ジャン・パスカル
ジャン・パスカル(Jean Pascal、1982年10月28日 - )は、カナダのプロボクサー。ハイチのポルトープランス出身。元WBC世界ライトヘビー級王者。元WBA世界ライトヘビー級レギュラー王者。プロモーターとしてジャン・パスカル・プロモーションズを主宰している。
基本情報 | |
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本名 | ジャン=テニスター・パスカル |
階級 | ライトヘビー級 |
身長 | 180cm |
リーチ | 183cm |
国籍 | カナダ |
誕生日 | 1982年10月28日(42歳) |
出身地 | ハイチ・ポルトープランス |
スタイル | オーソドックス |
プロボクシング戦績 | |
総試合数 | 45 |
勝ち | 36 |
KO勝ち | 20 |
敗け | 7 |
引き分け | 1 |
無効試合 | 1 |
獲得メダル | ||
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男子 ボクシング | ||
カナダ | ||
パンアメリカン競技大会 | ||
銅 | 2003 サントドミンゴ | ミドル級 |
来歴
編集ハイチに生まれ、幼少時にカナダのケベック州に移住した。
アマチュア時代
編集2001年、北アイルランドベルファストで開催された世界選手権にライトミドル級(71kg)で出場するが準々決勝で敗退した[1]。
2004年、アテネオリンピックアメリカ大陸予選にミドル級(75kg)で出場するが準決勝でアルフレド・アングロに敗退[2]。アメリカ大陸最終予選で優勝を果たしオリンピック出場権を獲得した[3]。
2004年、カナダ代表としてアテネオリンピックにミドル級で出場し、1回戦で敗退した[4]。
アマチュア戦績は121戦103勝18敗[5]。アドニス・ステベンソンとはアマチュア時代に2度戦い、2勝無敗の戦績[6]。
プロ時代
編集2005年2月3日、モントリオールでプロデビューし、2回TKO勝ち。
2005年12月10日、10戦目でカナダスーパーミドル級王座を獲得。
2006年9月30日、14戦目でWBCラテンアメリカスーパーミドル級王座決定戦でルーカス・グリーン・アリアスと対戦し、6回TKO勝ちで王座を獲得。同年11月18日にはNABO北米スーパーミドル級王座決定戦でジャーメイン・マッキーと対戦し、10回判定勝ちで王座を獲得。
2007年6月8日、クリスチャン・クルスに10回TKO勝ちし、NABAおよびNABF北米スーパーミドル級王座を獲得した。
2008年12月6日、22戦目で世界王座初挑戦。カール・フローチとWBC世界スーパーミドル級王座決定戦を行い、プロ初黒星となる12回判定負けを喫し王座獲得に失敗した。
2009年4月4日、パブロ・ダニエル・サモラ・ニエバスとWBOインターコンチネンタルスーパーミドル級王座決定戦を行い、5回KO勝ちを収め王座獲得に成功した。
2009年6月19日、WBC世界ライトヘビー級王者のアドリアン・ディアコヌと対戦し、5回にダウンを奪うなどして、12回3-0の判定勝ちを収め王座獲得に成功した[7]。
2009年12月11日、2度目の防衛戦でアドリアン・ディアコヌと再戦し、12回3-0の判定勝ちを収め2度目の防衛に成功した。
2010年8月14日、WBC世界ライトヘビー級暫定王者でIBO世界ライトヘビー級王者のチャド・ドーソンと対戦。11回にバッティングによりドーソンが右瞼をカットし、負傷判定勝ちで王座統一に成功、同時にIBO王座の獲得に成功にした。ドーソンはプロ初黒星となった[8]。
2010年12月18日、4度目の防衛戦でバーナード・ホプキンスと対戦。1、3回にダウンを奪いその後盛り返されるも、12回0-1(113-113、114-114、112-114)の判定で引き分けたが4度目の防衛に成功した[9]。この試合はWBCの年間最高試合に選出された[10]。
2011年5月21日、5度目の防衛戦で前回引き分けに終わったバーナード・ホプキンスと5ヵ月ぶりにダイレクトリマッチで再戦。試合は0-3の判定負けを喫し5度目の防衛に失敗、王座から陥落した。新王者となったホプキンスはジョージ・フォアマンの45歳9ヵ月での世界王座獲得を更新、最高齢となる46歳4ヵ月での世界王座獲得を達成した[11]。
2013年5月15日、モントリオールのベル・センターでルシアン・ブーテと対戦する予定だったが、ブーテがスパーリング中に左手を骨折して延期された[12]。
2014年1月18日、モントリオールのベル・センターで元IBF世界スーパーミドル級王者でNABF北米ライトヘビー級王者ルシアン・ブーテと対戦し、セコンドに就いたロイ・ジョーンズ・ジュニアのアドバイスを下に有利に戦い12回3-0(116-112、117-110、117-111)の判定勝ちを収め王座獲得に成功、WBCダイヤモンド王座獲得にも成功した[13]。
2014年7月23日、GYMプロモーションズと袂を分かちフリー選手となることを発表、9月27日予定されていたタボリス・クラウドとの試合も中止となった[14]。
2014年12月6日、モントリオールのベル・センターでロベルト・ボロンティと対戦し、2回2分29秒、無効試合となった[15]。
