run for money 逃走中

日本のフジテレビ系列のゲームバラエティ番組 (2004-)
クロノス社から転送)

run for money 逃走中』(ラン・フォー・マネー とうそうちゅう)は、フジテレビ系列2004年平成16年)から不定期に放送されているゲームバラエティ番組。通称は「逃走中」、ロゴや番組内では「RFM」が略称として用いられる。本項目では『クロノス』『ジャンプ!○○中』についても述べる。

run for money 逃走中
ジャンル ゲーム番組 / バラエティ番組 / 特別番組
企画
  • 高瀬敦也→石川綾一→渡辺恒也
    • 高瀬は第37回まで、第38回から第42回は石川、第45回から渡辺(渡辺は第49回までノンクレジット)
  • 大辻健一郎(第1回)
ナレーター マーク・大喜多
オープニング C.O.N. SEQUENCER「Methods of Mayhem」
時代設定 西暦2900年の月世界
製作
制作 フジテレビ
放送
映像形式文字多重放送(第7回 - )[注 1]
リアルタイム字幕放送FNS番組対抗!オールスター春秋の祭典スペシャル内の生放送・第59回第2部[注 2]
連動データ放送(第38回 - 第39回・第42回 - )
放送国・地域日本の旗 日本
放送期間2004年6月26日 -
放送時間放送回により異なる
放送分放送回により異なる分
回数
※第64回放送終了時点
計79回(パイロット版も含む)
公式サイト
配信:逃走中 Battle Royal
配信サイトNetflix
配信国・地域世界の旗 世界
配信期間2022年11月15日
配信ページ

特記事項:
ハイビジョン制作(『ジャンプ!○○中』、第7回から)。
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概要

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早朝の街中や、当番組が借り切ったテーマパークショッピングセンター等を舞台にして大規模な鬼ごっこを行う。基本的に単発放送ではあるが、2007年4月 - 9月は『クロノス』にて計4回、同年10月 - 2008年3月は『ジャンプ!○○中』の1企画として計5回放送された(詳細については、それぞれの項目を参照。)。2012年からは『クロノス』および『ジャンプ!○○中』で放送された『護衛中』を発展させた派生ゲームとなる『battle for money 戦闘中』の放送が開始されており、時期によっては当番組と並び2週連続で放送することもあった。

チーフプロデューサーの笹谷隆司も、2022年に出版された書籍の中で「鬼ごっこの鬼に追いかけられる、怖いけど楽しい感覚を思い出しました」と、この当番組が鬼ごっこをきっかけに誕生した旨を証言している[1]。当番組はフォーマットとしては各種スポーツを参考にしており、リアルタイム風の演出として、当番組放送中はタイマーが画面右下にほぼ常に表示されている[注 4]

当番組初期では、深夜帯やプライムタイムに放送していたが、『ジャンプ!○○中』第1回では、初めて「プライムゴールデンタイム」と呼ばれる午後10時台で放送された。第7回は初めて全面ゴールデンタイムでの放送、第15回以降は放送時間が拡大され、「カスペ!」枠や週末など曜日は不定ながら、ゴールデンタイムでの放送が定着していった。第30回以降は、土日・祝日のゴールデンタイムに固定して当番組が放送されている。

2009年12月3日にはアジア版国際エミー賞と呼ばれる「アジアン・テレビジョン・アワード2009」のゲーム・ショー部門を受賞、2010年には、第38回国際エミー賞のリアリティ・バラエティ部門にノミネートされ、ギャラクシー月間賞を受賞。2012年には、US国際フィルム&ビデオフェスティバルにて3等を受賞した[2]

2010年からは、台湾にて日本のテレビ番組専門チャンネル「緯来日本台」にて『全員逃走中』というタイトルで放送されている[注 5]。過去にはシンガポールマレーシアタイ香港アメリカでも放送されていた[3]。ただし、台湾で放送される際に使用されるBGMは、DVDと同じく一部を除き別の曲に差し替えられており、一部映像の差し替え・カットなどが行われている。

2014年には、放送開始10周年を迎え、「10周年記念ゲーム」として、「2つのエリアによる同時開催」「個人戦・チーム戦の2連続ゲーム」が実施された。2019年には、放送開始15周年を迎え、「15周年記念プロジェクト」が、2019年4月1日放送の『FNS番組対抗 オールスター春の祭典 目利き王決定戦』内で発表された。その後、8月13日の記者発表会にて、「一般公募による逃走者の募集」「歩数連動型ゲームアプリのリリース」「ノベライズ本の刊行」などの情報が発表された[4]

2022年11月15日には、地上波放送よりもさらにスケールアップが図られた「Run for the Money 逃走中 Battle Royal」が、Netflixにて全世界独占配信された[5]。フジテレビ系列の地上波放送・BS放送以外で当番組の新作が配信されるのは初となる。

2022年12月31日には、当番組初の大晦日・過去最長で放送された。この2022年大晦日の番組最後では、「生逃走中」として生放送で実施された。同日、『逃走中』のアニメ化作品である「逃走中 グレートミッション」の制作が東映アニメーションから発表された[6]

2023年7月22日・23日に放送された『FNS27時間テレビ 鬼笑い祭』にて当番組初となる『FNS27時間テレビ』に内包される形でのゲームが行われた[7]

2023年12月31日には、2年連続となる大晦日・当番組初の年またぎ(年越し)の形で放送された[8]。この2023年大晦日の番組は、番組のオープニングと年越し前後(生逃走中)が生放送で行われた。

放送20周年を迎える2024年7月19日には、当番組初の映画化となる『逃走中 THE MOVIE:TOKYO MISSION』の公開が予定されている[9]

基本ルール

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基本的に「逃走者」「ハンター」「エリア」「時間」「賞金」の5つの要素で構成されている。

