ゾンド5号
ゾンド5号(ゾンド5ごう、露:Зонд-5、英:Zond 5)は、1968年にソビエト連邦によって打ち上げられた無人宇宙船。月有人飛行に使用する宇宙船の試験飛行で、月をスイングバイして地球に帰還した。
ゾンド5号 | |
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ソユーズ7K-L1型 | |
所属 | ソビエト連邦 |
国際標識番号 | 1968-076A |
カタログ番号 | 03394 |
状態 | 運用終了 |
目的 | 宇宙船の試験飛行 |
打上げ機 | プロトンロケット |
打上げ日時 | 1968年9月14日 |
最接近日 |
1968年9月18日 (月に接近) |
運用終了日 |
1968年9月21日 (地球に帰還) |
質量 | 5375kg |
設計
編集ソ連はアメリカのアポロ計画に対抗してL1計画(有人月接近飛行)とL3計画(有人月着陸)を進めていた。このうちL1計画の中核となる宇宙船がソユーズ7K-L1だった。
7K-L1は他の型式のソユーズと共通した設計を持ち、宇宙飛行士が乗り込む帰還船と、太陽電池パネルやロケットエンジンを搭載した機械船との2つのモジュールから構成されていた。大気圏突入前に帰還船と機械船を切り離し、帰還船のみが着陸した。他のソユーズと異なり軌道船は装備していなかった。
飛行
編集ゾンド5号は無人だったが、リクガメ(ロシアリクガメ[1])・ショウジョウバエ・ミールワーム、植物・種子(winter and spring wheat, barley, bean, pine, pea)[2]、細菌や、放射線検出器を取り付けた等身大の人形が乗っていた。
1968年9月14日、ゾンド5号はバイコヌール宇宙基地からプロトンロケットによって打ち上げられた。宇宙船は宇宙待機軌道を経て月へ向かった。途中で姿勢制御センサーが故障して予備に切り替えた。
9月18日、ゾンド5号は月をスイングバイして帰路に就いたが、その間に予備の姿勢制御センサーも故障した。このため大気を水切り飛行しながら着陸する方法を諦め、直接大気圏に突入することになった。
9月21日、ゾンド5号は大気圏に突入した。高度7kmでパラシュートが展開し、予備地域として設定されていたインド洋へ着水した後、配置されていたソ連艦船によって回収された。生物は無事であり、カメの体重は飛行前と比べ1割ほど減少していたものの、食欲が減退している様子はなかった。
参考文献
編集- NSSDC Master Catalog: Zond 5 NASA - NSSDC
出典
編集- ^ “Zond 5 - NASA Science” (英語). science.nasa.gov. 2024年5月6日閲覧。
- ^ Antipov, V. V.; Delone, N. L.; Morozova, Ye. M.; Parfenov, G. P.; Saksonov, P. P. (1972-01-01). Contensou, P.; Duboshin, G. N.; Hilton, W. F.. eds. SOME RESULTS OF EXPERIMENTS WITH PLANT OBJECTS EXPOSED ABOARD THE ZOND-5 PROBE. Pergamon. pp. 851–857. doi:10.1016/b978-0-08-016841-8.50053-5. ISBN 978-0-08-016841-8 .