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サッド・マシーン

ポーター・ロビンソンによる2014年のシングル
曖昧さ回避 この項目では、ポーター・ロビンソンの楽曲について説明しています。ART-SCHOOLの楽曲「サッドマシーン」については「REQUIEM FOR INNOCENCE」をご覧ください。

「サッド・マシーン」（英: Sad Machine）は、アメリカ合衆国のミュージシャンであるポーター・ロビンソンの楽曲。デビュー・アルバムの『ワールズ（英語版）』に収録された。「ロボットと人間のデュエット」が楽曲のコンセプトであり、ボーカルにはそれぞれVOCALOID「AVANNA」の声とロビンソン自身の声が用いられている。ロビンソンは楽曲にフィクションとノスタルジアの要素を含めたいと考えていた。音楽評論家はこの楽曲がシンセポップであり、パッション・ピット、M83、シガー・ロスからの影響を受けていると指摘した。

「サッド・マシーン」
ポーター・ロビンソン の シングル
初出アルバム『ワールズ（英語版）』
リリース
ジャンル シンセポップ
時間
レーベル アストラルワークス（英語版）
作詞・作曲 ポーター・ロビンソン
プロデュース ポーター・ロビンソン
ポーター・ロビンソン シングル 年表
「シー・オブ・ヴォイシズ（英語版）」
（2014年）		「サッド・マシーン」
（2014年）		「ライオンハーテッド（英語版）」
（2014年）
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2014年5月13日に『ワールズ』からの2番目のシングルとしてリリースされた。この楽曲は複数のメディアで最高のエレクトロニック・ダンス・ミュージック（EDM）のリストに選出されており、『ヴァイス（英語版）』は史上最高級のEDMに選んだ。また、『ビルボード』の「ダンス／エレクトロニック・ソングス」のチャートにランクインし、アメリカレコード協会からゴールド認定を受けた。

背景と構成

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人間とロボットのデュエットという発想は、私にとって本当に美しく、感動的なものに思えた。そして、その雰囲気は、私がアルバムに求めていたファンタジーやフィクション、現実逃避といった感覚を間違いなく呼び起こした。
 — ポーター・ロビンソン、Cuepoint.[1]

「サッド・マシーン」は、ロビンソンがデビュー・アルバム『ワールズ（英語版）』のために制作した最後の楽曲である[2]。ロビンソンは、この楽曲はアルバムの成り行きを要約したものであり、アルバムの中で特に気に入っている楽曲であると述べた[2]。

ロビンソンはこの楽曲を「孤独なロボットの少女と人間の少年のデュエット」と表現した[3]。ロビンソンは「どこか悲しく、少しかわいらしく、非現実的で希望に満ちていて、そして多分どことなくフィクションを彷彿とさせる」ようなものを作り上げたいと考えていた[3]。この楽曲ではVOCALOID「AVANNA」がリードボーカルとして使用されている[1][4]。男性ボーカルはロビンソン自身が担当しており、ロビンソンが自身の声を使用した最初の楽曲にもなっている[3]。『ピッチフォーク』のラリー・フィッツモーリスは、ロビンソンの高音域の声がリードボーカルを非常に効果的に担当していると評した[5]。ロビンソンは、NINTENDO 64や古いPCのゲームを彷彿とさせる間奏が所々にあることで「懐かしく、全体的に幻想的でフィクションっぽい」楽曲に感じられるようになっていると述べた[3]。

『ビルボード』のタティアナ・シリサーノは、「砂糖のように甘いシンセポップの方向へ連れて行ってくれる」楽曲であり、「グリッチで技術的な」要素が『ワールズ』とコンピュータゲームのつながりを表していると記した[6]。『オールミュージック』のアンディ・ケルマンは「素朴なシンセポップの魅力」があると述べた[7]。『ビルボード』のマット・メドヴェドは、この楽曲がアルバムのリード・シングルである「シー・オブ・ヴォイシズ（英語版）」の雰囲気を保っていると述べた[3]。フィッツモーリスは、ミッドテンポのインストゥルメンタルと「夢想的なメロディ構造」をもっており、『ワールズ』の楽曲の中ではパッション・ピットの「綱渡り的なシンセポップの幻想曲」に似ていると述べ[5]、『コンシークエンス・オブ・サウンド（英語版）』のデレク・ステイプルズは、この楽曲をパッション・ピットのアルバム『マナーズ（英語版）』と比較した[8]。『ラスベガス・ウィークリー（英語版）』のマイク・プレヴァットは、M83やシガー・ロスからの影響を受けていると指摘した[9]。『ステレオガム』のクリス・デヴィルは、この楽曲は「M83の星の輝きと、パッション・ピットの非常に活発なシンセポップを足して2で割ったよう」であると述べた[10]。