「逃走者」

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  • 芸人タレント俳優アーティストアイドルスポーツ選手などの著名人が「逃走者」として参加する。逃走者として参加する出演者のジャンルは時代が下るにつれ、声優YouTuberインフルエンサー、キッズ層への人気の高まりから、中学生以下の逃走者(通称「キッズ逃走者」)、事前の応募・オーディションによる視聴者(通称「一般逃走者」)の参戦も行われている。
  • 原則的に完全な個人戦としてゲームが行われるが、状況やルールによっては逃走者同士の協力・競争・敵対する場合もある。
逃走者に対しては、基本的に以下のアイテムが支給される。
  • 携帯電話[注 6]スマートフォン/ゲーム内名称「モバイル」。第30回まではフィーチャーフォンガラケー)が使用されていた。第8回からは装着されたアームバンドに収納可能。ミッション通知や、確保情報・自首情報がメールで届く他、他の逃走者との連絡手段として、通話・メール・チャット(第39回より)が使用できる。留守番電話設定・カメラによる写真や、動画撮影及びQRコードの認証・ゲーム残り時間と賞金額の表示(第31回より)なども可能。確保者・自首者などゲームに直接関わっていない者は、メール受信以外の使用は基本的に禁止[注 7]。マナーモードは原則不可。
  • 地図:逃走エリアの地図。ゲーム進行により、逃走エリアの拡大・縮小が発生した場合は、対応版の地図に差し替えられる。
  • 衣裳:基本的に容易に判別がつくような明るい色が多く使われており、第5回からは全ての逃走者に対し、ケガ防止のためのヘッドギア・肘と膝のプロテクターも着用する。自前の衣装で参加する逃走者も稀に存在するが、その場合でもその衣装の上からヘッドギア・肘と膝のプロテクターを着用する。
  • 腕時計:第30回までは、ゲームの残り時間を表示するために装着されていた。第9回以降は、賞金額の表示機能も加わっていたが、携帯電話にこの機能が移ってからは廃止された。
  • ポーチ:第34回から第42回まで登場。腰に装着し、アイテム収納や仕掛けなどとして機能する。
  • プレイヤー用小型カメラ(逃走者アイ):第37回から第39回、第62回で登場。逃走者の中から1人、もしくは逃走者数名が装着し、後述の「ハンターアイ」と同様に逃走者の目線を映す。
ゲーム中は各逃走者に原則1名ずつ、カメラマン及びディレクターが同行し、逃走者へのサポートや運営への連絡・進行を行う。

「ハンター」

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  • 逃走者を追うのは、「黒のサングラス(通称「ハンターサングラス」。ここに追跡対象の情報が記録されているという設定)」「黒いスーツ」を着用した「ハンター」。スプリンターの脚力とマラソンランナーの持久力を併せ持つアンドロイドであり、喋ったり確保された逃走者とのやり取りも行わず、ハンターを数える単位も「」と表現される。ゲームスタート時に一定数のハンターが起動し、以後はミッションの結果や通達次第でハンターが増減する。
  • 通常、待ち伏せはせずにエリア内を巡回し、逃走者の位置を直接、間接問わず一瞬でも視認する・逃走者の声やモバイルの着信音、アラームなどを聴く・特殊な方法で通知を受けるなどして確認すると、見失うまで逃走者を追跡する。ハンターに触れられた逃走者は「確保」となり失格となる。ゲーム内で定められたアイテムを使用してのハンターの阻止は可能だが、それ以外の実力行使でのハンターを阻止する行為は禁止されている。ハンターは一度に2人以上の逃走者を追跡しても、どちらか逃げ遅れた若しくは視界に入っている逃走者1人を標的とする。
  • 捜索する対象は逃走者のみで、失格などでゲームを離脱した逃走者や、逃走者に付き添うスタッフなどを見つけても反応しない(撮影スタッフは衣装が統一されており、逃走者に付き添うスタッフと同じ格好のフリーカメラマンやスタッフがエリアに多数いる為、容易に判別をすることができない)。
  • ハンターの所持品は、主に腕時計・本部との通信用小型イヤホン・ハンターの目線を映す小型カメラ「ハンターアイ」(第22回から画面上に追跡中の逃走者の名前が英語で表示される)。第47回からジャケットの襟部分に、クロノス社のロゴがあしらわれた銀バッジ(ハンターピンズ)が追加された。
  • 第50回から第60回までは新型コロナウイルス感染拡大防止策として、専用開発の呼気バルブ付きマスクハンターマスク)と、合皮製手袋(ハンターグローブ)を着用。新型コロナが5類に移行してからは合皮製手袋は外しているが、一部の回を除き呼気バルブ付きマスクは引き続き着用する。
ハンターボックス
第6回から登場する箱。1個の箱につきハンター1体が入っているものが基本だが、建物の一角にハンターが複数入った巨大な檻が登場することもある。いずれも条件を満たすと、扉が開いてハンターが放出される。追加投入に使われる場合、ミッションなど特定の方法で「封印」してハンター放出を阻止したり、時間経過以外の方法で扉が開くなどの場合もある。
ハンターヘリ
ヘリコプター1台につき数体、もしくは、定数のハンターが乗っており、発見した逃走者の位置を地上のハンターに通報したり、指定箇所に着陸してハンターを放出する。通報・放出以外で撮影のためなどにヘリを使う場合もある他、ボートやホバークラフトなどの船、鉄道(ハンタートレインと呼ばれる)、リムジン(ハンターリムジンと呼ばれる)なども使われる。
通報部隊
ミッションなどによって追加される部隊。直接逃走者の確保はできないものの、通報部隊はハンターと同様にエリア内を捜索し、逃走者を見つけ次第、笛・太鼓・銅鑼といった楽器でハンターを呼び寄せ、ハンターに音で逃走者の位置情報を通達する。ゲームマスターによって、投入される専用部隊の他、エリア内の住人や忍者・同心などが通報部隊となって動く場合もある。通報部隊は強制投入された上に排除する方法がなく、ゲーム終了まで通報部隊がいる場合や、特定の条件を満たすことで通報を免れることができたり、ミッションクリアで通報部隊を排除することもできる。
新型ハンター
通常のハンターとは異なる特殊な性能を持つハンター。いずれのハンターも通常のハンターと同様、「確保」されれば失格となる。
キッズハンター
第49回に「キッズハンターゾーン」に初登場したハンター。通常のハンターと比べて劣るものの、キッズハンターは背が低いため視認が難しい。また、投入数が多いため、逃走者がキッズハンターの視界から外れることが極めて難しい。
レディースハンター
第49回に「レディースハンターゾーン」に初登場したハンター。通常のハンターよりは劣るものの、女性逃走者相手では脅威となるスピード、スタミナを兼ね備える。服装は中国版『全員加速中』に登場したタイプと違い、通常のハンターと同様になっている(アメリカ版『Cha$e』に基づいている)。
パルクールハンター
第49回に「パルクールハンターゾーン」に初登場したハンター。パルクールの技術に特化したハンター。パルクールハンターと対決するハンターゾーン内には様々な障害物があり、逃走者はそれらの障害物を利用しながら逃げる必要がある。
パワースーツハンター
第51回に初登場したハンター。パワースーツハンターはパワードスーツで武装しており、腕が長くリーチがあるが機動力は低い。
擬態ハンター
Battle Royal』で初登場したハンター。擬態ハンターの性能自体は通常のハンターと変わらないが、老婆などの一般人(エキストラ)に擬態している。擬態ハンターは、逃走者から話しかけられると正体を現し逃走者を追跡する。
メダリストハンター・オリンピックハンター
第59回、第63回に登場したハンター。第59回ではジャスティン・ガトリンアテネ五輪男子100m金メダリスト)、エリック・ワイナイナシドニー五輪男子マラソン銀メダリスト)、サンディ・モリスリオ五輪女子棒高跳び銀メダリスト)が、第63回ではベン・ジョンソンソウル五輪男子100m元金メダリスト)、アサファ・パウエルリオ五輪男子4×100mリレー金メダリスト)がハンターとして登場した。ゲストによるハンターはアメリカ版『Cha$e』以来の登場となる。
27時間テレビスペシャルハンター
第61回に登場したハンター。ミッション中は、逃走者には「27時間テレビスペシャルハンター」としか言及されない状態で進行していた。ミッション終了後に、そのハンターの正体がナダルZAZYによるハンターであると明かされた。

