北方圏農林博覧会(ほっぽうけんのうりんはくらんかい 英:GREENPIA'82)は、北海道帯広市で開催された博覧会。

北方圏農林博覧会
GREENPIA'82
イベントの種類 地方博覧会
通称・略称 グリンピア’82、十勝博
開催時期 1982年7月17日 - 9月5日
会場 帯広市南町 旧帯広空港跡地
主催 帯広市、帯広商工会議所、十勝毎日新聞社
後援 北海道、北海道議会、北海道教育委員会、外務省、文部省、農林水産省ほか
来場者数 544,863人
最寄駅 根室本線帯広駅
直通バス
駐車場
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概要

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帯広市開基百年・市制施行50年記念事業として、十勝地方の基幹産業である農林業に新たなスポットを当てて最先端技術との結びつきを探る。

施設・パビリオン

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  • テーマ館「緑の21世紀館」 - 十勝を始めとした日本農業の最先端技術による未来像を展示。
    • テーマ展示 - 「宇宙技術と未来農業」「生命科学と未来農業」のテーマで二分しポマトの大型模型やハクランの実物やバイオマス資源・牛の人工妊娠のパネルといったバイオテクノロジー、アメリカ大使館提供の月の石やランドサット人工衛星模型・屋外のTT-500Aロケット実物大模型で宇宙開発技術と農業を展開。
    • 企業展示 - コンピューター農業、省エネ・効率化農業などテーマに関連した企業ブース。
      • 第一熱原京都セラミック協賛のもと再結晶宝石「クレサンベール」を用いたティアラやエメラルド、太陽光パネル製品を展示[2]
      • 久保田鉄工:「2001年エネルギーの旅」をテーマに太陽熱ソーラー、地熱、メタン発酵熱といった農業関連の最新技術をガスエンジン発電機実物や近未来農場の模型等で展示。
      • 中山製鋼所:経営計画に応じた増築を容易にした多目的ユニット畜舎を紹介。
      • 帯広松下電工:音声認識センサーを活用した「スイッチランド」や総合情報開発システムを展示。
      • 電源開発 - エアロバイクを用いた発電量測定照明装置や年度別電力使用量の具体化パネルを展示。
      • 土谷特殊農機具製作所 - コンピューターを用いた酪農システム技術を紹介。
      • 国際科学技術博覧会協会 - UFOミラービジョン等、ジオラマ・プレイコーナー・パネルで科学万博の開催計画を紹介する。
      • 科学農業推進プロジェクトチーム:木村機械店・フジヤ矢野科学・北海道コンピュータの合同でコンピューターと電子機器を結んだ飼料分析・肥料分析・牛乳成分分析などの酪農総合情報システムプログラムを展示。
      • 陽気堂クリエート工業 - 太陽熱ソーラーシステムに焦点を絞った生活提言展示。
      • 東京芝浦電気 - 強烈な照明効果の中でHBCテレビ中継車など北海道内の東芝製品紹介パネルや太陽電池、パソピア、マルチビジョンの実演を展開。
      • NEC - 気象衛星画像送信システムによる昼間1日3回のひまわり最新気象画像受信、365日連続気象画像のビデオ上映、パソコンゲームを展示。
      • ソニー - 9面マルチビジョンや自動回転ビデオカメラの実演を実施。
      • 日立製作所 - 太陽熱利用の植物工場システムなど日立グループの最新農業システムをパネル展示。
      • ほくさん - 太陽電池システムや受精卵凍結装置等を展示。
      • 富士通「ファミリープラザ数の広場」 - 日本語ワープロOASYS100Jによる童話制作、立体四目並べ・4つの立方体など6種のパズルゲームを展示。
      • 日本電信電話公社「でんでんファンタジア」 - プッシュホン操作によるジャックと豆の木ロボット、ゴルフ・減量・姓名・バイオリズム・運勢のコンピューター占い、テレビ電話、ジャンケンロボットを展示。
  • 北の大自然館 - 森林の大パノラマや動植物の生態や林業関連等、北方圏の自然を分かりやすく紹介する。
    • テーマ展示 - 林業にスポットを当てて地球史から見た北海道、北方の林業・林産、林業経営と科学技術の3要素で構成された。樹齢200年高さ23mのエゾマツのシンボルツリー、忠類村ナウマンゾウ復元骨格、道産樹種の輪片を集め同年代の人物と比較する「樹齢と歴史上の人物」、読売ジャイアンツ選手のサインバットと野球バット製造工程紹介、道産材を用いた世界一の木琴、バイオマスを初めとしたこれからの林業パネル、道産材モデルルームを展示。
