シュコダ7Tr
シュコダ7Tr(チェコ語: Škoda 7Tr)は、チェコスロバキア(現:チェコ)のシュコダが開発・生産したトロリーバス車両である[1][2][3][4][5]。
シュコダ7Tr | |
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基本情報 | |
製造所 | シュコダ |
製造年 | 1950年 - 1955年 |
製造数 | 173両 |
主要諸元 | |
電気方式 |
直流600 V (架空電車線方式) |
設計最高速度 | 45 - 56 km/h |
車両定員 | 定員80人 |
車両重量 | 9.9 - 10.5 t |
全長 | 10,700 mm |
全幅 | 2,500 mm |
全高 | 3,290 mm(集電装置含む) |
車体高 | 2,840 mm |
床面高さ | 750 mm |
主電動機出力 | 96 kw、120 kw |
歯車比 | 14.53 |
出力 | 96 kw、120 kw |
制御装置 | 抵抗制御 |
備考 | 主要数値は[1][2][3][4][5]に基づく。 |
概要
編集1950年まで製造されたシュコダ6Trの改良形式として開発された車種。基本的な構造はシュコダ6Trを基としており、モノコック構造を有し右側に3箇所乗降扉が存在する車体や電気機器の配置は同一であった一方、車体のデザインやフロントアクスルの剛性の強化など一部については変更が実施された[3][5]。
主電動機については製造時期によって異なり、1次車(7Tr1)はシュコダ製の出力値96 kwのものを、2次車(7Tr2)は同一の出力値を有するČKD製のTB 53を、それ以降(7Tr3 - 7Tr6)はより強力な出力値120 kwのシュコダ製のものが用いられた。また、車内の座席配置も変更が加えられており、1次車・2次車は24人分のロングシート、それ以降は19 - 21人分のクロスシートが設置されていた[6][3][4][5]。
運用・導入都市
編集1950年から1955年にかけて173両が生産されたシュコダ7Trは、プラハ(プラハ・トロリーバス)を除いた当時のチェコスロバキア各地のトロリーバス路線に導入された他、シュコダ製のトロリーバス車両で初めて国外(ポーランド:ワルシャワ)へ向けての製造も実施され、1970年代まで営業運転が行われた。一方、一部車両については1960年代初頭から電気機器の交換が実施され、後継車両となるシュコダ8Trへの編入が実施された[2][6][3][4][7]。
以下、シュコダ7Trの導入が行われた都市を記載する。これらのうち、2022年時点でブルノおよびマリアーンスケー・ラーズニェ向けに製造された車両が1両づつ現存しており、そのうち前者はブルノ技術博物館で動態保存されている[2][6][8]。
シュコダ7Tr 導入都市一覧 | |||
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導入国 | 都市 | 両数 | 備考 |
チェコスロバキア (現:チェコ) |
プルゼニ (プルゼニ・トロリーバス) |
26両 | [9] |
チェスケー・ブジェヨヴィツェ (チェスケー・ブジェヨヴィツェ・トロリーバス) |
22両 | ||
ブルノ (ブルノ・トロリーバス) |
16両 | ||
ジェチーン (ジェチーン・トロリーバス) |
13両 | [10] | |
テプリツェ (テプリツェ・トロリーバス) |
13両 | ||
オパヴァ (オパヴァ・トロリーバス) |
12両 | [11] | |
パルドゥビツェ (パルドゥビツェ・トロリーバス) |
12両 | [12] | |
フラデツ・クラーロヴェー (フラデツ・クラーロヴェー・トロリーバス) |
10両 | [13] | |
ズリーン オトロコヴィツェ (ズリーン/オトロコヴィツェ・トロリーバス) |
10両 | [14][15] | |
イフラヴァ (イフラヴァ・トロリーバス) |
9両 | [16] | |
オストラヴァ (オストラヴァ・トロリーバス) |
6両 | [17] | |
マリアーンスケー・ラーズニェ (マリアーンスケー・ラーズニェ・トロリーバス) |
5両 | [18] | |
モスト リトヴィーノフ (モスト/リトヴィーノフ・トロリーバス) |
3両 | 1959年の路線廃止後は各都市へ譲渡 | |
チェコスロバキア (現:スロバキア) |
ブラチスラヴァ (ブラチスラヴァ・トロリーバス) |
10両 | |
ポーランド | ワルシャワ | 5両 |
脚注
編集注釈
編集出典
編集- ^ a b “Přehled trolejbusů”. SKD PRAHA, spol. s r.o.. 2008年3月13日時点のオリジナルよりアーカイブ。2022年1月9日閲覧。
- ^ a b c d “Trolejbusy Škoda 6 Tr a 7 Tr z plzeňských Doudlevec - jako dnes Škoda Irisbus.”. BUSportal (2006年4月29日). 2022年1月9日閲覧。
- ^ a b c d e Martin Harák 2015, p. 48.
- ^ a b c d Martin Harák 2015, p. 50.
- ^ a b c d Martin Harák 2013, p. 44-45.
- ^ a b c “Vyhledávání vozů hledaný typ: 7Tr”. SEZNAM-AUTOBUS.cz. 2022年1月9日閲覧。
- ^ Plzeňských městských dopravních podniků, a.s (2011-6) (PDF). Plzeňské trolejbusy slaví 70 let. pp. 7 2022年1月9日閲覧。.
- ^ “Roster Škoda 7Tr”. Urban Electric Transit. 2022年1月9日閲覧。
- ^ “PMDP - trolejbusy”. SEZNAM-AUTOBUSU.cz. 2022年1月9日閲覧。
- ^ “DP města Děčína”. SEZNAM-AUTOBUSU.cz. 2022年1月9日閲覧。
- ^ “Městský dopravní podnik Opava”. SEZNAM-AUTOBUSU.cz. 2022年1月9日閲覧。
- ^ “DP města Pardubic - trolejbusy”. SEZNAM-AUTOBUSU.cz. 2022年1月9日閲覧。
- ^ “DP města Hradce Králové - trolejbusy”. SEZNAM-AUTOBUSU.cz. 2022年1月9日閲覧。
- ^ “DSZO - trolejbusy”. SEZNAM-AUTOBUSU.cz. 2022年1月9日閲覧。
- ^ “Historická vozidla”. Dopravní společnost Zlín-Otrokovice, s.r.o.. 2022年1月9日閲覧。
- ^ “Autobusy Jihlava”. SEZNAM-AUTOBUSU.cz. 2022年1月9日閲覧。
- ^ “Dopravní podnik Ostrava - trolejbusy”. SEZNAM-AUTOBUSU.cz. 2022年1月9日閲覧。
- ^ “MĚSTSKÁ DOPRAVA Mariánské Lázně - trolejbusy”. SEZNAM-AUTOBUSU.cz. 2022年1月9日閲覧。
参考資料
編集- Martin Harák (2015-11-10). České trolejbusy historie a současnost, typy, technika, provoz. Praha: Grada Publishing a.s.. ISBN 978-80-247-5552-6
- Martin Harák (2013-11-17). Autobusy a trolejbusy východního bloku. Praha: Grada Publishing a.s.. ISBN 978-80-247-4738-5