「エリア」

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  • 早朝の街中や貸切った施設・敷地のうち、指定の範囲内が「エリア」として設定され、この中でゲームが行われる。基本は屋外だが、入場可能な建物内も同様の扱いで、逃走者・ハンター双方が立ち入ることができる。また、ミッションの結果により、拡大・縮小・新エリアの出現など、エリアが変動する場合もある。屋内では、エレベーターの使用が可能な場合もある。エスカレーターは一部の回を除いては原則停止しており、階段として使用できる。
  • エリア外・無許可の建物・地下・私有地内の立ち入り、公道での交通法規違反を行った逃走者は失格となる。現在このルールが厳格に適用されて失格になった逃走者は存在しないが、私有地やエリア外とは知らず侵入してしまい、注意を与えられている逃走者は存在している。ハンターはエリア内で逃走者を確認できても、渡れない通路間(車道・赤信号・川・水路など)では逃走者を追跡しない。街中でゲームが行われる場合は、基本的に番組側が依頼した警備員や誘導員が主要エリアやエリア端などにあらかじめ控えており、これにより逃走者に対してエリアの位置、エリア内外を教える役割を担っている。
ハンターゾーン
エリアの一角にある、ゲート(出入口)で仕切り分けられているゾーン。壁などで仕切られた極めて狭い区域に、平均で2-3体のハンターがいる。ハンターゾーンに居るハンターはゲートを通過せず、通常エリアにそのハンターゾーンに居るハンターが流出することはない。このほかにもダミーハンターなど、ハンター以外のものが障害物としてこのゾーン内に存在している場合もある。一部の回によっては、ゲートは入口側からしか開けられない仕様になっているものもある。

「時間」

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  • ゲームは設定された時間で行い、ゲームの残り時間がゼロになるまで逃げ切れば「逃走成功」となる。オープニングゲームや、ゲーム開始直前におけるハンター放出猶予時間は、ゲーム時間には含まない。特定の時間に、新ルールが通知されることもある。
  • エリアドラマ導入後は、ゲームタイマーとエリア内の時間経過が連動しており、ゲームタイマーが停止している場合には、エリア内の登場人物の動きも停止する(逃走者とハンターのみ、エリア内を動くことができる)というギミックが追加されている。

「賞金」

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  • ゲーム中は「賞金単価」によって、金額が1秒経過ごとに積み立てられ、ゲームの残り時間がゼロになるまで逃げ切って逃走成功した場合は、積み立てられた賞金全額を獲得する。ただし、確保・強制失格の場合、逃走者の獲得賞金はゼロとなる。なお、確保されても、一部のミッション結果やゲーム結果によって、別途賞金を獲得することもある。現在の金額はスマートフォンに表示される(かつては残り時間表示タイマーと地図裏側に書かれた対応表での参照や、携帯とは別の腕時計に表示されていた)。
  • なお、逃走者はゲーム途中で「自首」を申告することも可能。エリア内にある公衆電話、もしくは、番組が設置した「自首用電話」から逃走者が本部に自首を申告した時点で成立となり、その時点での賞金を獲得してゲームから離脱することができる。自首方法は、上記以外にも「番組が設置した自首ボタンを押す」「特定の人物に『自首願』を提出する」といった特殊な方法がとられた回もある。後者の『自首願』の場合は、逃走者が概ねの定型文に沿って、『自首願』を書いて提出する必要があった為、時間がかかる作業が必要となる場合があった。
  • 確保・自首が発生した場合、該当者・確保されたおおむねの位置(第14回まで)・残存者の数が、即刻メールによって逃走者全員に通知される。確保者は、ゲーム終了までエリア内に設置された牢獄に収監される。ただし、敗者復活ゲームなどによって、確保者が復活権を獲得すれば、本戦に復活できる。自首者は、ゲーム終了まで牢獄付近の外で待機する。ゲームの残り時間がゼロになる前に、逃走者全員が確保された場合は「ゲームオーバー」となる。