    • 企業展示 - 天然資源や観光・レクリエーションに関連した企業が出展。
  • 北のフロンティア館 - 十勝の開拓や北方農業の歴史、酪農・農業の今後を展示。
    • テーマ展示 - 十勝農業の発展の歴史を柱に帯広開基百年に至るまでの足取りや将来への展望を展示。開拓当初に使われた時鐘、昭和初期から戦後までの農業機械、日本と世界の食料消費比較、ヨーロッパを上回った十勝の乳牛一頭あたりの牛乳生産量の比較、帯広市緑ヶ丘公園の世界一長い400mベンチで撮影された世界一長い写真、北方領土返還を訴える3面マルチ映像とパネルによる「望郷のサイロ」、東大雪山系の永久凍土、ひよこ孵卵器実演、周氷河土「十勝坊主」を展示。
    • 企業展示 - 農産関連の展示を実施。
      • 北海道農協乳業「よつ葉クイズランド」 - よつ葉3.4牛乳をモチーフに牛乳に関するクイズを展開。
      • サッポロビール - 札幌官営麦酒工場以来の歴史紹介や全製品のショーケース、アルミ樽から無限にビールが出るディスプレイ「マジックビール」を展示。
      • 北海製罐グループ - 産業用ロボットによる貯金缶の製造実演を展開。
      • ホクレン - パソコンクイズ、6面マルチビジョンビデオや3基のブック型パネルによる十勝の農業紹介を展開。ホクレンくみあい飼料、北東化成が後援。
      • 日本ビート糖業協会 - ビート糖の生産工程をパネル展示。
      • 池田町ブドウ・ブドウ酒研究所 - 多くのワイングラスにワインが滴り落ちるローゼワインの滝ディスプレイやワイン樽、ぶどう絞り器や各種ワイン製品を展示。
      • カルビー「十勝はポテトカントリー」 - ポテトチップスに用いるじゃがいもの産地である十勝とカルビーの関わりを大型イラストパネルなどで紹介、ポテトスナックの試供も実施。
      • 日本専売公社 - 明治37年から昭和45年にかけての懐かしのタバコをショーケース展示する。
      • ニッカウヰスキー - 樽からグラスに流れ落ちるウイスキーのディスプレイ、製造工程のパネルや製品ショーケースを展示。
      • 雪印乳業「雪印こどもの国」 - 北海道酪農の歴史パネルや牛の模型、白いすべり台や乳製品のクイズパネルを展示。
      • 北海道土地改良事業団体連合会十勝支部「みのり豊かな大地をめざして-農業基盤整備事業-」 - 3面マルチスライドで農業基盤整備事業のPRを実施。
  • 国際バザール - 帯広・十勝、帯広市の姉妹都市松崎町徳島市大分市、道東5市、カナダ・フィンランド・スウェーデン・ソ連等北方圏6カ国の民芸特産品を展示販売。
  • 映像ドーム - 8m×18mのドーム内のジャンボスクリーンにて、ノックスビル国際エネルギー博覧会日本館にて上映された日本のエネルギー問題を題材とした天周映像の再編集版を上映。
  • 屋外展示
    • ノースランドロッヂ豆の館 - カラマツ材を用いた小型ログハウス。地元農業青年による豆のモザイク画展示、豆の即売会、豆料理のパンフレット配布を実施。
    • から松ログハウス - から松のサトウ製作のログハウス、旅と宿のご案内デスクに利用。閉幕後は幸福駅に移設[1]
    • パナソーラーシステム - パナ住設の開発によるコンピューター制御で夜明けから日没まで太陽を追う暖房給湯用ソーラーシステム。
    • 川田産業「カワタエレメンツハウス」 - 二酸化炭素供給による野菜栽培試験を実施、通常の農業ハウスに比べ2-3倍の成長を記録。
  • 新幹線ひかり号 - 1982年2月に退役した0系新幹線車両(22-56)を国鉄浜松工場から御前崎港十勝港を経由し移送、「新十勝」の駅名を表したホームを設け屋外展示。閉幕後は帯広市児童会館に移設[1]
  • ふれあい牧場 - ウサギ、ヤギ、羊、亀、子牛、ポニーなどを配したミニ牧場。
  • 遊園地「グリンピアランド」
    • アトラクション:バイキング「グレートポセイドン」、サイクルモノレール、恐怖の館「ファンハウス」、エアファイター、チェーンタワー、エア遊具「ネッシー」、ゴーカート、ミニ列車
  • イベント広場「緑と太陽のステージ」
  • 日本庭園 - 閉幕後は帯広百年記念館前庭に移設[1]
  • レストラン
  • 焼肉・ビアガーデン

