カルバミン酸メチル
カルバミン酸メチル(カルバミンさんメチル、英: Methyl carbamate)は化学式C2H5NO2で表される有機化合物。最も簡単なカルバミン酸のエステルである。
カルバミン酸メチル Methyl carbamate | |
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Methyl carbamate | |
識別情報 | |
CAS登録番号 | 598-55-0 |
PubChem | 11722 |
ChemSpider | 11229 |
KEGG | C19445 |
ChEMBL | CHEMBL1085707 |
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特性 | |
化学式 | C2H5NO2 |
モル質量 | 75 g/mol |
融点 |
52 °C, 325 K, 126 °F |
沸点 |
177 °C, 450 K, 351 °F |
関連する物質 | |
関連物質 | ウレタン カルバミン酸 カルバミン酸エチル |
特記なき場合、データは常温 (25 °C)・常圧 (100 kPa) におけるものである。 |
製法
編集アンモニアとクロロギ酸メチルまたは炭酸ジメチルとを反応させて得られる。アメリカ合衆国特許2834799号によると、三フッ化ホウ素を使い尿素とメタノールを反応させることによっても得られる。天然には、二炭酸ジメチルとともにワインから検出された[1]。
安全性
編集カルバミン酸エチルと異なり、サルモネラ菌に対する変異原性は持たない(エームズ試験では陰性であった)が、ショウジョウバエに対しては変異原性がみられた[2]。動物実験により、ラットに対しては発癌性が認められるがマウスに対しての発癌性は確認されなかった[3]。
用途
編集繊維産業において、ポリエステルと綿の混紡織物のプレス仕上げに用いられる[4]。
誘導体のN-メチルカルバミン酸-2-(1-メチルプロピル)フェニルは分解性を持つコリンエステラーゼ阻害剤として、殺虫剤として使用される[5]。
脚注
編集- ^ Inchem.org
- ^ P. Foureman, J.M. Mason, R. Valencia and S. Zimmering, Environ. Mol. Mutagen., 1994, 23 (1), 51 - 63.
- ^ OEHHA
- ^ National Toxocology Program
- ^ National Pesticide Information Center at Oregon State University