そのほかの要素

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「オープニングゲーム」
第8回から第42回(一部回を除く)で導入されたイベント。ゲームを開始する前に逃走者全員がハンターボックスの前へ集まり、逃走者が1人ずつオープニングゲームに挑戦。オープニングゲームをクリアすれば、ゲーム開始前に先にエリア内に逃げることができたり、ハンター放出まで一定の猶予を持った状態で逃走者全員がスタートできるが、失敗した場合は、ハンターボックスからハンターが開放され即ゲームスタート。つまりハンターボックスの目の前で、逃走者が1人ずつチャレンジを行うため、失敗した逃走者は確保の危険性が非常に高くなる。
登場したゲームは下記の3タイプ。
  • ロシアンルーレット方式で、ハンターボックスに繋がっていない鎖を引き抜く「鎖引き
  • サイコロを振って、ハンター放出となる「ハンターの目」以外の目を出し続け、一定以上の数値を達成する「サイコロ
  • 指定した時間を体内時計で計測し、指定時間内に収める「体内時計
また、上記とは違う形の「オープニングゲーム」が行われた回もある。違う形の「オープニングゲーム」が行われた例として、下記に記載する。
  • 本戦スタート前にミッションを行い、制限時間内に追加ハンター放出を阻止する。
  • 本戦スタート前にミニゲームを行い、本戦スタート時のハンターの数を決定する。
「ミッション(指令)」
第2回から登場。逃走者に対して、ノルマや目標が提示され、ミッションをクリア(時間制限がある場合、時間内にクリア)できれば、「賞金単価アップ」「エリア拡大」などの特典が得られる一方、ミッションを失敗した場合には、「ハンター放出」「エリア封鎖」などのペナルティが発生する。
ミッションの内容は原則として逃走者の携帯にメールで通知される。1人でも達成可能なものから複数人による協力が必要なものまで規模は様々。また、専用のアイテムを使用する場合もあり、スタッフからの支給やエリア内で手に入れる必要がある。
ミッションは、エリアの移動や強制失格など「ゲームを続ける上でクリアが必須なミッション」を除いては任意参加となっており、動くことによる体力の消耗やハンターに見つかるリスク等を加味し、逃走者は参加・不参加を判断してもよい。ただし、指令によっては、重要な部分が隠されて通知され、実際にミッションの場所に行き、初めて詳細な説明を知ることがある。クリアするためには、体力・判断力・逃走者間の連携力やチームワークだけでなく、知識・ひらめき・運・タイミングなど様々な要素も要求される。
「通達」
第2回から登場。指令以外の本部からのメールの総称。指令同様に逃走者全員の携帯に通知される。またゲーム内の設定として、携帯が使用できない場合に放送によって通達及び指令が行われた例もある。主に「アイテムの通知」や「ハンター強制投入」など強制力のあるものや任意参加な物が総称される。
「依頼」
第16回から登場。基本的に各逃走者にはメールなどでは通知されない。エリア内のエキストラなどから直接逃走者に頼まれる。達成後の報酬などは、実行・達成するまでわからない。逃走者には知らない形でエリアドラマパートとリンクする、若しくはストーリーに大きな影響を及ぼす形で進行する場合もあり、その場合はゲーム展開に大きな影響を及ぼすことになる。
「特別戦」
状況によって、通常とは違う特殊ルールが発生することがある。ゲームを一時停止し、確保者が本戦復活を目指す「復活ゲーム」や、賞金上乗せを賭けた「ボーナスステージ・ボーナスミッション」など、ゲーム中・ゲーム後に行われるものや、参加者を2組に分け、オープニングゲームの結果で、1stステージから通しで参加するプレイヤー(先発グループ)と、2ndステージから参加するプレイヤー(シードグループ)に分けられる「2ステージ制」、同様に2組に分け、離れた2つの場所で同時にゲームに挑戦する「10周年記念ゲーム」など、ゲームルールそのものが通常と違う形をとるものとなるものもある。
「アイテム」
主にミッションなどで使用される。対応したアイテムを支給されたり、エリア内から入手することが出来る。所持者が確保された場合、「完全に消滅する」「確保地点にドロップされ、他の逃走者が拾得できる」「牢獄まで持ち込むことができ、残存者に渡すこともできる」など、ルールは回ごとに異なる。

舞台設定

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エリア

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第13回から第42回のほぼ全ての回でエリアに独自の世界観が設定されており、それに伴いゲームの内容も一部リニューアルされた。

日光江戸村・ハウステンボスなどの貸切った施設を用いた回では、「江戸の町(日光江戸村房総のむら)」「とある王国(ハウステンボス)」などの歴史・舞台背景が現代と違うものや「無人のショッピングモール(イオンレイクタウンiiasつくば)」「逃走中専用ステージ・エリア01(美浜タウンリゾート・アメリカンビレッジ)」といった設定で逃走を行うという形になり、場所や地名、建物の名前に関しても独自に設定され、エリア内には「住人」として多くのエキストラが登場する。また、一部の住人や重要人物として逃走者以外のタレントや俳優も登場し、逃走者の手助けやミッション遂行の重要人物として逃走者と接触する。住人からは上記の「頼み事」がされる事もあり、それによってアイテムの獲得や後に有利な特典を受ける事もある。また街中を使っての逃走の場合、貸切時より規模は小さいものの「特定の場所に様々な伝説や謂れがある」という設定の下、ゲームが行われる。

放送中には随時、設定と連動した「ミニドラマ」が挿入され、それに対応したミッションや通達が発動。その成否によって再びドラマが進行するという形になっている。

同じロケ地を「時代の異なる同じ場所」と扱う[注 8]事もあれば、違うロケ地を「時間が経った同じ場所」として扱う[注 9]事もある。

クロノス社

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第15回以降、「未来世界にて『クロノス社』がショーとしてゲーム放送を開催している」という設定が加えられた。当初は番組の開始・終了時やミッション発令時にその様子が映し出されるのみであったが、第22回以降は完成したハンターを使用した本格的なショーとしての開催と、ハンターを巡る陰謀劇に関するドラマが展開されるようになった。なお、第42回から第50回までは第37回から第41回の放送の際に使われたミッション発動時の映像のみが流用されており、ストーリーに進展が見られなかった。

