ソニー生命保険
ソニー生命保険株式会社(ソニーせいめいほけん)は、ソニーグループの生命保険会社である。本社を東京都千代田区大手町に置く。ソニーフィナンシャルグループの完全子会社。ソルベンシー・マージン比率(支払余力)の公表値は2020年度末現在、2126.6%[1][注釈 1]。
本社を置く大手町フィナンシャルシティグランキューブ | |
種類 | 株式会社 |
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市場情報 | 非上場 |
略称 | ソニー生命 |
本社所在地 |
日本 〒100-8179 東京都千代田区大手町一丁目9番2号 大手町フィナンシャルシティグランキューブ |
設立 | 1979年8月 |
業種 | 保険業 |
法人番号 | 3010401016260 |
代表者 | 代表取締役社長 髙橋薫 |
資本金 | 700億円(2020年3月31日現在) |
純利益 | 567億43百万円(2020年3月期) |
純資産 | 5395億82百万円(2020年3月31日現在) |
総資産 | 11兆2371億24百万円(2020年3月31日現在) |
従業員数 | 8,461名(2020年3月31日現在) |
決算期 | 3月31日 |
主要株主 | ソニーフィナンシャルグループ株式会社 100% |
主要子会社 | ソニーライフ・ウィズ生命保険株式会社 100% |
関係する人物 | 井原勝美(元社長) |
外部リンク | https://www.sonylife.co.jp/ |
ソニー生命保険株式会社のデータ | |
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保険料等収入 | 1兆3,308億円(2019年度) |
保有契約高 | 51兆4,476億円(2019年度) |
SM比率 | 2476.3%(2019年度末) |
格付け | AA <R&I>(2020年5月21日現在) |
概説
編集1979年8月、米プルデンシャル生命(ザ・プルデンシャル・インシュアランス・ カンパニー・オブ・アメリカ)との合弁で、ソニー・プルーデンシャル生命保険として設立された。1980年2月にソニー・プルデンシャル生命保険に、1987年9月にソニー・プルコ生命保険とそれぞれ改称し、1991年4月から現社名。1996年1月にライフプランナーを商標登録し、同年4月にソニーの100%子会社となり、2004年4月にソニー損保、ソニー銀行とともにソニーフィナンシャルホールディングスの傘下に入った。
販売チャネルは、ライフプランナーと呼ばれる保険外交員によるコンサルティング営業及び募集代理店。1990年代以降は、現役引退した元プロ野球選手を営業マン等の社員として採用している。業界全体が伸び悩む中、死亡保障商品を筆頭に順調に新契約高、保有契約高を伸ばしている会社である。
過去(1997年-1999年)に女子プロテニスプレーヤーの日米対抗戦「ソニーライフカップ」を協賛していたことがあり、現在はアマチュア女子テニスの全国大会「ソニー生命カップ 全国レディーステニス大会」の冠スポンサーでもある。また、ソニーの港南新本社ビル(ソニーシティ)の建築主でもある。
沿革
編集ソニーグループに金融機関を
編集そもそもそのきっかけはソニー生命の設立よりも20年以上も前にソニー(株)の創設者の1人である盛田昭夫がソニーの仕事でアメリカのシカゴを訪れていた際に「Prudential」と書かれている白亜の超高層ビルを目にしたことから始まる。それ以来盛田昭夫はいつかソニーグループに金融機関を持ちたいと考えはじめたのである。ただ、当時はソニーのような会社が金融機関を持つことは戦後の旧大蔵省[注釈 2] の金融行政の下では大変難しく、唯一の方法は外国の生命保険会社と合弁で設立することだった。
ソニー生命の創業
