ボルマトリクス
ボルマトリクスとは、二枚の凹面鏡を、縁同士を合わせるように向かい合わせて配置することで、一方の凹面鏡の焦点にある物体を、他方の凹面鏡の焦点にあるかのように見せる装置である。
装置の概要
編集通常、上側に焦点部位付近を欠く(=穴の空いた)凹面鏡を、下側に完全な凹面鏡を設ける。 上側の凹面鏡の焦点部位(装置全体の底にあたる)に物体を配置すると、物体からの光が上下の凹面鏡に反射され、下側の凹面鏡の焦点部位(装置全体の天井にあたる)に実像を結ぶため、装置を斜め上から観察すると、装置の底にある物体が、あたかも装置の天井部に存在するかのように見える。
物体からの光の経路を矢印で示す。黄色で示した部分が、像を見ることのできる範囲である
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上図の①から見た様子。上側:像、下側:実際の物体
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上図の②から見た様子。浮き出て見えるのは像である。
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上図の③から見た様子。見る角度が水平に近くなると、像の上部が欠ける。
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上図の④から見た様子。さらに水平に近い位置から見ると、実際には装置の上には何も出ていないことがわかる。
用途
編集博物館等での展示用、学校での凹面鏡の学習用等に用いられ、 ボルマトリクス、ミラージュ、3Dマジックスコープ等の名称で販売されている。
東京都千代田区の科学技術館では大型の物が「まぼろしの名水」というタイトルで展示されている。
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物体が浮いているように見えるが、触れることはできない。
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上に薄く大きく見えているのは像であり、実物ははるか下に設置されている。
参考文献
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関連項目
編集外部リンク
編集- “科学技術館5F展示”. 2012年12月13日閲覧。