あらすじ
  • 2011年度
西暦2500年、生存に適さない環境になった地球を脱出した人類は新たに月面を居住の地として生活をしていた。そして西暦2900年、巨大企業クロノス社月村サトシは追跡アンドロイド「ハンター」を開発。エンターテイメントショー『逃走中』を開催し、人々を熱狂させていた。
しかしその裏で「ハンターX計画」という謎の計画が進行していることが判明。月村は上司の高月ハンゾウや上級分析官の竹取カレンの協力もあり、幹部の有明リョージが計画の関係者である事と、その計画の内容が人間たちをハンターに改造する事で軍隊を形成し、月面全てのコロニーを侵略するというものであることを突き止める。そしてその首謀者がクロノス社の総裁ではないかと推測。しかし総裁の正体は竹取であった。月村は監禁され総裁に逃走中を乗っ取られるが、ハンゾウや逃走者の協力もあり脱出し竹取を拘束し逃走中を取り戻す。しかし、総裁の悪足掻きにより、月村は襲い掛かってきた鳥型ロボットの自爆に巻き込まれ瀕死の重傷を負う。
  • 2012年度
月村の治療の間、ハンゾウは自身が開発した戦闘中を開催する傍ら逃走中の開催も代行。その時、ハンゾウの元に月村宛に「逃走中アルティメット」という名のファイルが届く。治療が完了した月村は「逃走中アルティメット」が自身が計画していた過去最大スケールのゲームであることを発表。ハンゾウたちの協力もあり、逃走中アルティメットは無事成功に終わる。
  • 2013年度
月村はハンゾウたちの方針によりサポートメンバーとしてゲームマスターの候補生である青山シズカと朱月サクを迎える事となる。しかしサクはヘリオス社に移籍した有明の息がかかったスパイであり、月村をヘリオス社へ拉致する。そこで月村は有明が逃走中の開催権を奪い取り、その収益で強大な軍事国家を設立し、他のコロニーを制圧するという計画を企てている事とサクの正体を知らされる。一方、ハンゾウやシズカは逃走中の開催を代行する傍ら、捜索部隊とともに月村がヘリオス社に捕らわれていることを突き止め、救助に向かう。サクの正体もシズカによって突き止められ、ゲームエリア内にまで及んだ逃走の末サクを拘束。しかしサクによってハンターが有明の元へ転送されてしまう。そして月村は有明のレーザー攻撃によって負傷するが、ハンターの悪用を防ぐためにハンターの時限爆破装置を起動。自分の命がもうない事を悟り、シズカに逃走中を託し自身のコントローラーを用いてその場から避難させる。その後ハンターは自爆し、月村の生体反応は消滅する。
  • 2014年度
有明の計画は阻止する事に成功したが月村のいない中逃走中を開催するハンゾウとシズカ。その時、シズカは月村が以前より計画していた「10周年記念ゲーム」というプロジェクトのファイルを発見。シズカは壮大なスケールのプロジェクトを遂行できるのかどうか不安に陥るも、ハンゾウによって派遣されてきた月村の兄である如月カケルの協力もあり10周年記念ゲームを無事成功に終える。その裏で、如月は自爆したはずのハンター1号機の復元を進めており、後にミッションアンドロイドとして復活させる。
  • 2020年度
シズカが正式に逃走中ゲームマスター兼戦闘中ゲームマスターに昇格し、新型ハンターや新ゲームを用いたミッションを展開させていく。

登場人物

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全員が苗字にの文字を含む(村・高・如など)か、月に関する単語(竹取物語有明青山静かの海)になっている。

