ダチア (自動車)
ダチア(Dacia )は、ルーマニアの自動車メーカーで、現在はルノーグループ傘下。社名の由来は同国の古称「ダキア」から。
業種 | 自動車産業 |
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本社 | 、 |
売上高 | 26,011,000,000 ルーマニア・レウ (2023年) |
営業利益 | 813,000,000 ルーマニア・レウ (2023年) |
利益 | 529,000,000 ルーマニア・レウ (2023年) |
総資産 | 8,601,000,000 ルーマニア・レウ (2023年) |
従業員数 | 11,026 (2023年) |
概略
編集設立
編集1966年に「UAP」の社名で設立し、翌年ルノー8を「ダチア1100」という名称でノックダウン生産した。1969年、ルノー12を「ダチア1300」としてノックダウン生産し1972年から国産化された。ボディスタイルは当初は4ドアセダンのみだったが、後にステーションワゴン、5ドアハッチバックを追加、また試作車に終わったものの、2ドアクーペ「ブラショビア」までも発表されている。さらには1980年代初めに、5ドアハッチバックの上級モデル、ルノー20も「ダチア2000」として製造され、主に官公庁やルーマニア共産党の上級職員に愛用されていた。
独立からルノー回帰
編集1980年代中盤、ダチアは一旦ルノーと離れ、独自のモデルを開発していく。まず排気量500ccのミニカー「Lăstun(ダチア500、ルーマニア語で「つばめ」)」が1989年まで生産されていた。その後1994年から5ドアセダンの「ノヴァ」を製造。このノヴァは500の直後に開発されるはずが、ルーマニア革命前後の混乱の影響で生産が遅れをきたしていた。ダチアの業績は悪化し、ついに1999年にはルノーが株式の過半数を取得して傘下に収め、ルノーの元で経営再建を図ることとなった。ノヴァは2000年にルノー・クリオのエンジンを与えられて「スーパーノヴァ」となり、さらに2003年にはフェイスリフトが行われて「ソレンザ」と改名した。
ロガン登場
編集2004年にはニューモデル「ロガン」を発表した。既存ルノー各車のコンポーネントを巧みに組み合わせ、6000ユーロ(安全装備を含まない東欧仕様の価格。西欧仕様は7500ユーロから)という驚異的な低価格でまず4ドアセダンから発売した。
現在、ルーマニアを含む東欧諸国や、フランス(タヒチやニューカレドニアなどの海外県も含む)、ドイツ、スペインなどの西欧諸国へ輸出されている他、ロシア、コロンビア、モロッコ、インドで現地生産されており、近年中にイラン、中華人民共和国、マレーシアでも行われる予定である。また、2006年10月にはステーションワゴン(ロガンMCV)、2007年1月にはバン、2008年3月にはピックアップがラインナップに加わった。
車種拡充
編集さらに2008年にはハッチバックのサンデロが、2009年末にはクロスオーバーSUVのダスターがそれぞれ発表された。いずれもロガンのプラットフォームをベースに開発された。ダスターはフランスなどで高い人気を誇り、一部でバックオーダーとなった。
ネット販売開始
編集2011年9月15日からイタリアにおいてダチア車のオンライン販売を開始。車種、グレード、塗装色、オプション、担当ディーラーなどを選択し、保証金を支払い最短15クリックで自動車の注文ができるというもの。以降ヨーロッパの数ヶ国で同様のシステムが導入されている。
販売地域拡大
編集2012年にはミニバンのロッジーおよび派生パネルバン/MPVのドッカー[1]を相次いで発表した。この2車種はモロッコ北部のタンジェに設立されたルノーの最新工場にて製造が行われる。またロシアのほか、左側通行のインド、イギリス、アイルランドへも販路を広げており、右ハンドル仕様車の展開も増えている。
2022年1月の月間販売台数では、欧州全域の中でダチアのクロスオーバーSUVであるサンデロが1位を獲得した[2]。
主な車種
編集現行生産車種
編集ダチアが展開されていない南米やロシア、インドなどの地域ではルノーブランド車として販売される。
過去の生産車種
編集- ダチア1100 (Dacia 1100) - 1968年から1971年まで製造
- ダチア1300 (Dacia 1300) - 1969年から1983年まで製造
- ダチア・MD87 (ro: Dacia MD87) - 1987年、1992年から1993年まで製造[3][4]
- ダチア500 (Lăstun) - 1989年まで製造
- ダチア・1325 - 1991年から1996年まで製造
- ノヴァ (Nova) - 1995年から2000年まで製造
- スーパーノヴァ (SuperNova) - 2000年から2003年まで製造
- ソレンザ (Solenza) - 2003年から2005年まで製造
- ピックアップ - ダチア1300がベース。2006年12月製造終了[5]
- ロッジー
- ドッカー
モータースポーツ
編集ダチアのモータースポーツ活動は親会社に比べると小規模で、以前はフランスの氷上レースのアンドロス・トロフィーと、米国のパイクスピーク・ヒルクライムのみであった。ラリー界にスーパー2000規定が導入されたときも、フィアットに並んでいち早くローガンをベースとしたマシンの開発計画を立ち上げたものの、実現すること無く立ち消えとなった[6]。
2013年にSTCC(スカンディナヴィア・ツーリングカー選手権)で、ディーラーチームによりサーキットレースへ初めて本格的な参戦を行った[7]。しかしTCR規定導入の2016年までに勝利を収めることはできなかった。
また2013年から2018年まで、親会社のレース部門であるルノー・スポール(現在のアルピーヌ)によって開発され日産の大型エンジンを搭載した、ダスターをベースとするT1がダカール・ラリーに参戦していた[8]。しかし当時の二輪駆動バギーが猛威を振るっていた環境では埋もれ、トップ10フィニッシュを果たせなかった。2025年からはプロドライブをワークスとして復帰し、ドライバーにもセバスチャン・ローブ、ナサール・アルアティヤといった名ドライバーを招聘する[9]。
現在はオレカ製の共通コンポーネントを用いた、サンデロのグループR4キットカーのラリーカーがプライベーターによって販売されている[10]。
ワンメイクレースとしては、2007年からローガンを用いた低コストなダチア・カップがドイツ・フランス・ルーマニア・ロシアで行われている。
脚注
編集- ^ “Dacia Expands Range with New Dokker Van in Passenger and Commercial Flavors”. Carscoop (2012年5月18日). 2012年5月18日閲覧。
- ^ SUVs secure highest ever monthly market share in Europe, but demand remains weak in January
- ^ https://www.carthrottle.com/post/nd5zpyl/
- ^ http://romaniancar.com/dacia-md87/
- ^ [1]
- ^ 『WRC PLUS 2010 Vol.6』P37
- ^ [https://www.racecar-engineering.com/news/dacia-enters-stcc/ Dacia enters STCC ]
- ^ 【ダカール14】ルノースポール、ダチアのSUVで参戦準備完了[動画]
- ^ ダカールラリー挑戦のダチアに5冠アル-アティヤ加入へ。ローブ、グティエレスに続く3人目 - オートスポーツ・2023年12月13日
- ^ / DACIA/RENAULT SANDERO R4