2015年3月14日、モントリオールのベル・センターでWBAスーパー・IBF・WBO世界ライトヘビー級王者のセルゲイ・コバレフと対戦するが、3回にプロ初のダウンを奪われ[16]、8回1分3秒TKO負けを喫し王座返り咲きに失敗した[17]。なお、WBCはこの試合の勝者にWBC世界ライトヘビー級ダイヤモンド王座を与えると通知していた為[16]、勝者のコバレフにはWBC世界ライトヘビー級ダイヤモンド王座が贈られた[18]。しかし、コバレフとパスカル共にWBC世界ライトヘビー級ランキングのランク外であり、パスカルに至ってはダイヤモンド王座戦及び指名挑戦者決定戦の認定を拒みWBCへの認定料支払いを拒否したにもかかわらず、WBCがこの試合をダイヤモンド王座戦及びWBC世界ライトヘビー級王者アドニス・ステベンソンの指名挑戦者決定戦に指定したことに対し[16]、WBOのフランシスコ・バルカルセル会長は一つの団体が一階級に多数の王者を認めることで、ファンは混乱するし世界王者の価値も損なう事になると批判の声を上げた[19][20]。
2016年1月30日、モントリオールのベル・センターでWBAスーパー・WBO・IBF世界ライトヘビー級王者のセルゲイ・コバレフと10ヵ月ぶりに再戦した。この試合からトレーナーがフレディ・ローチに変わった。初回から手数で押されてしまい5回と6回にはストップ寸前まで追い詰められた。7回終了時にパスカルのダメージを重く見たセコンド陣営が棄権を申し出て試合に敗れ、王座獲得に失敗した[21]。
2017年6月3日、モントリオールのベル・センターでWBC世界ライトヘビー級1位でWBC世界ライトヘビー級シルバー王者のエレイデル・アルバレスと対戦し、12回0-2(111-117、112-116、114-114)の判定負けを喫し王座獲得に失敗した[22][23]。
2017年12月8日、フロリダ州ハイアリアで引退試合としてアーメド・エルビアリとライトヘビー級10回戦を行い、6回2分6秒TKO勝ちを収め有終の美を飾った[24]。
2018年7月20日、引退を撤回して現役復帰をして、スティーブ・ボッセに8回TKO勝ちを収めた。
2018年11月24日、アトランティックシティのエテズス・アリーナでWBA世界ライトヘビー級王者のディミトリー・ビボルと対戦し、12回0-3(2者が109-119、111-117)の判定負けを喫し王座獲得に失敗した[25][26]。
2019年8月3日、ニューヨークのバークレイズ・センターでWBA世界ライトヘビー級暫定王者のマーカス・ブラウンと対戦し、偶然のバッティングでブラウンが左瞼を大きくカットして即試合がストップとなり、パスカルが8回1分49秒3-0(3者共75-74)負傷判定勝ちを収め暫定ながら王座獲得に成功した[27][28]。
2019年12月28日、アトランタのステートファーム・アリーナで元世界2階級制覇王者でWBA世界ライトヘビー級11位のバドゥ・ジャックと対戦し、12回2-1(2者が114-112、112-114)の判定勝ちを収め初防衛に成功した[29][30]。
2021年5月28日、VADAによるドーピング検査でパスカルから3種類のステロイド(ドロスタノロン、ドロスタノロン代謝物、エピトレンボロン)が検出されたことで、2021年6月6日に再戦が決まっていたバドゥ・ジャック戦が中止になった[31]。その後べつの検査でさらに、エリスロポエチン(EPO)が検出、ドロスタノロンが再検出された[32]。
2021年7月10日、WBAはパスカルのWBA世界ライトヘビー級レギュラー王座を剥奪し、6か月間の資格停止処分を下した[33]。
2022年11月25日、モントリオールで車で赤信号無視をしてアルコール検査も拒否したため飲酒運転の疑いで逮捕された[34]。
2023年3月16日、ラヴァルのプレイス・ベルでミハエル・アイフェートとIBF世界ライトヘビー級挑戦者決定戦で対戦し、12回判定負けを喫した。
獲得タイトル
編集脚注
編集- ^ “11.World Championships - Belfast, Northern Ireland - June 3-10 2001”. Amateur.Boxing.Strefa.pl. 2014年1月5日閲覧。
- ^ “American Olympic Qualifier Tijuana, Mexico March 13-20, 2004”. Amateur.Boxing.Strefa.pl. 2014年1月5日閲覧。
- ^ “American Olympic Qualifier Rio de Janeiro, Brazil April 6-11, 2004”. Amateur.Boxing.Strefa.pl. 2014年1月5日閲覧。
- ^ “28.Olympic Games Athens, Greece August 14-29, 2004”. Amateur.Boxing.Strefa.pl. 2014年1月5日閲覧。
- ^ Excite Match 2009年8月 第1週 エキサイトマッチ|WOWOWオンライン
- ^ “Jean Pascal Record”. Amateur.Boxing.Strefa.pl. 2014年1月5日閲覧。
- ^ ディアコヌー王座守れず。パスカルが判定で戴冠 ボクシングニュース「Box-on!」 2009年6月20日
- ^ ドウソン初黒星 パスカル負傷判定勝ち WBC・L・ヘビー級 ボクシングニュース「Box-on!」 2010年8月16日
- ^ パスカルが論議呼ぶ引き分け ホプキンス抗議 WBC世界L・ヘビー級戦 ボクシングニュース「Box-on!」 2010年12月22日