リリース

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当初、「シー・オブ・ヴォイシズ」の次にアルバムからシングルとしてリリースされる楽曲は「フリッカー（英語版）」になることが予定されていた。しかし、ロビンソンはその後「サッド・マシーン」を制作し、「次にリリースされる楽曲となる必要がある」としてリリース3日前になってリリースする楽曲を変更することを決めた[11]。ロビンソンによると、「そのようなことをするのはとんでもない悪夢」であり、レーベルに「大混乱」を引き起こしたという[11]。「サッド・マシーン」は2014年5月12日に『FADER（英語版）』で初公開された[12]。翌日の5月13日にiTunesでリリースされ、ロビンソンは『ワールズ』のリリース日を明らかにした[3]。リリック・ビデオは5月21日に公開された[13]。デオン・カスタムによるリミックス版は、2015年の『ワールズ』のリミックス・アルバムに収録された[14]。

評価

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『FADER』のダンカン・クーパーは「サッド・マシーン」について「太陽を発見したかのように感じられる」と述べ[12]、AXS（英語版）のルーカス・ヴィラは、この楽曲は「夢見心地にしてくれる電子音楽の側面」があり、「壮大で荘厳」であると表現した[15]。『Q』のルパート・ハウは、『ワールズ』のレビューで「ディヴィニティ」や「グッドバイ・トゥ・ア・ワールド」とともにこの楽曲の雰囲気を強調した[16]。サミュエル・トルツマンは『スペクトラム・カルチャー』で、このシングルは「心地良い」一方で、まとまりに欠けているとコメントした[17]。

『ビルボード』のマット・メドヴェドは「サッド・マシーン」を2014年のエレクトロニック・ダンス・ミュージック（EDM）のうち3位に選出し、「この年で最もユニークなリリース」と表現した[18]。2015年、『スピン』は2010年代前半で最高のEDMアンセムのランキングで40位に選出した。ハーレー・ブラウンはこの楽曲を「今までで最大級に感情がこもったEDM」と表現し、「美しく、悲しく、舞い上がる、きらきら輝く雲のようなメロディ」が含まれていて、ロビンソンの他の楽曲と比較して「より記憶に残る」と評価した[19]。2017年、『ビルボード』は「サッド・マシーン」をロビンソンの作品で2番目に良い楽曲に挙げた[6]。同年、『ヴァイス（英語版）』はこの楽曲を史上最高のEDMランキングで7位に選出し、コリン・ジョイスは「ロビンソンの素晴らしさの一端を示している。彼は大量の金属とケイ素に感情を与え、機械を擬人化することができる」と述べた[20]。「サッド・マシーン」は『ビルボード』の「ダンス／エレクトロニック・ソングス」で29位にランクインし[21]、アメリカレコード協会からゴールド認定を受けた[22]。

チャート

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「サッド・マシーン」のチャート成績
チャート（2014年） 最高順位
US Hot Dance/Electronic Songs (Billboard)[21] 29

認定

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「サッド・マシーン」の認定
国/地域 認定 認定/売上数
アメリカ合衆国 (RIAA)[22] Gold 500,000 

  認定のみに基づく売上数と再生回数

リリース日

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「サッド・マシーン」のリリース日
バージョン 国・地域 日 規格 レーベル 出典
オリジナル 全世界 2014年05月13日
アストラルワークス（英語版） [3]
デオン・カスタム・リミックス 2015年10月15日 [14]

