ザ・ラグビーチャンピオンシップ

ラグビーの国際大会

ザ・ラグビーチャンピオンシップ (英: The Rugby Championship)は、南アフリカ代表(スプリングボクス)、オーストラリア代表(ワラビーズ)、ニュージーランド代表(オールブラックス)、アルゼンチン代表(ロス・プーマス)の南半球4か国のナショナルチームが参加する国際リーグ戦。毎年8月から10月までのうち6週間程度の期間で行われる。主催はSANZAAR。北半球6か国代表によるシックス・ネイションズと並ぶ、強豪国リーグである。

ザ・ラグビーチャンピオンシップ
最新のシーズン・大会:
ザ・ラグビーチャンピオンシップ2024
スポーツ ラグビーユニオン
前身となる大会 トライネーションズ
初回シーズン 1996
チーム数 4
 南アフリカ共和国
 ニュージーランド
 アルゼンチン
 オーストラリア
最新優勝  南アフリカ共和国 (5回目)
最多優勝  ニュージーランド (20回)
放送局 WOWOW (日本国内)
関連大会 ブレディスローカップ
マンデラチャレンジプレート
フリーダムカップ
ピューマトロフィー

概要

編集

1996年から2011年までは、南アフリカオーストラリアニュージーランドの3か国によるトライネーションズTri Nations)として開催されていた。「Tri」は3か国対抗戦の「3」を表す。2012年からアルゼンチンが加入し4か国になったため、「ザ・ラグビーチャンピオンシップ」に名称が変更された[1]

2020年、新型コロナウイルス感染症の世界的流行のため、南アフリカが辞退した。9年ぶりに3か国(アルゼンチン、オーストラリア、ニュージーランド)の対抗戦となり、開催地はオーストラリアに限定された。構成国は異なるものの、大会名が「トライネーションズ2020」(2020 Tri Nations Series)となった[2][1]

冠スポンサー

編集

毎年、各国で自国内向けに大会冠スポンサーを設けており、各国で大会名が異なる。2024年大会の呼称は以下の通り。

  • ニュージーランド:「リポビタンD・ラグビーチャンピオンシップ(Lipovitan-D Rugby Championship)」[3] - 2022年大会から。2022年1月1日から大正製薬ニュージーランドラグビー協会のプレミアムグローバルパートナーとなったため[4][5][6]
  • 南アフリカ共和国:「キャッスルラガー・ラグビーチャンピオンシップ(The Castle Lager Rugby Championship)」[7] - 2012年大会から[8]。キャッスルラガーは南アフリカ共和国のビール会社ブランド[9]
  • オーストラリア:「フライトセンター・ラグビーチャンピオンシップ(The Flight Centre Rugby Championship)」[10] - 2024年から。フライトセンターはオーストラリアの旅行代理店[11]
  • アルゼンチン:「ラグビーチャンピオンシップ・ビザ・バンコ・マクロ・(Rugby Championship VISA Banco Macro)」[12] - 2024年から。バンコ・マクロはアルゼンチンの銀行[13]

2国間トロフィー

編集

ザ・ラグビーチャンピオンシップ内で競われる2国間トロフィーは、以下の4つ。

2012年以降、通常年は 対戦が2試合あるため、前年大会でトロフィーを持つチームは、「2勝」「1勝1引き分け」「1勝1敗」の場合に、「トロフィーを守った」とされ 連覇となる。このため、前年トロフィー保持チームは、1勝した時点で連覇が決まる。逆に、トロフィーを奪還するためには「2勝」または「1勝1引き分け」となる必要がある。

ワールドカップ開催年は 各1回の対戦しかないため、1試合の勝敗でトロフィーの行方が決まる。

大会概要

編集

勝ち点(ボーナスポイントを含む)の合計で優勝を競う。

  • 勝利: 4点
  • 引き分け: 2点
  • 敗戦: 0点

2016年以降のボーナスポイントのルールは、SANZAAR主催の大会(スーパーラグビーを含む)で共通となる[14]

