ジョン・ギルバート (俳優)

ジョン・ギルバート(John Gilbert, 別名Jack Gilbert, 本名ジョン・セシル・プリングル(John Cecil Pringle), 1897年7月10日 - 1936年1月9日)は、アメリカ合衆国ユタ州ローガン出身のハリウッド俳優

ジョン・ギルバート
John Gilbert
ジョン・ギルバート John Gilbert
1930年代に撮影された宣材写真
本名 John Cecil Pringle
生年月日 (1897-07-10) 1897年7月10日
没年月日 (1936-01-09) 1936年1月9日(38歳没)
出生地 ユタ州ローガン
国籍 アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
配偶者 オリヴィア・バーウェル(1918 - 1921、離婚
レアトリス・ジョイ英語版(1922 - 1925、離婚
アイナ・クレア(1929 - 1931、離婚
ヴァージニア・ブルース(1932 - 1934、離婚
主な作品
『ビッグ・パレード』
『ラ・ボエーム』
『肉体と悪魔』
『クリスチナ女王』
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生涯

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端整な顔立ちでサイレント映画時代に活躍した、アメリカの二枚目俳優。芸能一家に生まれ、1915年に映画デビュー。『想い出の丘へ』でメアリー・ピックフォードが相手役に指名した事から知名度が上がり、1921年フォックス・フィルムと3年間契約を結んだ後、1924年メトロ・ゴールドウィン・メイヤーに移る。『ビッグ・パレード』などの大作に起用され、当時人気俳優だったルドルフ・ヴァレンティノと肩を並べる程の人気スターとなる。

特に1926年『肉体と悪魔』で共演したグレタ・ガルボとは私生活でも恋愛関係にあったとされ、結婚までは結局いたらなかったものの、ファンに「最高の美男美女カップル」と呼ばれた。

しかしトーキー映画の時代に入ると仕事が激減した。トーキー映画初出演作『彼の栄光の夜』が公開されると、イメージと異なる甲高い声が観客の失笑を買い、人気が急降下したとされる。ガルボとの5年ぶりの共演となる『クリスチナ女王』に再起を賭けたものの、トーキーに順応していたガルボとの格の違いは明らかで、彼のキャリア復帰までには至らなかった。

その後は仕事もほとんど途絶え、1936年1月9日アルコール中毒による心臓発作で死亡した[1]。25万ドルの遺産のうち大部分を最後の妻であるヴァージニア・ブルースと彼女との間の一人娘、スーザン・アン・ギルバートが相続した[2]

2011年、ミシェル・アザナヴィシウス監督の『アーティスト』でジャン・デュジャルダンが演じたジョージ・ヴァレンティン。2022年、デミアン・チャゼル監督の『バビロン』でブラッド・ピットが演じたジャック・コンラッドはそれぞれジョン・ギルバートをモデルにしている。

主な出演作品

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公開年 邦題
原題
役名 備考
1918 青年改造
Three X Gordon
アーチー
1919 想い出の丘へ
Heart o' the Hills
グレイ・ペンドルトン
1922 アラビアの恋
Arabian Love
ノーマン・ストーン
厳窟王
Monte Cristo
エドモン・ダンテス
起てよ!戦士
A California Romance
ドン・パトリシオ・フェルディナンド
1923 悪魔の哄笑
While Paris Sleeps
デニス・オキーフ
強敵一蹴
Truxton King
トラクスト・キング
聖者エルモ
St. Elmo
セント・エルモ・ソーントン
侠骨カービー
Cameo Kirby
カメオ・カービー
1924 ブロードウェイ颪
Just Off Broadway
スティーブン・ムーア
狼の血
The Wolf Man
ジェラルド・スタンリー
巴里の狂乱
A Man's Mate
ポール
男子凱旋
His Hour
グリーツコ侯爵
殴られる彼奴
He Who Gets Slapped
ベザノ
痴人哀樂
The Snob
ユージーン・カリー
半獣人の妻
The Wife of the Centaur
ジェフリー・ドワイヤー
1925 メリー・ウイドー
The Merry Widow
ダニロ・ペトロヴィッチ男爵
ビッグ・パレード
The Big Parade
ジェームズ・アパーソン
ベン・ハー
Ben-Hur: A Tale of the Christ
観客 クレジットなし
1926 ラ・ボエーム
La Boheme
ロドルフ
剣侠時代
Bardelys the Magnificent
バーデリス
1927 肉体と悪魔
Flesh and the Devil
レオ・ヴァン・ハーデン
見世物
The Show
コック・ロビン
密輸入者の恋
Twelve Miles Out
ジェリー・フェイ
アンナ・カレニナ
Love
ブロンスキー
1928 コサック
The Cossacks
ルカシカ
四つの壁
Four Walls
ベニー
悪魔の仮面
The Masks of the Devil
ライナー男爵
恋多き女
A Woman of Affairs
ネヴィル
1929 赤熱の抱擁
Desert Nights
ヒュー・ランド
ハリウッド・レヴィユー
The Hollywood Revue of 1929
ロミオ
1930 生ける屍
Redemption
フェディア
海行かば
Way for a Sailor
ジャック
1931 紳士の運命
Gentleman's Fate
ジャック・トーマス
巴里の魔人
The Phantom of Paris
シェリ・ビビ
ブロードウェイの西
West of Broadway
ジェリー
1932 奥様御寵愛
Downstairs
カール
1933 街の伊達男
Fast Workers
スミス
クリスチナ女王
Queen Christina
アントニオ
1934 海を嫌ふ船長
The Captain Hates the Sea
スティーヴ

脚注

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  1. ^ “John Gilbert Dead”. The Vancouver Sun: p. 1. (January 9, 1936). https://news.google.com/newspapers?id=0PBlAAAAIBAJ&sjid=I4kNAAAAIBAJ&pg=1649,704784&dq=john+gilbert+heart+attack&hl=en April 8, 2013閲覧。 
  2. ^ UPI (1982年2月26日). “VIRGINIA BRUCE, 72, ACTRESS PORTRAYED ZIEGFELD SHOWGIRL” (英語). NYTimes.com. 2015年8月12日閲覧。

外部リンク

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