- ^ 2010年最優秀はマルティネス パッキアオは過去10年のMVP WBCが発表 ボクシングニュース「Box-on!」 2011年1月4日
- ^ ホプキンス46歳4ヵ月の王者 日刊スポーツ 2011年5月23日
- ^ “Lucian Bute undergoes surgery”. ESPN.com (2013年5月9日). 2014年5月4日閲覧。
- ^ パスカル、ブーテ振り切る Boxing News(ボクシングニュース) 2014年1月19日
- ^ “Jean Pascal a Free Agent: Splits From GYM, InterBox”. Boxing Scene.com (2014年7月23日). 2014年7月23日閲覧。
- ^ エストレージャが三浦隆司挑戦に名乗り Boxing News(ボクシングニュース) 2014年12月7日
- ^ a b c “Sergey Kovalev stops Jean Pascal”. ESPN.com (2015年3月15日). 2015年3月15日閲覧。
- ^ 統一王者コバレフ、パスカルに8回TKO勝ち Boxing News(ボクシングニュース) 2015年3月15日
- ^ WBCがコバレフにダイヤモンドベルト、紛らわしい? Boxing News(ボクシングニュース) 2015年3月16日
- ^ “WBO Prez Slams WBC For Kovalev's 'Diamond' Belt”. Boxing Scene.com (2015年3月19日). 2015年3月22日閲覧。
- ^ “Kovalev fighting for WBC diamond belt”. Fightnews.com (2015年3月13日). 2015年3月16日閲覧。
- ^ コバレフが7回TKO勝ち、パスカルを返り討ち Boxing News(ボクシングニュース) 2016年1月31日
- ^ Eleider Alvarez Decisions Jean Pascal To Retain Mandatory Spot Boxing Scene.com 2017年6月3日
- ^ スティーブンソンV8、フォンファラを2回TKO Boxing News(ボクシングニュース) 2017年6月4日
- ^ Jean Pascal Ends Career - Shocks, Stops Ahmed Elbilia in Six Boxing Scene.com 2017年12月8日
- ^ “Dmitry Bivol Boxes Past Jean Pascal To Win Decision”. Boxing Scene.com (2018年11月24日). 2019年1月5日閲覧。
- ^ ビボルがパスカルに大差勝利 WBA・L・ヘビー級V5 Boxing News(ボクシングニュース) 2018年11月25日
- ^ Jean Pascal Drops Marcus Browne Three Times, Wins in Shocker Boxing Scene.com 2019年8月3日
- ^ 週末海外試合結果 日本人選手も奮闘 Boxing News(ボクシングニュース) 2019年8月4日
- ^ Pascal retains WBA light heavy title by split decision Fightnews.com 2019年12月28日
- ^ デイビス最終回KO勝ち ガンボア倒し2階級制覇 Boxing News(ボクシングニュース)2019年12月29日
- ^ “Jean Pascal Fails PED Test, Out Of Badou Jack Rematch On Mayweather-Paul Undercard”. Boxing Scene.com (2021年5月28日). 2021年6月8日閲覧。
- ^ “JEAN PASCAL FAILS YET ANOTHER VADA DRUG TEST, TWO SUBSTANCES FOUND”. WBN (2021年6月24日). 2021年7月5日閲覧。
- ^ “WBA Remove Jean Pascal as Champion, Suspend Him For Six Months”. Boxing Scene.com (2021年7月10日). 2021年9月11日閲覧。
- ^ “Jean Pascal Arrested On Suspicion of Drunk Driving in Montreal”. Boxing Scene.com (2022年11月25日). 2022年12月4日閲覧。
関連項目
編集外部リンク
編集- JEAN PASCAL - Premier Boxing Champions
- ジャン・パスカル (@jeanpascalchamp) - X(旧Twitter)
- ジャン・パスカルの戦績 - BoxRec
前王者 アドリアン・ディアコヌ |
WBC世界ライトヘビー級王者 2009年6月19日 - 2011年5月21日 |
次王者 バーナード・ホプキンス |
前王者 マーカス・ブラウン |
WBA世界ライトヘビー級暫定王者 2019年8月3日 - 2019年10月31日 |
空位 次タイトル獲得者 ドミニク・ボーセル |
空位 前タイトル保持者 ディミトリー・ビボル |
WBA世界ライトヘビー級王者 2019年10月31日 - 2021年7月9日 (剥奪) |
空位 次タイトル獲得者 デビッド・モレル |