編集設立の直接的なきっかけは、1976年に米国プルデンシャルのマクノートン会長が来日したことにある。当時米国プルデンシャルはソニーの株式を大量に保有していた経緯もあり、ソニーを訪れたマクノートンは旧知の盛田昭夫に「米国プルデンシャルの日本進出」について漏らしたという。これが盛田昭夫の金融部門進出という悲願達成へのスタートとなった。
当時の生命保険の世帯加入率は90%以上という市場の中、生命保険のあるべき姿の追求と高度な知識と販売技術を持ったプロフェッショナルのセールスパーソンによるニードセールスの実践に絶対の自信と情熱を持ち会社の基本を作ったのが、米国プルデンシャルの代表として設立時の副社長となった坂口陽史とソニー代表として参画した設立時の常務の安藤国威(のちのソニー株式会社社長、現ソニー生命名誉会長)である。この2人を中心としたメンバーにより1979年の8月10日に旧大蔵省の認可をもとに「ソニー・プルーデンシャル生命保険株式会社」として設立し、2年後の1981年4月に「ソニー・プルデンシャル生命保険株式会社」と名称を改め営業を開始することになった
ライフプランナーの誕生
編集ソニー・プルデンシャル生命の存在意義は先に触れた「生命保険のあるべき姿の追求と高度な知識と販売技術を持ったプロフェッショナルのセールスパーソンによるニードセールスの実践」であった。そのためにも従来の生命保険外務員のイメージを排したまったく新しい専門職にしなければならないと坂口陽史と安藤国威は考えていた。そういう経緯のもとそのプロフェッショナルのセールスパーソンには厳選採用であること、徹底した研修を行うとともに、呼称を「ライフプランナー」とすることが決定された。現在では「ライフプランナー」が一般名称のごとく使用されることもある程一般的になってきた名称であるが、実際はソニー生命とプルデンシャル生命が持つ登録商標である。創業時のライフプランナーは27名からスタートしている。当初は男性のみでスタートしたが現在では女性も採用している。
米国プルデンシャルとの合弁解消
編集1987年米国プルデンシャルの世界戦略の変更から合併を解消し、ソニーとプルデンシャルはそれぞれの道を歩みだした。当時の行政方針によりこの時点でソニー100%というわけにはいかず、いったんソニー50%のままとし、米国プルデンシャル50%のうち30%をその子会社のプルコへ移し社名を「ソニー・プルコ生命保険株式会社」とした。ちなみに日本での単独経営を望んだ米国プルデンシャルにも営業認可がおり、当時ソニー・プルデンシャル生命の社長であった坂口陽史はプルデンシャル生命の社長として転出していった(プルデンシャル生命側の会社概要には、ソニー・プルデンシャル生命時代のことは一切書かれていない)。その後1991年に社名を念願の「ソニー生命保険株式会社」とし、1996年にはソニー100%となったのである。
ソニーフィナンシャルホールディングス株式会社に参画
編集2004年にソニー損害保険とソニー銀行とともにソニーグループの金融持株会社のソニーフィナンシャルホールディングス株式会社の傘下に入ることにより同金融持株会社が100%の親会社となる。これによりグループ内に生保、損保、銀行を持つ金融グループとしてそれぞれの事業を有効に活かした成長戦略を描けるようになった。また、2007年10月には親会社のソニーフィナンシャルホールディングス株式会社が東証一部上場を果たしている。
保険金不払い問題時のソニー生命
編集2005年に発覚した明治安田生命保険による死亡保険金の不適切な不払いが発端となり生命保険業界全体で信頼を失墜する事件が起きた。この時ソニー生命でも不払いの調査が行われ、日本銀行金融記者クラブでの調査報告会見等での謝罪が行われた。2007年10月にソニー生命で確認された最終的な事象件数は1756件の7億4千万となったが、これは他の大手中堅生保と比べると相対的に少ないものである。
順調な保有契約の純増
編集1981年の営業開始以来、ソニー生命では保有契約が順調に増加し続けている。業界全体として死亡保障分野の販売が落ち込む中、ソニー生命ではこれまでどおり死亡保障分野をビジネスの中心と捉え成長を続けている。2008年度には個人保険における新契約高は日本生命、第一生命、住友生命、かんぽ生命に次ぐ第5位にまで上昇した。
