キランソウ属
(セイヨウジュウニヒトエから転送)
キランソウ属(キランソウぞく、学名: Ajuga)は、シソ科の属の一つ。園芸方面では学名のアジュガで呼ばれることも多い。但し、アジュガをセイヨウジュウニヒトエの意味で用いることもある[1]。
キランソウ属 | ||||||||||||||||||||||||||||||
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分類(APG III) | ||||||||||||||||||||||||||||||
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学名 | ||||||||||||||||||||||||||||||
Ajuga L. | ||||||||||||||||||||||||||||||
和名 | ||||||||||||||||||||||||||||||
キランソウ属(金瘡小草属) | ||||||||||||||||||||||||||||||
英名 | ||||||||||||||||||||||||||||||
bugle |
特徴
編集多年草のものが多く、立ち上がるものもあるが、匍匐茎を出すものが多い。葉は対生で単葉だが切れ込みが入るものもある。茎の節ごとに葉がつき、花の基部では縮小して包葉となる場合もある。
花は腋生で、ごく短い花柄を介して葉または包葉の基部から生じ、茎に沿って離ればなれにつく場合も、密に集まって明瞭な花穂を作る場合もある。萼は鐘状になり多くの脈を持ち、先端は5裂する。花冠は唇形花で、はっきりした筒を持ち、先端は上下に分かれる。上唇はごく短くて2つに裂ける。下唇は平らに大きく発達して3裂するが、特に中央の裂片が大きく、その先端はさらに2裂することがある。雄蘂は4本あり、花冠の上唇に沿って斜めに伸び、先端には2室からなる葯を付ける。
分布
編集人間との関わり
編集種
編集日本には12種ほどが知られ、特にキランソウはごく普通な野草として知られる。
- 日本に分布する種
- シマカコソウ Ajuga boninsimae
- カイジンドウ Ajuga ciliata var. villosior
- キランソウ Ajuga decumbens - 北海道から九州に普通。ロゼット状に育って春に青紫色の花を咲かせる。薬草としても知られ、別名を「ジゴクノカマノフタ」という。
- オニキランソウ Ajuga dictyocarpa
- ヒイラギソウ Ajuga incisa
- オウギカズラ Ajuga japonica - 本州、四国、九州に分布。根元から走出葉を出して増える。葉が扇の形に似る。
- タチキランソウ Ajuga makinoi
- ジュウニヒトエ Ajuga nipponensis - キランソウに似るが、茎は立ち上がり、花は穂状、うすい紫。分布:本州、四国
- ヒメキランソウ Ajuga pygmaea
- ツルカコソウ Ajuga shikotanensis
- ヤエヤマキランソウ Ajuga taiwanensis
- ニシキゴロモ Ajuga yesoensis
- その他の種
以下の種は栽培種だが、逸出して野生状になっている場合もある。
- セイヨウジュウニヒトエ Ajuga reptans - ヨーロッパ原産。花壇に植えられているキランソウ、ジュウニヒトエといわれているものは、ほとんどは本種である。
脚注
編集- ^ 亀田龍吉、有沢重雄『花と葉で見わける野草』近田文弘監修、小学館、2010年、72頁。ISBN 978-4-09-208303-5。
参考文献
編集- 平野隆久写真「キランソウ属 Ajuga」『野に咲く花』林弥栄監修、山と溪谷社〈山溪ハンディ図鑑〉、1989年、171頁。ISBN 4-635-07001-8。
- 佐竹義輔・大井次三郎・北村四郎他『日本の野生植物 草本II 離弁花類』,(1982),平凡社
関連項目
編集外部リンク
編集- "Ajuga L." (英語). Integrated Taxonomic Information System. 2012年4月30日閲覧。
- "Ajuga". National Center for Biotechnology Information(NCBI) (英語).
- "Ajuga" - Encyclopedia of Life
- 波田善夫. “シソ科”. 植物雑学事典. 岡山理科大学総合情報学部. 2012年4月30日閲覧。
- いがりまさし. “キランソウ属”. 植物図鑑・撮れたてドットコム. 2012年4月30日閲覧。