ヤエヤマシタン
マメ科の植物の一種
ヤエヤマシタン(八重山紫檀[1]、学名:Pterocarpus vidalianus[2])はマメ科インドカリン属(またはシタン属)の落葉高木。環境省及び沖縄県絶滅危惧IA類[3]。昭和30年12月16日に琉球政府の天然記念物に、昭和47年5月15日の沖縄復帰時に国の天然記念物に指定された[4]。
ヤエヤマシタン | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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ヤエヤマシタンの花
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保全状況評価 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||
絶滅危惧IA類(環境省レッドリスト) | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||
分類(APG IV) | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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学名 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||
Pterocarpus vidalianus Rolfe | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||
シノニム | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||
Pterocarpus indicus auct. non Willd. |
特徴
編集高さ15–25m、幹径50–90cm。葉は奇数羽状複葉で長さ15–30cm、小葉は全縁、卵形~楕円形で先端が尾状に尖り、側小葉は3–5対で顕著に互生する。花は黄色で芳香があり、長さ約15mmで、長さ10cmほどの総状花序または円錐花序となり、初夏に開花する。豆果は褐色の円盤形で直径4–5.5cmほど、周囲に広い翼をもち、中央に5mmほどの刺を散生し、中に赤色の種子を1個もつ[4][5][1]。
インドシタンP. indicusと同種[4]あるいはインドシタンの品種ヤエヤマシタンP. indicus f. echinatus[6]とされることもあるが、本種は豆果中央部に刺が生える点でインドシタンとは異なる[1]。
分布と生育環境
編集自生個体は沖縄県石垣島にごく稀産。石垣市平久保のヤエヤマシタン自生地として国の天然記念物に[7]、また野底の自生地は石垣市天然記念物に[8]それぞれ指定されている。この他、植栽木は沖縄県内各地の公園などにみられる。国外ではフィリピンに分布[1]。
利用
編集庭園樹[5]、公園樹。唐木の一種とされる。辺材は淡黄白色、心材は紅褐色で、高級装飾用材・家具材[4]や建材用として乱伐され、著しく減少した[1]。
脚注
編集- ^ a b c d e (大川 & 林 2016, p. 105)
- ^ (米倉 & 梶田 2003)
- ^ (沖縄県環境部自然保護課 2018, p. 191)
- ^ a b c d (天野 1982, p. 57)
- ^ a b (池原 1989, p. 253)
- ^ (大橋 2021, p. 475)
- ^ “石垣島平久保のヤエヤマシタン自生地”. 官報 号外 第39号11頁 (2024年2月21日). 2024年4月29日閲覧。
- ^ “野底のヤエヤマシタン自生地”. 沖縄県石垣市. 2024年4月29日閲覧。
参考文献
編集- 米倉浩司・梶田忠 (2003年). “ヤエヤマシタン Pterocarpus vidalianus Rolfe”. BG Plants 和名−学名インデックス(YList). http://ylist.info/. 2024年4月19日閲覧。
- 大川智史; 林将之『ネイチャーガイド 琉球の樹木 奄美・沖縄~八重山の亜熱帯植物図鑑』文一総合出版、東京都新宿区、2016年。ISBN 9784829984024。
- 天野鉄夫『琉球列島有用樹木誌』琉球列島有用樹木誌刊行会、那覇市、1982年。 ※シタン(ヤエヤマシタン)P. indicusと記述
- 大橋広好 著「シタン属 1.ヤエヤマシタン」、大橋広好・門田裕一・木原浩・邑田仁・米倉浩司 編『フィールド版改訂新版 日本の野生植物 1巻』平凡社、2021年。ISBN 9784582535389。※ヤエヤマシタンP. indicus f. echinatusと記述
- 池原直樹『沖縄植物野外活用図鑑』新星図書出版、沖縄県浦添市、1989年。 ※ヤエヤマシタンP. indicusと記述
- 日本のレッドデータ検索システム
- 沖縄県環境部自然保護課「ヤエヤマシタン」『改訂・沖縄県の絶滅のおそれのある野生生物(レッドデータおきなわ)第3版-菌類編・植物編-』沖縄県、2018年 。
- 平久保のヤエヤマシタン 文化庁 国指定文化財等データベース
- 野底のヤエヤマシタン自生地 石垣市ウェブサイト
外部リンク
編集- ヤエヤマシタン 日本のレッドデータ検索システム