略年表
編集- 1979年(昭和54年)
- 1980年(昭和55年)2月 - 商号を「ソニー・プルデンシャル生命保険株式会社」に変更。同年9月資本金を30億円に増資。
- 1981年(昭和56年)4月 - 営業開始。
- 1982年(昭和57年)2月 - 資本金45億円とする。
- 1986年(昭和61年)9月 - 資本金55億円とする。
- 1987年(昭和62年)
- 1988年(昭和63年)10月 - 資本金110億円とする。
- 1989年(平成元年)8月 - 創立10周年を迎える。個人保険保有契約高1兆円を超える。10月、募集代理店制度発足。
- 1990年(平成2年)12月 - 資本金180億円とする。
- 1991年(平成3年)
- 4月 - 開業10周年を迎える。商号をソニー生命保険株式会社に改称。
- 6月 - 個人保険保有契約高2兆円を超える。
- 11月 - 資本金を220億円とする。
- 1992年(平成4年)
- 1993年(平成5年)
- 2月 - 個人保険保有契約高3兆円を超える。
- 9月 - 株主構成をソニー(株) 50%、ソニー・コーポ レーション・オブ・アメリカ 30%、 (株)キャリア・デベロプメント・インタナショナル 10%、(株)さくら銀行 5%、三井信託銀行(株) 5%とする
- 1994年(平成6年)
- 8月 - 創立15周年を迎える。
- 9月 - 株主構成をソニー(株) 60%、 ソニー・コーポレーション・オブ・アメリカ 30%、(株)キャリア・ デベロプメント・インタナショナル 10%とする。
- 12月 - 個人保険保有契約高 5兆円を超える。
- 1996年(平成8年)3月 - 株主構成をソニー(株)100%とする。12月、個人保険保有契約高10兆円を超える。
- 1997年(平成9年)
- 2月 - 総資産5000億円を超える。
- 4月 - コールセンター開設。
- 7月 - 資本金500億円とする。
- 中野坂上本社(中野坂上サンブライトビル)を設置。
- 1998年(平成10年) - Sony Life Insurance (Philippines) Corporationをフィリピン共和国に設立。
- 1999年(平成11年)
- 8月 - 創立20周年を迎える。
- 12月 - 総資産1兆円を超える。
- 2000年(平成12年)10月 - 個人保険保有契約高20兆円を超える。
- 2001年(平成13年)
- 3月 - 資本金650億円とする。
- 4月 - 長期総合医療保険を発売(5大成人病「支払日数無制限」で業界初)。
- 5月 - ライフプランナーによるソニー損害保険(株)の損害保険の販売を開始。
- 2002年(平成14年)
- 4月 - 業界で初めて、所定の要介護状態になったときに保険金を前払する「ナーシング・ニーズ特約」を発売。
- 7月 - 業界で初めて、変額保険「バリアフルライフ」(定期型)を発売。
- 2003年(平成15年)5月 - 総資産2兆円を超える。
- 2004年(平成16年)
- 4月 - ソニー(株)が設立した金融持株会社ソニーフィナンシャルホールディングス(株)に参画。株主構成をソニーフィナンシャルホールディングス(株)100%とする。
- 12月 - ライフプランナーによるソニー銀行(株)住宅ローンの申込取次業務を開始。
- 2005年(平成17年)3月 - エンベディッドバリュー(EV)の開示を開始[3]。
- 2006年(平成18年)
- 2007年(平成19年)
- 2008年(平成20年)
- 2009年(平成21年)
- 6月 - 市場整合的エンベディッド・バリュー(MCEV)の開示を開始[8]。
- 7月 - 台北駐在員事務所を台湾に開設[9]。特定非営利活動法人「遺言・相続リーガルネットワーク」と遺言・相続に係る法律相談について業務提携[10]。
- 8月 - 創立30周年を迎える。「ソニーライフ・エイゴン生命保険株式会社」金融庁の認可を取得[11]。
- 2010年(平成22年)2月 - 100%出資子会社「株式会社リプラ」設立。
