『ベラルーシを知るための50章』明石書店〈エリア・スタディーズ〉、2017年。
- 越野剛『ノーベル賞作家アレクシエーヴィチの文学の世界――戦争・原発事故・社会主義』。