2022年からの対戦フォーマット

編集

2021年まで(新型コロナウイルス感染症対策時期を除く)、各チームとも 同一対戦相手とホームとアウェーをほぼ等しく入れ替えて行っていた。

2022年からはフォーマットを変え、「ミニツアー」的要素を取り入れた[1]。これは、同じ相手チームに対して2試合連続でアウェーで試合を行う(2試合連続で行うために相手国へ遠征する)ほか、逆に、相手チームが2試合連続で試合をしに来る、という内容。観客が2試合続けて同一チームとの対戦を地元で観戦でき、遠征ツアーのようなボリューム感を増すねらいがある[1]。残り2試合は、今までのようにホームとアウェーを入れ替えて1試合ずつ行う[1]。なお、必ず1チームがビジターとして来ないことになる。チーム対戦構成は、年度ごとに変わる。

以下の表は2024年実施のもの。このフォーマットは少なくとも2025年まで行われる[1]

ラグビーワールドカップ開催年

編集

ワールドカップ開催年には、対戦数が縮小される。各チームとも、2007年・2011年は計4試合のみ、2015年・2019年・2023年は計3試合のみ行われた。

戦績

編集
  • ラグビーワールドカップ開催のため、2007年・2011年は各チーム4試合ずつ、2015年・2019年・2023年は各チーム3試合ずつ行われた。
  • 2011年までは、南アフリカ共和国、オーストラリア、ニュージーランドの3か国による「トライネーションズ(Tri Nations)」、2012年からはアルゼンチンを加えた4か国による「ザ・ラグビーチャンピオンシップ」となる。

トライネーションズ (1996–2011, 2020)

編集
開催年 優勝 ブレディスローカップ マンデラチャレンジプレート フリーダムカップ ピューマトロフィー ウドゥン・スプーン
1996   ニュージーランド1   ニュージーランド1 争われず 争われず 争われず   オーストラリア1
1997   ニュージーランド2   ニュージーランド2   オーストラリア2
1998   南アフリカ共和国1   オーストラリア1   ニュージーランド1
1999   ニュージーランド3   オーストラリア2   南アフリカ共和国1
2000   オーストラリア1   オーストラリア3   オーストラリア1   南アフリカ共和国2
2001   オーストラリア2   オーストラリア4 争われず   南アフリカ共和国3
2002   ニュージーランド4   オーストラリア5   南アフリカ共和国1   南アフリカ共和国4
2003   ニュージーランド5   ニュージーランド3 争われず   南アフリカ共和国5
2004   南アフリカ共和国2   ニュージーランド4 争われず   南アフリカ共和国1   ニュージーランド2
2005   ニュージーランド6   ニュージーランド5   南アフリカ共和国2   オーストラリア3
2006   ニュージーランド7   ニュージーランド6   オーストラリア2   ニュージーランド1   南アフリカ共和国6
2007   ニュージーランド8   ニュージーランド7   オーストラリア3   ニュージーランド2   南アフリカ共和国7
2008   ニュージーランド9   ニュージーランド8   オーストラリア4   ニュージーランド3   南アフリカ共和国8
2009   南アフリカ共和国3   ニュージーランド9   南アフリカ共和国3   南アフリカ共和国2   オーストラリア4
2010   ニュージーランド10   ニュージーランド10   オーストラリア5   ニュージーランド4   南アフリカ共和国9
2011   オーストラリア3   ニュージーランド11   オーストラリア6   ニュージーランド5   南アフリカ共和国10
開催年 優勝 ブレディスローカップ マンデラチャレンジプレート フリーダムカップ ピューマトロフィー ウドゥン・スプーン


ザ・ラグビーチャンピオンシップ (2012–2019, 2021-)