- 2011年(平成23年)12月 - 総資産5兆円を超える。
- 2012年(平成24年)12月 - 1998年に設立したSony Life Insurance (Philippines) Corporationを、Paramount Life & General Insurance Corporation社へ事業譲渡[12]。
- 2013年(平成25年)5月 - 「株式会社リプラ」が、生命保険事業を東急保険コンサルティング株式会社に譲渡。
- 2014年(平成26年)9月 - 「ソニーシティ」土地取得[13]。
- 2016年(平成28年)
- 5月 - 台北駐在員事務所閉鎖。
- 7月 - 本社機能を千代田区大手町フィナンシャルシティに移転。シンガポール駐在員事務所開設。
- 2017年(平成29年)
- 1月 - ClearView Wealth Limitedと業務提携。
- 3月 - 株式会社IBJとの共同出資により「株式会社IBJライフデザインサポート」設立。
- 6月 - シンガポールに現地法人「Sony Life Singapore Pte. Ltd.」を設立。「お客さま本位の業務運営方針(外部サイト)」を策定。
- 8月 - シンガポールにスターツ証券株式会社との合弁会社「SonyLife Financial Advisers Pte. Ltd.」を設立。
- 2018年(平成30年)7月 - ClearView Wealth Limited との業務提携終了。
- 2019年(平成31年/令和元年)
- 3月 - 特例子会社「ソニー生命ビジネスパートナーズ」を設立。
- 5月 - ソニーライフ・エイゴン生命保険株式会社および再保険会社 SA Reinsurance Ltd.の完全子会社化を合意[14]。
- 8月 - 創立40周年を迎える。
- 2020年(令和2年)
- 1月 - ソニーライフ・エイゴン生命保険(株)と SA Reinsurance Ltd.を完全子会社化。
- 4月 - ソニーライフ・エイゴン生命保険(株)が 「ソニーライフ・ウィズ生命保険株式会社」 に商号変更。
- 9月 - ソニー(株)が、金融持株会社ソニーフィナンシャルホールディングス(株)を完全子会社化。
- 2021年(令和3年)
- 4月 - ソニーライフ・ウィズ生命を吸収合併。
- 10月 - (株)IBJとの合弁事業を解消。
- 2022年(令和4年)3月 - 「DX認定事業者」の認定取得。
- 2023年(令和5年)
- 1月 - メディケア生命保険(株)の医療保険の取扱を開始。
- 3月 - SA Reinsurance Ltd.を清算。
- 2024年(令和6年)4月 - 「キャリアディベロップメント支社(CD支社)」を新設。
歴代社長
編集歴代会長
編集- ロバート・エイ・ベック(名誉会長、当時の米プルデンシャル社長)
- 盛田昭夫(ソニー創設者)
- 平井龍明
- 大蔵公雄
- 盛田正明
- 橋本綱夫(元ソニー副会長)
- 岩城賢
- 安藤国威(元ソニー社長)
関連企業
編集- ソニー株式会社
- ソニーフィナンシャルホールディングス株式会社
- ソニー損害保険株式会社
- ソニー銀行株式会社
- ソニーライフ・ウィズ生命保険株式会社
CM
編集- お知らせ篇 1991年
- 子どもの目篇 1993年
- いろんなお父さんがいて篇 1993年
- ふたり篇(生活保障保険 ぱるもあ)1994年
- みんな篇 1994年
- 私の選択(経営コンサルタント)篇 1995年
- 私の選択(ログハウスビルダー)篇 1995年
- コンサルティング(弁護士・医者)篇 1995年
- コンサルティング(専門の相談相手)篇 1995年
- Two Old Friends篇 2001年
- 父の夢篇 2005年 出演:松木安太郎
- パパの歌(学資保険)2006年
- LIFEPLANNER VALUE「介護篇」2006年 CM曲は「ONCE IN A LIFETIME」インストルメンタル(作曲:中川俊郎)
