ゴゼンタチバナ
ゴゼンタチバナ(御前橘; 学名: Cornus canadensis)は、ミズキ科ミズキ属ゴゼンタチバナ亜属の多年草である。
ゴゼンタチバナ | |||||||||||||||||||||||||||
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![]() ゴゼンタチバナ(蓼科山・2001年07月撮影)
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分類 | |||||||||||||||||||||||||||
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学名 | |||||||||||||||||||||||||||
Cornus canadensis L.[1] | |||||||||||||||||||||||||||
シノニム | |||||||||||||||||||||||||||
Chamaepericlymenum canadense | |||||||||||||||||||||||||||
和名 | |||||||||||||||||||||||||||
ゴゼンタチバナ(御前橘) |
特徴
編集高さ5–15センチメートル。葉は2枚の対生葉と液性の短枝に2個ずつ葉が付き、計6枚の輪生に見える。花の咲く株は葉が6枚にまで成長したものである。
花期は6–8月[4]。花は4枚の白い総苞に囲まれハナミズキやヤマボウシに似ている。
核果は、秋にハナミズキに似て直径5–6ミリメートルで赤い。
名
編集和名の「御前橘」は、白山の最高峰「御前峰」に由来している[4]。学名は、スウェーデンの植物学者であるカール・フォン・リンネが命名した[2]。
分布と生育環境
編集北海道、本州、四国に分布し、亜高山帯-高山帯の針葉樹林下や林縁に生育する。愛媛県では、石鎚山系と赤石山系に分布し南限となっている[5]。国外では、北東アジア、北米に分布する[6]。基準標本はカナダのもの[6]。
種の保全状況評価
編集エゾゴゼンタチバナ
編集エゾゴゼンタチバナ(蝦夷御前橘; 学名: Cornus suecica L.)は、北海道の根室・釧路・北見地方の山地帯に生える多年草。北半球の寒地にも分布する。葉は輪生せずに対生する。環境省のレッドリストの準絶滅危惧種に指定されている[11]。総個体数は約1,000、平均減少率は約50パーセント、減少の主要因が湿地の開発と土地造成であると推定されている[8]。奇しくもゴゼンタチバナと同一文献の同一ページで記載された種である[3]。
関連画像
編集尾瀬国立公園 帝釈山・2008年6月 |
ゴゼンタチバナの実 八ヶ岳・2006年10月 |
脚注
編集- ^ “Cornus canadensis L. (ゴゼンタチバナ)” (英語). ITIS. 2011年9月16日閲覧。
- ^ a b “Chamaepericlymenum canadense (L.) Aschers. & Graebn.(ゴゼンタチバナ)” (英語). ITIS. 2011年9月16日閲覧。
- ^ a b Linnaeus, Carolus (1753) (ラテン語). Species Plantarum. Holmia[Stockholm]: Laurentius Salvius. p. 118
- ^ a b 林弥栄『日本の野草』山と溪谷社〈山溪カラー名鑑〉、2009年10月、322頁。ISBN 9784635090421。
- ^ a b “愛媛県レッドデータブック(高等植物)ゴゼンタチバナ”. 愛媛県. 2011年9月16日閲覧。
- ^ a b 豊国秀夫『日本の高山植物』山と溪谷社〈山溪カラー名鑑〉、1988年9月、290頁。ISBN 4-635-09019-1。
- ^ “日本のレッドデータ検索システム(ゴゼンタチバナ)”. エンビジョン環境保全事務局. 2011年9月16日閲覧。
- ^ a b “植物絶滅危惧種情報検索(ゴゼンタチバナ)”. 生物多様性情報システム. 2011年9月16日閲覧。
- ^ “鳥取県ゴゼンタチバナ保護管理事業計画” (PDF). 鳥取県. 2011年9月16日閲覧。
- ^ “国立・国定公園特別地域内指定植物(ゴゼンタチバナ)” (PDF). 環境省自然環境局. pp. 5. 2011年9月16日閲覧。
- ^ RL/RDB:環境省 2021年9月24日閲覧。