※()内は登場回

月村サトシ(第15回 - 第36回、戦闘中 第2回 - 第5回)
演:細田善彦(幼少期:鈴木福(第38・39回)[注 10]
逃走中の開発者兼ゲームマスターであるクロノス社の若き天才科学者。第15回から第21回まではフードを被って登場し、第22回で初めて素顔を明かした。第25回では逃走エリアにも出現し、この際逃走者の何人かが実際に目撃している。次第に逃走者にも認知される存在となり「逃走中アルティメット」では逃走者全員の前にモニター越しで現れた。
逃走中とは元々、サトシの亡き母が「月面の人口密度過多で子供達が遊ぶ場さえない現状を改善するため、ゲームの収益を月面コロニーの環境整備に当てる」ために考案したもので、その母の志をサトシが継いでハンターを開発。第22回にて遂に完成させてゲーム開催に至り、収益はコロニーでのエネルギー開発費の一部にも回されている。
舞台設定・ミッションや通達の発令、ハンターの起動や管理は司令室のモニターもしくは装着しているコントローラーを通して全て彼が行っている。またコントローラーはゲーム制御の端末にとどまらず、逃走エリア内への瞬間移動などの機能もある(これらは他のクロノス社員の端末機能にも搭載されている)。
自身の知らない所でハンターX計画が進行している事を知り、計画阻止のためにゲームを運営しながら計画の首謀者を捕らえるために動き出し、計画の鍵となるハンターの起動方法を巧みに隠し続けていたが、第27回にて首謀者である総裁の装置により透視されて発覚し、起動に必要なペンダントと指輪、更にはコントローラーを奪われてエリア内に監禁される。その後はハンゾウと彼の密告に応じた逃走者の助力でこの窮地を脱し、起動装置を取り返してゲームの混乱を収束させたものの、総裁である竹取が仕掛けた鳥型ロボットに襲われて瀕死の重傷を負い、その際にコントローラーも破壊された。
その後、リカバリープランにより一命を取り留め、後に新しいコントローラーを装着して復帰、自身が考えていた「逃走中アルティメット」についての構想を発表し、無事に開催して成功を収める。
アルティメット終了後はハンゾウに派遣された二人のゲームマスターに対し、上司として技術を教える役目を担う。しかし、社内の一員だったはずの警備兵に捕まって行方不明となりヘリオス社内に捕われてしまう。その事を知ったシズカが救出にやってきたが、有明の計画でハンター1号機が目の前に転送され、自身はレーザー攻撃によって深手を負う。その後、この体ではもう助からず、ゲームマスターを続ける事も不可能である事を悟り、ハンターがヘリオス社にコピーされるのを防ぐためにハンターの時限爆破装置を起動させて後をシズカに託そうとコントローラーを渡しクロノス社へと転送。自らはハンター1号機と運命を共にし、爆発と共に生体反応が無くなった[注 11]
ノベライズ本とアニメ版『グレートミッション』にもクロノス社のゲームマスターとして登場する(声 - 浪川大輔[注 12])が、設定が大きく異なる。
高月ハンゾウ(第24回 - 第40回、戦闘中 第1回 - 第7回)
演:高知東生[注 13]
戦闘中の開発者兼ゲームマスターで、エンターテイメント部門チーフで月村の上司。苗字ではなく名前で呼ばれる事が多く「ハンゾウさん」「ハンゾウチーフ」と呼ばれる。
ハンターX計画の調査や分析官の召喚などを行い、月村に協力していたが水面下ではハンターX計画とその首謀者の正体を秘密裏に探るために正体を隠して逃走エリアに潜入したり、月村の個人ネットワークに特殊な方法でアクセスしていた。この事を知った月村からはハンターX計画に関与しているという疑いを持たれていたが、第27回では首謀者である竹取に捕らわれた月村を逃走者の力を借りて救出、これまでの不審な行動理由を月村に明かし、協力して竹取を反逆罪で捕らえた。
その後は『戦闘中』ゲームマスターとして正式開催の傍ら、月村が治療を受けている間は月村のプログラムを利用し逃走中の代理ゲームマスターとしても活動。月村復帰後は「逃走中アルティメット」にも協力した。
「アルティメット」開催後は以前のような危険が月村に及ばないようにする目的及び今後のゲームの拡大化を考え、朱月サクと青山シズカの二人を月村の部下として配属させる。しかし、これが裏目となり、有明の部下である朱月サクを月村に近づけてしまうが、後にシズカの調べでサクが有明の部下である事を知り、月村の居所を調べるためにわざとサクを泳がせ監視した。月村の生死不明後はゲームマスター代行を務めたシズカのサポートや、新たなゲームマスターとして如月カケルを呼び寄せるなど再び上司として尽力している。
過去にエリア内に登場した「忍者十代目半蔵」の末裔である事が匂わされており『戦闘中』の「忍」やミッションに恐竜を登場させるなど「忍者」や「恐竜」が好きな一面がある。
青山シズカ(第33回 - 、戦闘中 第3回 - 第6回、第10回 - )
演:足立梨花
月村の部下として派遣された「クロノス・クリエイター・プラント」のゲームマスター候補生。明るいサクに対し、冷静な振る舞いで月村のゲーム運営技術を学ぼうとする。当初の衣装はショートパンツにサイハイブーツであったが、2019年に足立がイベントに出演した際には衣装の紛失などから新調され、ミニスカート・ロングブーツにリニューアル[10]、第57回からは再びリニューアルされている。
月村の消息不明後は様々なデータを元に月村の捜索を行っており、その結果サクと有明の背後関係を掴む。怒りに震えセキュリティを突破し単身でヘリオス社に侵入し月村の救出に成功するが、直後に有明に捕まってしまう。月村によるハンター1号機の時限爆破装置起動後は後を託され、月村のコントローラーにより脱出させられた。その後、月村の後を継ぐ形でゲームマスターとしてハンゾウの助力を仰ぎながら逃走中を開催、如月と10周年記念ゲーム開催後はそのサポートに周っている。
当初は月村に対しても笑顔を見せなかったが、月村拉致の真相を知り憤怒したり、ハンゾウから励まされて笑顔を見せる他、10周年記念ゲーム開催の重圧に狼狽するなど感情が豊かになっている。一方、冷静な月村に対し陽気な如月には苦手意識を見せている。また劇中の登場人物が繰り広げる物語をハッピーエンドの方向に向かわせるためのミッション考案に積極的であり、円滑なゲーム進行を重視している。
第51回から正式に3代目ゲームマスターに昇格。候補生時代とは性格が一変し悪女的な性格に豹変しており、新機能を持つハンターの投入や挑発的なメール文章の送信など、過去のゲームマスターと異なり冷酷かつ過酷なゲームプランを構成する事が多い。ただ、逃走者の人数やミッションの遂行状況によってはミッションの内容を易しくしたり、第58回でモバイルが使用できなくなった際には、臨時でエリアのスピーカーを利用してゲーム進行を補助するなどアドリブ力の向上や元々の彼女の常識的な人間性も垣間見せることもある。一方、バガンザのような陽気なタイプの人間に苦手意識を持つのは変わっていない。
戦闘中 第10回からは戦闘中のゲームマスターも兼務している。
如月カケル(第38回 - 第50回)
演:駿河太郎(幼少期:隆之介(第38・39回))
10周年記念ゲームより登場した新ゲームマスター候補であり、月村の兄。常に陽気な性格で、共にゲームマスターを担当するシズカにも明るく接しており、ミッションの発想も大胆である。このほか、生死不明となった月村の所有物と似た装置を装着している。小さい頃に自身が抱いたコロニー拡大の夢に弟が賛同した事が逃走中を生み出す原点となっており、生死不明となった弟の代わりとなってゲームを盛り上げる決意を固めている。第39回でハンター1号機を回収していた事が判明。第40回にてハンター1号機の復元に成功した。実質的には月村の後任の2代目ゲームマスターとして任務を任されている。月村と比べると性格は優しく、エリアに邪魔な存在が居ても放置したり逆に利用したりと比較的寛容な部分も多く見受けられる。第50回以降は登場していないが、ホームページの欄には残されている。
竹取カレン(第22回 - 第27回)
演:森口瑤子
上級分析官で、月村の母親の親友。ハンターX計画の秘密を明らかにするために高月に依頼され、その調査をするために月村に協力し、秘密ファイルの解析により計画内容を明らかにする。その後も逃走中のゲーム運営のサポートをしながら計画の真相究明やハンゾウの不審な行動を指摘するなど月村に協力する一方で、意味深な言動も見られる。
総裁
クロノス社の総裁(竹取曰く「常にマスクで顔を隠し、普段は一般社員になりすましている」)。第22回から通信越しに登場し、第24回にてマスクを被った姿を見せていた。
