カリン(花梨、花林、花櫚、学名:Pterocarpus indicus)は、マメ科シタン属広葉樹。別名インドシタンインドカリン

カリン
カリン
保全状況評価[1]
絶滅危惧IA類環境省レッドリスト
ENDANGERED (IUCN Red List Ver. 3.1 (2001))
分類APG III
: 植物界 Plantae
階級なし : 被子植物 angiosperms
階級なし : 真正双子葉類 eudicots
階級なし : コア真正双子葉類 core eudicots
階級なし : バラ類 rosids
階級なし : マメ類 fabids
: マメ目 Fabales
: マメ科 Fabaceae
亜科 : マメ亜科 Faboideae
: ツルサイカチ連 Dalbergieae
: インドカリン属 Pterocarpus
: カリン P. indicus
学名
Pterocarpus indicus Willd.
和名
カリン
英名
Burmese rosewood
Narra
Angsana
Pashu Padauk
Malay Paduak
New Guinea Rosewood

庭木として知られるバラ科カリンとは全くの別種。八重山諸島に分布するヤエヤマシタンPterocarpus vidalianus(八重山紫檀)とは近縁種である。

特徴

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タイミャンマーなどの東南アジアからフィリピンニューギニアの熱帯雨林に自生する。

日本では八重山諸島が北限。金木犀に似たオレンジ色の小さな花が密集して咲く。芳香があるが、花期は短く1-2日。東南アジアの緑化や街路樹や公園に好んで使用される。シンガポールのメインストリートであるオーチャード通りやバンコクホーチミンクアラルンプールなどでも多く見られる。

フィリピンの国樹であり、タイのチョンブリー県プーケット県の県樹である。

フィリピン名ではナーラ(ナラ; narra)、ミャンマーではバダウッビルマ語: ပိတောက်IPA: [bədaʊʔ]; 後述のビルマカリンのことも指し、英語に padauk として借用される)、マレーシアではセナsena)、パプアニューギニアではニューギニアローズウッド(New Guinea rosewood)、インドネシアではソノクンバン(sonokembang)[2]あるいはアンサナangsana)と呼ばれる。

ビルマカリン: Burma padauk; 学名: Pterocarpus macrocarpus)やアフリカンパドゥク: African padauk; 学名: Pterocarpus soyauxii)とも近縁種。

用途

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カリン材

古くから唐木細工に使用される銘木。心材は黄色がかった紅褐色から桃色がかった暗褐色。木材にはバラの香りがあり、赤色染料が取れる。木材を削り、試験管に入れて水を注ぎ、これを太陽にかざすと、美しい蛍光を出す。

家具仏壇床柱床框装飾楽器ブラシなどに使われる。シタンに似ており、代用材としても使われる。16世紀から18世紀のヨーロッパでは利尿薬として飲まれた。

保全の現状

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材木として利用されるために伐採が続いており、違法な伐採が行われている地域もある。また、開発により自生地の環境が脅かされている。ベトナムの個体群は300年前に絶滅し、スリランカで行われた大規模な調査では本種は見つからなかった。マレー半島の個体群は絶滅した可能性が高い。インド、インドネシア、フィリピンの個体群も減少している。ニューギニアに残る本種最大の個体群も、深刻な伐採にさらされている。国際自然保護連合レッドリストでは絶滅危惧にランクされている。

ヤエヤマシタンも伐採が進み、現在、絶滅危惧IA類に指定されている。

脚注

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  1. ^ Barstow, M. (2018). Pterocarpus indicus. The IUCN Red List of Threatened Species 2018: e.T33241A2835450. doi:10.2305/IUCN.UK.2018-2.RLTS.T33241A2835450.en. Downloaded on 17 February 2020.
  2. ^ 熱帯植物研究会 編 編『熱帯植物要覧』(第4版)養賢堂、1996年、199頁。ISBN 4-924395-03-X