キクムグラ

アカネ科の種

キクムグラ(菊葎、学名Galium kikumugura)は、アカネ科アカネ亜科ヤエムグラ属多年草[2][3][4]

キクムグラ
栃木県日光市 2020年7月上旬
分類APG IV
: 植物界 Plantae
階級なし : 被子植物 Angiosperms
階級なし : 真正双子葉類 Eudicots
階級なし : キク上類 Superasterids
階級なし : キク類 Asterids
階級なし : シソ類 Lamiids
: リンドウ目 Boraginales
: アカネ科 Rubiaceae
亜科 : アカネ亜科 Rubioideae
: ヤエムグラ属 Galium
: キクムグラ G. kikumugura
学名
Galium kikumugura Ohwi[1]
和名
キクムグラ(菊葎)[2]

特徴

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は下部は横に広がって地面を這い、斜上し、長さは20-40cmになる。茎は細く、4稜があり、無毛である。は4個が輪生し、各輪が隔たって茎につく。まれに5個つくことがある。葉身は長さ6-15mm、幅3-8mm、楕円形または狭倒卵形で、先は円頭凸端、基部はくさび形になり、縁および表面の縁ちかくにのみ上向きの剛毛が生える。輪生する葉は、対生する本来の2個の葉と、残りの2個の、葉と同形の托葉となる[2][3][4]

花期は5-6月。枝先と葉腋から花序をだし、1-3個の白色のをつける。花柄は細く、長さ5mmになるものから無柄のものまであり、その基部には披針形の1個の目立つ苞葉がある。萼片は鐘形になり、鉤状の短毛が密生する。花冠は杯形で、径1mm、先は4深裂する。雄蕊は4個あり、子房は2室に分かれ、各室に1個の胚珠がある。果実は2個の分果からなり、各分果に1個の種子がある。分果は楕円形で、表面は鉤状の短毛が密生する[2][3][4]

分布と生育環境

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日本固有種[5]。北海道、本州、四国、九州に分布し、山地の林縁などに生育する[2][3][4]

名前の由来

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和名キクムグラは「菊葎」の意[2]。この名は古くからあるといわれ、葉のようすを見立てたものという[4]。ムグラ(葎)は、草むら、藪の意味がある[6]

種小名(種形容語)kikumugura は、「キクムグラ」のこと。大井次三郎 (1937) による命名で、本種の学名 G. brachypodion Maxim. (1874) は、別種の学名 G. brachypodum Jord. (1846) と重複するので改名する必要があるとされた[7]

なお、The Plant List[8] や Tropicos[9] では、学名の綴りが Galium kikumuyura、"gura" ではなく、"yura" とされている。

ギャラリー

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脚注

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  1. ^ キクムグラ「BG Plants 和名−学名インデックス」(YList)
  2. ^ a b c d e f 『山溪ハンディ図鑑2 山に咲く花(増補改訂新版)』p.390
  3. ^ a b c d 内貴章世 (2017)「アカネ科」『改訂新版 日本の野生植物 4』p.275
  4. ^ a b c d e 『新分類 牧野日本植物図鑑』p.973
  5. ^ 『日本の固有植物』p.119
  6. ^ 『山溪名前図鑑 野草の名前 春』pp.324-325
  7. ^ Galium kikumugura Ohwi, (1937), Acta Phytotaxonomica et Geobotanica『植物分類及植物地理』, Vol.6, No.3, p.149,152, (1937).
  8. ^ Galium kikumuyura, The Plant List
  9. ^ Galium kikumuyura, Tropicos

参考文献

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