グリーン・タオの定理
ベン・グリーン (Ben Green) とテレンス・タオ (Terence Tao) により2004年に証明された、数論における定理であるグリーン・タオの定理[1]は、素数の列は任意の長さの等差数列を含んでいるという定理である。言い換えると、任意の自然数 k に対し、k 個の項からなる素数の等差数列が存在する。証明はSzemerédiの定理の拡張となっている。
2006年、テレンス・タオとタマル・ツィーグラー (Tamar Ziegler) は、この結果を polynomial progression へ拡張した[2]。正確に言えば、定数項が 0 の、一変数の整数値多項式 P1, ..., Pk が任意に与えられると、
が同時に素数となるような整数 x, m が無数に存在する。この特別な場合として、多項式が m, 2m, ..., km のものを考えると、長さが k の素数の等差数列が存在するということとなる。
数値計算結果
編集これらの結果は単に存在を保証する定理であり、どのようにして等差数列を見つけるかは示してはくれない。2007年1月18日、ヤロスラフ・ロンブロースキー (Jarosław Wróblewski) は 24 個の項からなる場合を初めて示した[3]。
- 468,395,662,504,823 + 205,619 · 223,092,870 · n, 0 ≤ n ≤ 23.
ここで定数 223,092,870 は、23 以下の素数の積である(素数階乗を参照)。
2008年5月17日、ロンブロースキーとラーナン・チェルモーニ (Raanan Chermoni) は 25 個の素数の場合を見つけた。
- 6,171,054,912,832,631 + 366,384 · 223,092,870 · n, 0 ≤ n ≤ 24.
2010年4月12日、Benoãt Perichon は、PrimeGridプロジェクトのヤロスラフ・ウレブロフスキとゲオフ・レイノルズのソフトウェアを使い、26 個の素数の場合を見つけた(オンライン整数列大辞典の数列 A204189)。
- 43,142,746,595,714,191 + 23,681,770 · 223,092,870 · n, 0 ≤ n ≤ 25.
2019年4月12日、Rob Gahan は、PrimeGridプロジェクトのヤロスラフ・ウレブロフスキとゲオフ・レイノルズのソフトウェアを使い、27 個の素数の場合を見つけた(オンライン整数列大辞典の数列 A327760)。
- 224,584,605,939,537,911 + 81,292,139 · 223,092,870 · n, 0 ≤ n ≤ 26.
関連項目
編集参考文献
編集- ^ Green, Ben; Tao, Terence (2008), “The primes contain arbitrarily long arithmetic progressions”, Annals of Mathematics 167 (2): 481–547, arXiv:math.NT/0404188, doi:10.4007/annals.2008.167.481.
- ^ Tao, Terence; Ziegler, Tamar (2008), “The primes contain arbitrarily long polynomial progressions”, Acta Mathematica 201: 213–305, arXiv:math.NT/0610050, doi:10.1007/s11511-008-0032-5.
- ^ Jens Kruse Andersen, Primes in Arithmetic Progression Records. Retrieved on 2014-06-13
外部リンク
編集- MathWorld news article on proof
- Primes in Arithmetic Progression Records
- P. Erdos and P.Turán, On some sequences of integers, J. London Math. Soc. 11 (1936), 261–264.
- AMS lecture: Structure and randomness in the prime numbers [1] by Terence Tao.
- The Green-Tao theorem: an exposition by David Conlon, Jacob Fox, and Yufei Zhao