セメ語
セメ語(セメご、Seme)またはシァム(Siamou)はニジェール・コンゴ語族のクルー諸語に属する言語である。1999年にはブルキナファソ西部に2万人、コートジボワールとマリに2万人の話者がいた。ブルキナファソでは主に上流域地方の州都オロダラ周辺で話されている。主要方言の一つにバンドゥーグー方言(Bandougou)があり、オロダラと周辺の村でも少し方言の差がある[2]。
セメ語 シァム | |
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Sɛmɛ[1] | |
話される国 | ブルキナファソ |
地域 | オロダラ等 |
話者数 | ブルキナファソに2万人(1999年)[2] |
言語系統 | |
言語コード | |
ISO 639-3 |
sif |
分類
編集ニジェール・コンゴ語族に属するとされる言語の下位分類全般に対して当てはまる事であるが、本言語の分類をめぐっては特に著しい混乱が見られる。グル語派に分類されたり[3]、マンデ語派に配置されたりしていた事がある[2]のである。エスノローグ第19版等に見られる様にしばらくの間はクルー諸語の一つとして落ち着いていたが、ロジャー・ブレンチはセメ語は他のクルー諸語の言語との類似性は低いという指摘を行った[4]。これとは他の典拠に基づくGlottolog 2.7においてもMbre語 (en) やMpra語 (en) 等と共に「未分類のヴォルタ・コンゴ」に配置されている。
音韻論
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声調
編集声調が存在する。この声調を用いて単数形と複数形の区別が行われる。たとえばkpar 〈猿〉を半低声調で発音すれば一匹、半高声調で発音すれば複数匹である事が表現可能である[1]。この様な声調による数の区別という特徴を持つ言語は他には同じニジェール・コンゴ語族内ではカタブ語Gworok方言、ナイル・サハラ語族にはザガワ語やNgiti語 (en) が認められるが、これは世界中の言語同士を比較した場合全体において占める割合が非常に少なく[5]、珍しい特徴であると言える。なお先述のkparは高声調で〈骨〉、低声調で〈ござ〉の意となる[1]為、声調には意味を弁別する機能も備わっているといえる。
形態論
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統語論
編集語順
編集脚注
編集参考文献
編集- Blench, Roger (2013). "Why Is Africa So Linguistically Undiverse? Exploring Substrates and Isolates." in Mother Tongue, Issue XVIII, pp. 43"78. Journal of the Association for the Study of Language in Prehistory.
- Dryer, Matthew S. (2013a) "Feature 33A: Coding of Nominal Plurality". In: Dryer, Matthew S.; Haspelmath, Martin, eds. The World Atlas of Language Structures Online. Leipzig: Max Planck Institute for Evolutionary Anthropology
- Dryer, Matthew S. (2013b) "Feature 81A: Order of Subject, Object and Verb". In: Dryer, Matthew S. & Haspelmath, Martin (eds.), op. cit..
- Dryer, Matthew S. (2013c) "Feature 86A: Order of Genitive and Noun". In: Dryer, Matthew S. & Haspelmath, Martin (eds.), op. cit..
- Dryer, Matthew S. (2013d) "Feature 87A: Order of Adjective and Noun". In: Dryer, Matthew S. & Haspelmath, Martin (eds.), op. cit..
- "Siamou." In Lewis, M. Paul; Simons, Gary F.; Fennig, Charles D., eds. (2015). Ethnologue: Languages of the World (18th ed.). Dallas, Texas: SIL International.
- 清水紀佳「グル語派」、江口一久、清水紀佳 共同執筆「セメ語」 亀井孝、河野六郎、千野栄一 編『言語学大辞典』三省堂、1988-1989年。