タケオオツクツク
タケオオツクツク(学名:Platylomia pieli、中: 竹蝉/竹蟬)は、中国大陸を原産とするカメムシ目セミ科の昆虫、一般的に分かりやすく言えばツクツクボウシの一種となるセミである。外来種として日本の一部に侵入している[5][6]。
タケオオツクツク | |||||||||||||||||||||||||||
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分類 | |||||||||||||||||||||||||||
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学名 | |||||||||||||||||||||||||||
Platylomia pieli Kato, 1938[1][2] | |||||||||||||||||||||||||||
シノニム[2] | |||||||||||||||||||||||||||
Macrosemia pieli (Kato, 1938)[3] | |||||||||||||||||||||||||||
和名 | |||||||||||||||||||||||||||
タケオオツクツク[4] |
分布
編集中華人民共和国の浙江省以南からベトナムにかけて分布する[6][7]。模式産地は天目山[1]。
日本では2010年代に鳴き声が確認され、その後、2016年に埼玉県川口市での定着が確認された[7]。中国から輸入された竹箒の竹枝に産卵された卵によって侵入したと考えられており、2019年には本種の卵が竹箒から発見されている[5]。2019年の時点では、埼玉県、神奈川県、愛知県での分布が確認されている[5]。
形態
編集体長約50ミリメートル[5]、羽を閉じた状態での全長が約65ミリメートルと[7]、セミ類としては大型[5]。体形はクマゼミよりやや細長い[5]。翅は透明[1]。複眼は褐色[1]または濃緑色で[4]、単眼は紅色[1]。頭部や前胸背はオリーブ色[1]。中胸背や腹部は黒色[1]。オスの腹面は白色で、腹部中心線付近は黒色、腹弁は灰色[5]。メスの腹面は茶褐色で、一部が白い[5]。
分類
編集1938年、加藤正世により震旦大学に所蔵されていた標本を基に記載された[1]。オオツクツク属Platylomiaに分類されているが[4]、2008年にはMacrosemia属に移動する説も提唱されている[3]。
生態
編集モウソウチクやマダケの竹林に生息する[5]。成虫は7月上旬から9月下旬にかけて出現し、薄暮時に1時間程度、機械音に似た大きな甲高い声で鳴く[6]。成虫は竹の枯れ枝に産卵管を刺して産卵し、幼虫は竹の根や地下茎から養分を摂取する[8]。産卵から1年経過してから孵化し、地下で5年間の幼虫期を過ごす[7]。羽化時にはスズメバチに襲われることもある[7]。
脚注
編集- ^ a b c d e f g h 加藤正世「震旦大学所蔵支那産蝉類標本の研究」『蝉類博物館研究報告』第2号、加藤昆蟲研究所、1938年、1-28頁。
- ^ a b “Platylomia pieli Kato, 1938”. Catalogue of Life. 2023年4月23日閲覧。
- ^ a b Young June Lee, “A Checklist of Cicadidae (Insecta: Hemiptera) from Vietnam, with Some Taxonomic Remarks,” Zootaxa, Volume 1787, No. 1, Magnolia Press, 2008, Pages 1-27.
- ^ a b c 税所康正「タケオオツクツク」『セミハンドブック』文一総合出版、2019年、82頁。
- ^ a b c d e f g h i 戸田尚希 著「タケオオツクツク」、愛知県環境調査センター 編『愛知県の外来種 ブルーデータブックあいち2021』愛知県環境局環境政策部自然環境課、2021年3月、81頁 。2023年4月23日閲覧。
- ^ a b c “タケオオツクツク|セミ図鑑|セミ大調査”. NHKシチズンラボ. 2023年4月24日閲覧。
- ^ a b c d e 「中国からの外来種で国内最大級のセミ 埼玉県川口市で生息確認」『産経新聞』2018年3月9日。2023年5月12日閲覧。
- ^ “謎多き「タケオオツクツク」|セミ大調査”. NHKシチズンラボ (2022年7月26日). 2023年4月23日閲覧。