その正体は竹取であり、ハンターX計画の首謀者。社内の重要人物の一部を使って月村の失脚を狙う一方、自身も竹取として月村の味方を装って接近し、ハンゾウに疑惑を向けさせつつ、ハンターの起動方法を密かに調査していた。また、謎の鳥型ロボットを所有しており、第24回では月村に脅迫メッセージを送り、第27回のラストでは月村を直接襲撃している。
月村を捕縛した時は逃走中のゲームを乗っ取り、崩壊させる事でハンターX計画を実行に移そうとするが、月村達の逆襲に遭って反逆罪により逮捕。これがきっかけで社内のハンターX計画を行う反対勢力が一掃されたものの、全ての罪を竹取が1人で被ったため有明ら残党の罪が不問扱いになり、ライバル企業のヘリオス社に移り結果的に再起を許すことになる。
有明リョージ(第23回・第24回・第32回 - 第36回、戦闘中 第3回 - 第5回)
演:津田寛治
クロノス社の元幹部。出身であるコロニーは戦争によって滅ぼされており、それにより「力至上主義」を唱えるようになった。
ハンターX計画のためにゲームの妨害などをしていたが、月村と竹取によって居場所を分析され、警備兵に捕らえられそうになるもその攻撃を振り切って逃亡し、総裁に後を託して姿を晦ました。
竹取逮捕後は一度は逮捕されるが、竹取が全ての罪を被ったために証拠不十分で釈放される。その後、クロノス社のライバル企業であるヘリオス社の幹部に収まり、再びハンターを軍事利用すべく月村と敵対。ハンゾウが月村の部下を新たに配属させる計画に乗じる形で朱月サクをスパイとして送り込んだ。第36回でサクにより遂にハンター1号機を手に入れ、逃走中の乗っ取りに成功したかに見えたが月村によってハンターの時限爆破装置が起動されたために計画を中断し、その場から逃亡した。
初登場時はゲームを終えた月村を労う様子をみせたものの、「ハンターはあくまでゲームの駒」「収益はコロニー整備や資源開発」と平和的利用に拘るクロノス社及び月村に対し、それらの方法を「生ぬるい」「時間がかかる」と切り捨て、「ハンターの軍事利用」「収益を軍拡に充てる」なと強硬路線を取る他、部下のみならずアンドロイドであるハンター1号機に対しても思い入れを見せる月村に対し、自ら身を挺してハンター1号機を手に入れたサクのデータをすぐに削除し切り捨てるなど冷酷な一面を見せており、全てにおいて月村とは正反対の人物となっている。
望月ミレイ(第22回)
演:北川弘美
第22回に登場した月村の助手。月村との描写を見る限りでは、それなりの年月を助手として過ごしていたようである。ゲーム進行の手助けをしており、幹部Cから出世の約束と引き換えに月村失脚の指令を受けてメインサーバーから密かにゲーム妨害も行っていたが、最終的には月村に発覚し、口封じも兼ねて幹部Cによって送り込まれてきた警備兵に拘束された。
この事は月村にとって暫くの間トラウマを植え付けてしまっており、サクやシズカが派遣されてくるまで月村は助手を持つことに抵抗を感じてしまうようになり、一度ハンゾウに勧められた際には半ば慌て気味に拒否していた。結果的に、サクやシズカに関しても半分はハンゾウの勧めでもあった為、当人は再度助手を持つことには最後まで肯定的ではなかった。
水無月ユリエ(逃走中 第27回 - 第31回、戦闘中 第1回 - 第7回)
演:上原歩
第27回から登場したエンターテイメント部門所属であるハンゾウの助手。戦闘中に登場する戦闘アンドロイド「忍」の開発を担当しており、戦闘中に登場するバトルアイテムも開発している。また逃走中アルティメットの開催にも協力。候補生であったシズカに対しても親身に接するなどよき先輩としての一面も見せた。
ドクター(第28回・第29回)
演:梅宮万紗子
第28回と第29回に登場したクロノス社の医療スタッフ。第28回でハンゾウがドクターと呼んでおり、鳥型ロボットによって重傷を負った月村に対して回復治療を施した。
朱月サク(第33回 - 第36回、戦闘中 第3回 - 第5回)
演:冨浦智嗣
戦闘中第4回ラストより登場した月村の部下として派遣されたCCPのゲームマスター候補生だが、正体は有明が送り込んだヘリオス社のスパイ。有明と同じコロニーの出身で、戦争により家族など全てを失った孤児であり、自分を拾ってくれた事から有明に対し半ば洗脳と言えるレベルで心酔している。第36回でゲームマスターとしてゲームを行いつつ、ニセ逃走者を利用してハンター1号機を盗もうと企むが失敗、その後、自らが動いてハンター1号機を有明の元に送る事に成功するが、その直後にクロノス社の警備兵に拘束。同時に有明にデバイスのデータを抹消される形で切り捨てられた。シズカ曰く、実際は臆病で疑り深い性格であるとのこと。
兎川バガンザ(第59回)
演:大竹しのぶ
レジェンドゲームマスター。総裁まではいかないもののかなりの幹部クラスであると思われる。今まで登場した未来パートのドラマ出演者の中では最高齢と見られており、少なくとも壮年以上と思われる。風の制服を着用している。数々のゲームを成立させてきた「伝説のゲームマスター」として社内に語り継がれている。大晦日の大規模ゲームという事からシズカに活を入れに訪れるが、勝手にシズカに代わりゲームマスターを担当。シズカが考えたゲームプランをさらに過酷にして発令していく。しかし、「新型メダリストハンター」として用意したのがワイナイナなど年齢的なこともあるのか、知識が古い。また、思い通りに行かず周りからツッコまれると駄々をこねるように怒るなど少々面倒な性格でもあるが、それでもゲームバランスを壊さないアドリブ力やゲームの最初から伏線を張るなどレジェンドゲームマスターに相応しい力量を持つ。
若月シオン(第59回)
演:浜野謙太[注 14]
クロノス社管理部スタッフ。シルクハットに燕尾服風の制服を着用している。バガンザを案内し、ゲーム進行を見守る。
幹部A・B・C(第22回)
第22回で通信越しに登場したクロノス社幹部の三名。開催に至った逃走中のゲーム全般の評価をしており、幹部Cはミレイを通して月村の失脚を目論んでいた。
ハンター1号機(01KR)(パイロット版 - 第36回、第39回 - 第41回[注 15]
演:笠原竜司[注 16]
第22回(ドラマ上では第1回)のゲーム前に月村が完成させた最初のハンター。月村がゲームマスターである事をメモリーしており、この点で他のハンターと区別されているが、ゲーム内では他のハンターとは特に区別されていない。第36回のゲーム途中にサクらによってヘリオス社に転送されるが、レーザー銃から月村を守る為に有明の攻撃を受ける。その後はヘリオス社に盗用されるのを阻止する為に月村が起動させた時限爆破装置によって爆発したが、第39回にて回収されたものが如月の手で修理されている事が判明し、第40回にて修復が完了した。
ミッションアンドロイド
第40回にて修復が終わったハンター1号機が、第41回で如月によって装甲を着けられたもの。全身をアーマーで覆い、フルフェイスのヘルメットを被っている。名前の通り、ハンターとしての運用ではなくミッション等に関わる形で使われる。ゲーム内で暴れた江頭2:50をエリアから追放する際にも使用された。
エキストラ112・113(第22回)
演:カナリア安達健太郎ボン溝黒
第22回にて月村の操作によりエリアに出現した一般客のエキストラの内の2人。しかし、月村の失脚の指令を受けたミレイの操作によってエリア内で「一部の逃走者のモバイルを使用不可にさせる」、「封鎖エリアから一部のハンターをエリアに流出させる」等のゲームの妨害を行ったが、最終的には月村によって消去された。
千鳥大悟ノブ)(第52回)
演:本人[注 17]
千鳥のクセがスゴいネタGP』とのコラボで登場し、「富裕層のVIP」としてスタジアムのVIPルームにてゲームの様子を観戦しつつ所々でゲームの展開や逃走者の言動にコメントしていた。
警備兵(第22回~第36回、戦闘中 第4回)
クロノス社の警備を務めている。社内で不正を行っていたミレイやサクなどを拘束した。一方で、竹取や有明の息がかかった者もおり、月村を拘束したり、ハンゾウを追跡したりした。月村曰く標的となった者は他者からの助けなくしての逃亡は不可能であるらしく、捕捉能力は非常に高いということがうかがえる(ただし有明のみなぜか取り逃がしてしまっており、これは前述の事から有明を逃がすための演技、もしくは他の警備兵に襲撃されたものと思われる)。またヘリオス社にも同様の警備兵がおり、クロノス社の警備兵に変装して月村を拘束した。
クロノス(第61回)
演:秋山竜次ロバート
クロノス社が開発した最新AIロボット。シズカの呼びかけに立体ホログラムとして現れ、シズカにゲーム進行の助言を送る。

