ダンプリング
ダンプリング(英語: dumpling)とは、小麦粉を練って茹でて、肉・野菜・果物・チーズなどを入れた焼き団子のこと[1]。或いは卵・牛乳で練り、団子状にしてゆでたものでシチューやスープに浮かす[2]もの。また、茹でたじゃがいも・小麦粉・米に塩と水を加えて練り上げ、丸型に整えてから茹でたり、蒸したりしたもの。
定義
編集英語では小麦粉に水を加えて調製したものをドウ(dough)といい、これを応用した料理は薄く伸ばして餡などを包んだ料理(ダンプリング、dumpling)と、切る、伸ばす、ちぎる、穴や型から押し出すなどの方法で成形した料理(ヌードル、noodle)に大別される[3]。dumpは動詞「ぐちゃぐちゃに(混ぜる・捨てる)」「どさっと(投げる・捨てる)」、dump-yは形容詞「ずんぐりした」dump-ingは(動)名詞「投げ捨てること、ダンピング」。dump-lingには「ころっと丸い動物、ずんぐりした人」の寓意もある[4]。
日本のすいとんや蕎麦がき、中国の餃子・粽子、イタリアのニョッキなども英語ではダンプリングに分類される。特にユーラシア大陸の各地で多様なダンプリング料理が作られている[3]。
主なダンプリング
編集ドイツ
編集ポーランド
編集チェコ
編集- クネドリーキ (Knedlíky)
主な原料は小麦粉ないしジャガイモである。小麦粉で作る場合は水、卵、重曹を加えてこね、茹でる。ジャガイモの場合は蒸してつぶしたジャガイモに卵や小麦粉を混ぜ、スプーンなどで一口大にすくい、茹でてつくる。ジャガイモのクネードリキについてはオーストリアの影響が強い。
小麦粉のクネードリキはメインディッシュ(グラーシュなど)の付け合わせとしてソースを絡めて食べ、ジャガイモのものはソースが少ない肉料理と食べることが多い。いずれも水分は少なめでもっちりとしており、腹持ちがよい。
ハンガリー
編集ロシア
編集ウクライナ
編集- ヴァレーヌィク (варе́ник)
ジョージア
編集東欧ユダヤ民族(アシュケナジム)
編集- クネイドラハ (Knaydlach):マッツァー、卵、油脂、調味料、水などを捏ねて丸め、スープで煮た料理。英語でマッツォ・ボール (Matzo Balls) と呼ばれる。
- クレプラハ (Kreplach)
フィンランド
編集- ペルナカクット (Perunakakut)
スウェーデン
編集イタリア
編集ダンプリング状のパスタには、次のようなものがある。
アメリカ合衆国
編集- アップルダンプリング (Apple Dumpling) リンゴをパイ生地で包んで焼いた菓子。
- チキン・アンド・ダンプリングス (Chicken and Dumplings) 鶏肉と一口大に切った四角い小麦粉のダンプリングを煮込んだ南部地方の料理。
カナダ
編集スペイン・ポルトガル及び中南米ラテン語圏
編集日本
編集- すいとん(だご汁・ひっつみ・つめり・とってなげ・はっと・おつけだんご)
- 蕎麦がき
- ほうとう ※通常のうどん状のものでなくすいとん状のもの・おっきりこみ・煮ぼうとう
- ちまき
- 団子
- ダンプレン(小笠原諸島の郷土料理。欧米系住民が食べていたダンプリングの転訛)
- シト(アイヌ民族の伝統料理。古代日本の「しとぎ」の系統らしい。アイヌ料理の項参照)
- 中華まん
- 饅頭 ※例外が多数存在(同項参照)
- 大福(餡餅、塩あんぴんなどを含む)
- おやき
- 清浄歓喜団(インドのモーダカが中国経由で日本化した唐菓子)
- けいらん
- 餡餅雑煮
- まめぶ
中国
編集など
朝鮮半島
編集モンゴル
編集ベトナム
編集チベット
編集ネパール
編集インドおよび近隣圏
編集トルコ・中央アジア
編集- シーシュ・バラク (shish Barak)
ハイチ
編集- ドンブウェイ (donmbwey)
脚注
編集- ^ “dumplingの意味 - goo辞書 英和和英”. goo辞書. 2022年6月21日閲覧。
- ^ “ダンプリング(dumpling)の意味 - goo国語辞書”. goo辞書. 2022年6月21日閲覧。
- ^ a b 吉田宗弘. “うどん類の歴史と分類”. 関西大学. 2020年11月8日閲覧。
- ^ “「dump」で始まる言葉1ページ目 - goo辞書 英和和英”. goo辞書. 2022年6月21日閲覧。