脚注

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  1. ^ a b Pizzo, Mike "DJ" (2015年10月5日). “Porter Robinson reflects on Worlds, one year later” (英語). Cuepoint. 2017年8月3日時点のオリジナルよりアーカイブ。2024年2月17日閲覧。
  2. ^ a b Masley, Ed (2014年9月10日). “Interview: Porter Robinson on the making of Worlds” (英語). The Arizona Republic. 2024年2月13日時点のオリジナルよりアーカイブ。2025年1月26日閲覧。
  3. ^ a b c d e f g Medved, Matt (2014年5月13日). “Porter Robinson drops 'Sad Machine' single, reveals release date for Worlds album” (英語). Billboard. 2024年1月25日時点のオリジナルよりアーカイブ。2025年1月26日閲覧。
  4. ^ Brown, Harley (2014年6月30日). “'I expected a backlash': Porter Robinson talks 'virtual' music, denouncing EDM, and online games” (英語). Billboard. 2024年2月14日時点のオリジナルよりアーカイブ。2025年1月26日閲覧。
  5. ^ a b Fitzmaurice, Larry (2014年8月14日). “Porter Robinson: Worlds album review” (英語). Pitchfork. 2014年8月14日時点のオリジナルよりアーカイブ。2025年1月26日閲覧。
  6. ^ a b Cirisano, Tatiana (2017年7月6日). “Porter Robinson's 10 best songs: Critic's picks” (英語). Billboard. 2022年7月2日時点のオリジナルよりアーカイブ。2024年1月25日閲覧。
  7. ^ Kellman, Andy. “Worlds review” (英語). AllMusic. 2014年8月11日時点のオリジナルよりアーカイブ。2014年8月17日閲覧。
  8. ^ Staples, Derek (2014年8月12日). “Porter Robinson – Worlds” (英語). Consequence of Sound. 2014年8月15日時点のオリジナルよりアーカイブ。2014年8月17日閲覧。
  9. ^ Prevatt, Mike (2014年9月3日). “CD review: Porter Robinson's Worlds” (英語). Las Vegas Weekly. 2014年11月29日時点のオリジナルよりアーカイブ。2014年11月15日閲覧。
  10. ^ “The 5 best songs of the week” (英語). Stereogum (2014年5月16日). 2024年4月2日時点のオリジナルよりアーカイブ。2024年4月2日閲覧。
  11. ^ a b Greene, Scott (2014年10月31日). “Your EDM exclusive interview: Porter Robinson on Worlds” (英語). Your EDM. 2020年11月12日時点のオリジナルよりアーカイブ。2024年2月13日閲覧。
  12. ^ a b Cooper, Duncan (2014年5月12日). “Hear Porter Robinson, post-EDM's greatest hope, duet with a robot on 'Sad Machine'” (英語). The Fader. 2024年2月28日時点のオリジナルよりアーカイブ。2025年1月27日閲覧。
  13. ^ Porter Robinson – "Sad Machine" (Official lyric video). PorterRobinsonVEVO. 21 May 2024. 2024年1月5日時点のオリジナルよりアーカイブ。YouTubeより2024年2月15日閲覧。
  14. ^ a b Middleton, Ryan (2015年10月5日). “Porter Robinson Worlds Remixed released: Odesza, Mat Zo, Sleepy Tom featured” (英語). Music Times. 2016年9月20日時点のオリジナルよりアーカイブ。2016年9月12日閲覧。
  15. ^ Villa, Lucas (2014年8月13日). “Album review: Porter Robinson's virtual reality comes alive on Worlds” (英語). AXS. 2014年8月16日時点のオリジナルよりアーカイブ。2014年8月14日閲覧。
  16. ^ Howe, Rupert (September 2014). “Porter Robinson: Worlds”. Q (338): 112. 
  17. ^ Tolzmann, Samuel (2014年9月3日). “Porter Robinson: Worlds – Album review” (英語). Spectrum Culture. October 10, 2023時点のオリジナルよりアーカイブ。2024年2月17日閲覧。
  18. ^ Medved, Matt (2014年12月11日). “The 10 best electronic/dance songs of 2014” (英語). Billboard. 2024年3月30日時点のオリジナルよりアーカイブ。2024年4月14日閲覧。
  19. ^ “These will be the years: The 100 greatest EDM anthems of the '10s” (英語). Spin (2015年5月28日). 2022年9月22日時点のオリジナルよりアーカイブ。2024年4月9日閲覧。
  20. ^ “The 101 best EDM songs of all time” (英語). Vice (2017年7月12日). 2022年11月22日時点のオリジナルよりアーカイブ。2024年4月12日閲覧。
  21. ^ a b "Porter Robinson Chart History (Hot Dance/Electronic Songs)". Billboard. 2024年3月28日閲覧。
  22. ^ a b "American single certifications – Porter Robinson – Sad Machine". Recording Industry Association of America. 2021年3月18日閲覧。

外部リンク

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