劇中用語

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クロノス社
月面世界における一大エンターテイメント企業。『逃走中』や『戦闘中』を開催し、その模様を「スタディオン」と呼ばれるスタジアムや外部モニターによって放映し収益を得ている(作中ではオッズ表らしきものも確認されており、公営ギャンブル的な要素も持ち合わせていると思われる)。一方、収益金を月面コロニーの整備やエネルギー資源の開発に充てるなど社会的企業の一面も持ち合わせている。また、後述するCCPを運営するなどゲームマスター候補生の育成にも取り組んでいる。
社内ではメインとなるゲーム運営を主体とした「エンターテイメント部門」の他、アンドロイドの開発を行う「開発部門」、負傷の際の治療を行う「医療部門」、「エリア開発部」、「管理部」など複数のセクションに分かれている。
ハンター(ドラマ上の設定)
月村の母が構想し、月村が開発したアンドロイド。量産されており「01KR」「02NN」「06TT」「10HM」等といったように「数字2桁+アルファベット2文字」のコードネームで管理されている。起動するためには月村が持つペンダントと指輪を接触させる必要があり、総裁の解析によって発見されるまで月村以外は誰も知らなかった。総裁や有明が月村を執拗に狙っていたのも、この「ハンターの起動方法」を探ろうとしたためである。
逃走者全員の顔がサングラスに記録されており、一般人を誤って追跡・確保しないようになっている(ダミーハンターが逃走者を追わないのも、サングラスに逃走者の情報を記録していないため)。マイナス239℃以下で機能停止する設定があり、実際に冷凍銃などを用いて凍結させるミッションが登場している。
実験段階の時点で既に軍事利用が視野に入れられており、月村は純粋なゲームの駒として取り扱っているが、総裁である竹取や一部の幹部(有明など)は軍事目的に使うハンターX計画を企てていた。これは、ハンターの人工知能を10万人に移植し完全コントロール化を可能にして軍隊を作る事で、他のコロニーを侵略し月面の人口密度過多を解決するのが目的である。
逃走中アルティメット
月村によって計画された究極の逃走中であり番組でのサブタイトルとしては初めてドラマ内でも語られた名称である。第28回にて名称が判明し、第29回からその一部が明らかになり、その後第31回・第32回で開催に至った。ハンターX計画の失敗により逃走中開催反対派が一掃され、実行が可能になった。逃走中の核となる「時間の長さ(130分+アルティメットルールによる実質無制限)」「エリアの広さ(延床面積を含め過去最大)」「賞金額(過去最高賞金)」「ハンターの数(過去最多のハンターを投入)」「逃走者の数(30人)」を極限まで引き上げている。
また出場条件として「逃走成功者・自首成立者・あと一歩で逃走成功だった者(ゲーム残り時間5分以内で確保された者)・ミッション経験者(冷凍銃使用者・復活経験者)」といった「過去に参戦した経験を持つ者」に加え「注目すべき特徴のある新規参加者」が参加。またアンドロイドは従来の「ハンター」に加え、『戦闘中』のアンドロイド「忍」が投入された。
CCP(クロノス・クリエイター・プラント)
ゲームマスターを養成するための機関。戦闘中第4回のラストでその存在が明らかにされた。その中でトップクラスの実力を持つ朱月サクと青山シズカを、月村をサポートするための部下として送り込んだ。
ヘリオス社
クロノス社のライバル企業。同じような高さの社屋を持ち、クロノス社の司令室からも見る事が出来る。クロノス社から逃れた有明が幹部として収まっており、失敗に終わった「ハンターX計画」に続く次の手としてサクを使い、ハンターを含め逃走中を奪い取り、その収益を軍拡費用に当てエネルギー戦争に備えようとしていた。また「複製技術」が得意なようで、ニセ逃走者が絡んだ回ではコピー技術を使い「ニセ逃走者のダミー」を大量に作り出している。
10周年記念ゲーム(ドラマ上の設定)
月村が計画していた、逃走中の(現実における)10周年を記念したゲーム。第37回のラストでシズカの手により存在が明らかとなり、どのようなゲーム内容を予定していたのかシズカが解読を進めた結果、戦闘中第7回のラストで解読に成功。第38回と第39回に今までの逃走中とは違うルールとして、2つのエリアで同時に開催された。

放送リスト

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放送日時は全てフジテレビ・BSフジ・Netflixいずれかでの初回放送・配信時の日程。