- LIFEPLANNER VALUE「独立篇」2006年 CM曲は「ONCE IN A LIFETIME」インストルメンタル(作曲:中川俊郎)
- 社会貢献CM「ともに歩む篇」2006年 CM曲は「ONCE IN A LIFETIME」インストルメンタル(作曲:中川俊郎)
- LIFEPLANNER VALUE「新しい兄弟篇」2006年 出演:二階堂智 CM曲は「ONCE IN A LIFETIME」インストルメンタル(作曲:中川俊郎)
- 社会貢献CM「一緒に夢を語りたい篇」2007年 CM曲は「ONCE IN A LIFETIME」インストルメンタル(作曲:中川俊郎)
- LIFEPLANNER VALUE「ひとつひとつの記憶篇」2007年 CM曲は「ONCE IN A LIFETIME」(作詞:Donna Burk、作曲:中川俊郎、歌:Jodi jenkins)
- 社会貢献CM「ともに生きる篇」2008年 CM曲は「ONCE IN A LIFETIME」(作詞:Donna Burk、作曲:中川俊郎、歌:Jodi jenkins)
- LIFEPLANNER VALUE「ライフプランニングの日篇」2009年 CM曲は「ONCE IN A LIFETIME」(作詞:Donna Burk、作曲:中川俊郎、歌:Jodi jenkins)
- ホンネで話す価値がある。「ライフプランナー篇」2015年 出演:ビートたけし
- ホンネで話す価値がある。「人生篇」2015年 出演:ビートたけし
- ホンネで話す価値がある。「家族篇」2015年 出演:ビートたけし
- 会った人は知っている。LIFEPLANNER VALUE.「本気篇」2016年 出演ビートたけし
- 会った人は知っている。LIFEPLANNER VALUE.「本当の生命保険篇」2016年 出演ビートたけし
- 会った人は知っている。LIFEPLANNER VALUE.「生命保険を変える篇」2016年 出演ビートたけし
- 会った人は知っている。LIFEPLANNER VALUE.「死と向き合う篇」2016年 出演ビートたけし
提供番組
編集現在
編集不明
過去
編集- 新春スポーツスペシャル箱根駅伝(日本テレビ系)
- 別府大分毎日マラソン(RKB毎日放送・大分放送共同制作、TBS系)
- 旭山動物園日記2009(北海道テレビ放送制作、テレビ朝日系)
- ISUグランプリシリーズ/ISUグランプリファイナル(テレビ朝日系)
- 世界フィギュアスケート選手権(フジテレビ系)
- 知ってるつもり?!(日本テレビ系)
- 真相報道 バンキシャ!(日本テレビ系)
- WBC2009年大会(テレビ朝日系・TBS系)
- 24時間テレビ愛は地球を救う(日本テレビ系)
- 2008ミズノクラシック(毎日放送制作、TBS系)
- 報道ステーション(テレビ朝日系)
- 新・情報7days ニュースキャスター(TBS系) ほか
その他
編集不祥事・事件
編集2004年9月8日に個人情報漏洩問題が発生。同社の営業社員が神奈川県横浜市内で車上荒らしに遭い、パソコン2台が盗難された。このパソコンには1,456人分の顧客情報(住所、氏名、生年月日、性別、保険契約内容など)が保存されていた。同社はパスワードの設定や暗号化などのセキュリティ対策は講じており、第三者による顧客情報の閲覧や悪用は困難という見解を示している[15]。なお、その後の同年9月15日には盗難にあったパソコン2台が発見され、起動の痕跡や記憶装置抜き取りの痕跡も見られないことから、同社は第三者による顧客情報の閲覧や悪用はされていないとしている[16]。
2005年10月後半、各生命保険会社から相次いで保険金および給付金の不当不払いが発表され、同年10月28日、同社においても4件(内保険金2件)、金額にして6億144万5千円(内保険金6億円)の不当不払いがあったことが発表された[17]。
2007年2月1日に金融庁が日本の全生命保険会社(38社)に対して、2001年〜2005年の5年間における不払いの実態調査を命令。同社は同年4月13日に調査結果を発表した。これによると、合計で243件、金額にして1,881万円が新たに不当不払いに該当していたことがわかった。なお、この時点では調査が完了していないので、この数値は確定的なものではない[18]。