主なイベント

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緑と太陽のステージ
併催行事
  • 第25回全国農業機械展(7月17日 - 25日)
  • 全国林業機械展(8月6日 - 10日)
  • 建設機械展(8月18日 - 22日)
  • 十勝盆栽展(8月21日 - 27日)

沿革

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  • 1978年12月 - 帯広市開基100年・市制施行50年記念事業等推進委員会設置、同委員会にて博覧会開催の意見が提案される。
  • 1979年10月 - 帯広市・十勝毎日新聞社が博覧会開催の意向を固める。
  • 1981年
    • 4月 - 企業出展要請準備開始。
    • 4月23日 - 実行委員会設立。
    • 8月 - 出店募集開始。
    • 11月22日 - 地鎮祭開催。
    • 11月末 - 第一次会場整地工事終了。
  • 1982年
    • 5月30日 - 起工式開催。
    • 6月21日 - 23日 - 静岡県御前崎港から十勝港まで0系新幹線の海上輸送を実施[7]
    • 7月17日 - 開会式。バトントワラーズと自衛隊音楽隊の入場行進、林正巳実行委員長(十勝毎日新聞副社長)の開会宣言、田本帯広市長挨拶、中川一郎名誉総裁(科学技術庁長官)・永沢悟北海道副知事の祝辞、帯広畜産大学騎馬隊による博覧会・帯広市・帯広商工会議所・十勝毎日新聞旗入場、中川科学技術長官・永沢副知事・田本市長・木ノ内国明帯広市議長・宮本義雄帯広商議所会頭・西川義正帯広畜産大学学長・太田寛一前全農会長・林十勝毎日新聞社長・小森昭治陸自第五師団長・事前募集した「緑」の名前を持つ3歳・7歳児童によるテープカットと鳩の放鳥を行った[8]
    • 7月25日 - 来場者10万人達成。
    • 8月5日 - 来場者20万人達成。
    • 8月15日 - 来場者30万人達成。
    • 8月21日 - 来場者40万人達成。
    • 9月3日 - 来場者50万人達成、目標来場数を上回る。
    • 9月5日 - 最終日、期間中最多の32,832人が来場。17時半より閉会式を実施、田本市長の挨拶、宮本商議所会頭・林勝毎社長の謝辞、施工・協力団体への感謝状贈呈、木ノ内市議長の閉会宣言、矢地広三十勝町村会長による万歳三唱を行い、その後さよならパーティを実施[9]

脚注

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  1. ^ a b c d 第三篇開発のあゆみ 第五章田本市長になって(一期〜三期)14北方圏農林博覧会 - 帯広市史(帯広市 1984年)423-426頁
  2. ^ 沿革|熱原グループ”. 熱原グループ. 2023年11月15日閲覧。
  3. ^ a b c d 科学者になる夏休み。君も来ないか。グリンピア'82十勝博 - 十勝毎日新聞1982年7月11日
  4. ^ ふるさと見聞録 帯広の生活史2 グリンピア'82「十勝博」 - 広報おびひろ2009年2月号(帯広市役所)
  5. ^ a b c オープンまであと2日 '82十勝博特集 - 十勝毎日新聞1982年7月15日
  6. ^ こんにちはグリンピア'82(12) - 十勝毎日新聞1982年7月12日
  7. ^ 十勝博で余生を! - 北海道新聞1982年6月22日夕刊10面
  8. ^ 号外 十勝博、華やかに開幕 - 十勝毎日新聞1982年7月17日
  9. ^ 十勝博閉幕 - 十勝毎日新聞1982年9月6日

参考文献

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  • こんにちは、緑の21世紀。北方圏農林博覧会報告書(北方圏農林博覧会実行委員会 1982年)
  • 十勝博北方圏農林博覧会公式ガイドブック(北方圏農林博覧会実行委員会 1982年)
  • 十勝毎日新聞縮刷版 1982年7・8月号、9・10月号

外部リンク

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