編集

南アフリカ共和国不在の3か国による「トライネーションズ2020」も、トロフィー争奪の履歴のため、この表に含める。

開催年 優勝 ブレディスローカップ マンデラチャレンジプレート フリーダムカップ ピューマトロフィー ウドゥン・スプーン
2012   ニュージーランド11   ニュージーランド12   オーストラリア7   ニュージーランド6   オーストラリア1   アルゼンチン1
2013   ニュージーランド12   ニュージーランド13   南アフリカ共和国4   ニュージーランド7   オーストラリア2   アルゼンチン2
2014   ニュージーランド13   ニュージーランド14   南アフリカ共和国5   ニュージーランド8   オーストラリア3   アルゼンチン3
2015   オーストラリア4   ニュージーランド15   オーストラリア8   ニュージーランド9   オーストラリア4   南アフリカ共和国11
2016   ニュージーランド14   ニュージーランド16   オーストラリア9   ニュージーランド10   オーストラリア5   アルゼンチン4
2017   ニュージーランド15   ニュージーランド17   オーストラリア10   ニュージーランド11   オーストラリア6   アルゼンチン5
2018   ニュージーランド16   ニュージーランド18   オーストラリア11   ニュージーランド12   オーストラリア7   アルゼンチン6
2019   南アフリカ共和国4   ニュージーランド19   南アフリカ共和国6   ニュージーランド13   オーストラリア8   アルゼンチン7
2020   ニュージーランド17   ニュージーランド20 争われず 争われず   オーストラリア9   オーストラリア5
2021   ニュージーランド18   ニュージーランド21   オーストラリア12   ニュージーランド14   オーストラリア10   アルゼンチン8
2022   ニュージーランド19   ニュージーランド22   オーストラリア13   ニュージーランド15   オーストラリア11   アルゼンチン9
2023   ニュージーランド20   ニュージーランド23   南アフリカ共和国7   ニュージーランド16   アルゼンチン1   オーストラリア6
2024   南アフリカ共和国5   ニュージーランド24   南アフリカ共和国8   南アフリカ共和国3   アルゼンチン2   オーストラリア7
開催年 優勝 ブレディスローカップ マンデラチャレンジプレート フリーダムカップ ピューマトロフィー ウドゥン・スプーン

タイトル獲得数(1996年以降)

編集

2024年大会までを反映。

第1回トライネーションズが行われた1996年以降の集計。その前年(1995年)までのブレディスローカップの回数は含まれない。

優勝 ブレディスローカップ マンデラチャレンジプレート フリーダムカップ ピューマトロフィー ウドゥン・スプーン
対戦回数(年数) 29(2024年まで) 29(2024年まで) 21(2024年まで) 19(2024年まで) 13(2024年まで) 29(2024年まで)
  ニュージーランド 20 24 16 2
  オーストラリア 4 5 13 11 7
  南アフリカ共和国 5 8 3 11
  アルゼンチン 0 2 9

テレビ中継

編集

世界各地への放送・配信状況は以下の通り(2024年1月発表時点)[15]

脚注

編集
  1. ^ a b c d e f About The Rugby Championship” (英語). Super Rugby. 2024年1月24日閲覧。
  2. ^ トライネーションズ2020”. ラグビーWC (2020年12月7日). 2024年8月4日閲覧。
  3. ^ Lipovitan-D Rugby Championship: Where to watch around the world” (英語). allblacks.com (2024年8月7日). 2024年8月10日閲覧。
  4. ^ 大正製薬がNZラグビー協会のプレミアムグローバルパートナーに オールブラックスなど支援 - ラグビーリパブリック” (2021年10月8日). 2023年7月27日閲覧。
  5. ^ Partners” (英語). allblacks.com. 2023年7月27日閲覧。
  6. ^ Japanese company, Taisho Pharmaceutical announced as Premium Global Partner” (英語). NZ Rugby. 2024年8月11日閲覧。
  7. ^ 2024 Castle Lager Rugby Championship | Rugby Travel | Edusport” (英語). Edusport Travel & Tours. 2024年8月10日閲覧。
  8. ^ CASTLE LAGER RUGBY CHAMPS | SA Rugby”. www.sarugby.co.za. 2024年8月11日閲覧。
  9. ^ Home | Castle Lager”. www.castlelager.co.za. 2024年8月11日閲覧。
  10. ^ Australia, Rugby (2024年8月6日). “Wallabies to kick off The Rugby Championship at sold-out Suncorp Stadium” (英語). australia.rugby. 2024年8月10日閲覧。
  11. ^ Flight Centre Travel Deals - Cheap Flights, Holidays, Cruises and More” (英語). www.flightcentre.com.au. 2024年8月11日閲覧。
  12. ^ Se confirmaron los referees para el Rugby Championship VISA Banco Macro - UAR” (スペイン語) (2024年8月2日). 2024年8月10日閲覧。
  13. ^ http://globant.com.+“Banco Macro” (Spanish). www.macro.com.ar. 2024年8月11日閲覧。
  14. ^ a b Rugby Championship to adopt bonus-point system used by Super Rugby - By Reuters”. Sky Sports. 2024年8月12日閲覧。
  15. ^ Broadcast Guide” (英語). Super Rugby. 2024年1月24日閲覧。

関連項目

編集

外部リンク

編集