2007年9月28日には、ソニー生命の営業社員の私的なパソコンから約1万2500人分の顧客情報がインターネット上に流出する事故があったと発表された。この営業社員は、業務用のパソコンに保存されていた顧客の個人情報を抜き出し、ファイル交換ソフトのShareが入った私的なパソコンに保存したが、ウイルスに感染し、顧客の個人情報をインターネット上にばらまいてしまった[19]。
2009年4月10日、ソニー生命社内にて顧客情報の入ったノートパソコンを1台紛失したと発表された。同社の説明では、紛失したノートパソコンには約14万人分の契約者の保険証券の番号、生年月日、契約日などが保存されていたという。ただし、契約者の氏名や住所など個人を特定できるような情報は保存されていないとのことである[20]。
2017年7月18日、ソニー生命保険高松支社の元社員が少なくとも顧客6人から計1億3521万円をだまし取ったことがわかったと発表された。2009〜2014年に生命保険などを契約したように装い、保険料などをだまし取ったという[21]。
2021年12月1日、ソニー生命保険の連結子会社から約170億円を不正に送金したとして、社員1人が詐欺容疑で逮捕された。この社員は、バミューダ諸島にあった連結子会社「SAリインシュアランス」の清算業務を担当していた5月中旬、SA社が口座を持つ銀行に「正規の送金」と偽り、海外銀行の口座にオンライン送金した。在宅勤務をしており、上司の承認を得ているように装ったという[22]。2022年11月18日、東京地方裁判所は元社員に詐欺と組織犯罪処罰法違反(犯罪収益隠匿)の罪で懲役9年の判決を言い渡した[23]。不正送金された約170億円は暗号通貨の「ビットコイン」に換えられ保管されていたが、アメリカ連邦捜査局により全額が回収された[24]。回収されたビットコインの値上がりや為替相場の変動により、ソニー生命保険側には、事実上、被害額を50億円余り上回る約221億円が返還された。同社は犯罪防止などのための寄付を検討するとしている[25]。
格付け
編集- スタンダード&プアーズ社(S&P) 保険財務力格付:A+
- ムーディーズ・インベスターズ・サービス 保険財務格付:Aa3
- (株)格付投資情報センター(R&I) 保険金支払能力格付:AA
- (株)日本格付研究所(JCR) 保険金支払能力格付:AA
主力商品
編集- 逓減定期保険(死亡保障が加齢毎に少なくなる分安い保険料。喫煙リスク区分型有り)
- 家族収入保険(被保険者が万一の時、逓減定期の保険金を給料形式で保障。喫煙リスク区分型有り)
- 総合医療保険(解約返戻金有り。低解約返戻金特則や死亡給付0倍特則も有り
- 5年ごと利差配当付学資保険(お子さまの教育資金に重点をおいた保険)
- 変額保険(資産運用実績に応じて保険金・解約返戻金が変動する保険)
- 生前給付保険(がん・急性心筋梗塞・脳卒中で所定の状態になられたときに保険金をお支払いする保険)
- 三大疾病収入保障保険(がん・急性心筋梗塞・脳卒中で所定の状態になられたとき、生存している限り、保険期間が満了するまで年金を支払う保険)[26]
- 平準定期保険(割安な保険料で、大きな保障をご希望方へ。喫煙リスク区分型や無解約返戻金型もある)
- 5年ごと利差配当付終身介護保障保険(公的介護保険制度の要介護2以上の状態になったときに年金を支払う保険)[26]
関連項目
編集脚注
編集注釈
編集出典
編集- ^ ソニー生命保険「ソルベンシー・マージン比率の推移」。。2021年12月。
- ^ 金融庁監督局保険課「ソルベンシー・マージン比率の概要について」、2006年11月8日。「経済価値ベースのソルベンシー規制等に関する検討」。
- ^ “ソニー生命の2009 年 3月末市場整合的 エンベディッド・バリュー(MCEV)の計算結果”. ソニーフィナンシャルホールディングス株式会社. p. 3 (2009年6月1日). 2024年9月8日閲覧。
- ^ “ソニー生命、ソニービルに「人生設計」ショールーム”. 銀座経済新聞 (2006年9月20日). 2024年9月8日閲覧。
- ^ “ワタミ株式会社とソニー生命保険株式会社は介護事業において業務提携を行います。”. ワタミ株式会社 ソニー生命保険株式会社 (2006年9月28日). 2024年9月8日閲覧。
- ^ “ソニー生命、ソニー銀行の銀行代理業に関する許認可を取得 ~お客さまの多様化するニーズに対応し、質の高い金融サービスを総合的に提供~”. ソニーフィナンシャルホールディングス株式会社 ソニー生命保険株式会社 ソニー銀行株式会社 (2007年12月13日). 2024年9月8日閲覧。
- ^ “北京駐在員事務所の開設に関するお知らせ”. ソニー生命保険株式会社 (2008年9月30日). 2024年9月8日閲覧。
- ^ “平成21年3月末市場整合的エンベディッド・バリューの開示”. ソニー生命保険株式会社 (2009年6月1日). 2024年9月8日閲覧。
- ^ “台北駐在員事務所の開設に関するお知らせ”. ソニー生命保険株式会社 (2009年6月30日). 2024年9月8日閲覧。
- ^ “特定非営利活動法人 遺言・相続リーガルネットワークとの業務提携について”. ソニー生命保険株式会社 (2009年7月28日). 2024年9月8日閲覧。
- ^ “ソニーライフ・エイゴン生命保険株式会社の生命保険業免許取得に関するお知らせ”. ソニー生命保険株式会社 エイゴン・インターナショナル B.V. ソニーライフ・エイゴン生命保険株式会社 (2010年8月27日). 2024年9月8日閲覧。
- ^ “ソニーフィナンシャルHD(8729)、フィリピンで保険事業を行う連結子会社の株式を譲渡”. 日本M&Aセンター (2012年12月6日). 2024年9月8日閲覧。
- ^ “ソニー、本社土地をソニー生命に売却 528億円で”. 日本経済新聞 (2014年7月28日). 2024年9月8日閲覧。
- ^ “ソニーフィナンシャルホールディングス株式会社の 100%連結子会社であるソニー生命保険株式会社による 持分法適用関連会社 2 社の株式の取得(完全子会社化)に関する基本合意書締結に関するお知らせ”. ソニーフィナンシャルホールディングス株式会社 ソ ニ ー 生 命 保 険 株 式 会 社 (2019年5月17日). 2024年9月8日閲覧。
- ^ お客さま情報が保存されたパソコンの盗難について - ソニー生命 (PDF)
- ^ 盗難に遭ったパソコンの発見について - ソニー生命
- ^ 保険金・給付金の取扱いに関する再検証結果について - ソニー生命 (PDF)
- ^ 保険金等の支払状況に係る実態把握について - ソニー生命 (PDF)
- ^ パソコンのウイルス感染による個人情報の流出について(2007年9月28日配信) - ソニー生命 (PDF)
- ^ お客さま情報(証券番号等)が保存されたパソコンの紛失について - ソニー生命 (PDF)
- ^ 弊社元社員による金銭の詐取について - ソニー生命 (PDF)
- ^ “子会社の口座から170億円不正送金か 容疑のソニー生命社員を逮捕”. 朝日新聞 (2021年12月1日). 2021年12月5日閲覧。
- ^ “ソニー生命元社員に懲役9年、168億円流出 東京地裁”. 産経新聞. (2022年11月18日) 2023年4月11日閲覧。
- ^ “消えた170億円、ビットコインになっていた FBIが全額回収”. 朝日新聞. (2021年12月21日) 2023年4月11日閲覧。
- ^ “不正送金被害のソニー生命、返還された額は50億円超のプラス…ビットコイン値上がりと円安で”. 読売新聞. (2022年9月27日) 2023年4月11日閲覧。
- ^ a b 『5年ごと利差配当付終身介護保障保険・5年ごと利差配当付介護一時金特約』『三大疾病収入保障保険(無配当)』を発売 - ソニー生命(pdf文書)