カセキイチョウ属
カセキイチョウ属(または、ギンゴイテス、学名:Ginkgoites)は、裸子植物イチョウ綱に属する化石植物である。上部石炭紀にすでに現れ、中生代を通じて生息し、ジュラ紀に最盛期に達した。
カセキイチョウ属 | ||||||||||||||||||
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テガタカセキイチョウ G. digitataの
葉の化石 | ||||||||||||||||||
地質時代 | ||||||||||||||||||
三畳紀 - 白亜紀 | ||||||||||||||||||
分類 | ||||||||||||||||||
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学名 | ||||||||||||||||||
Ginkgoites Seward, 1919 | ||||||||||||||||||
和名 | ||||||||||||||||||
カセキイチョウ属 (ギンゴイテス) | ||||||||||||||||||
英名 | ||||||||||||||||||
Ginkgoites | ||||||||||||||||||
種 | ||||||||||||||||||
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特徴
編集葉柄が比較的長く、葉身の外形は半円状で二叉分裂しているものが多い。表皮は両面とも極めて厚く、上面にもわずかながら気孔が分布する。バイエラ属との区別は明確ではなく、形態的には重複する点が多い。上面の表皮細胞はほぼ等形で、細胞壁は直線状であり、乳頭状突起は見られない。下面では脈の間に数多くの気孔が分布する。表皮細胞の形は上面のものとほぼ同形であるが、乳頭状突起がある。気孔は4〜7個の厚く角皮化した副細胞に囲まれる。副細胞には乳頭状突起があり、開口部を覆う。孔辺細胞は、開口部に沿う部分を除き薄く角皮化し、かなり沈む。表皮細胞や気孔の形態と分布は種によってある程度の相違が認められる。シベリアの上部ジュラ紀の地層から発見された本属の葉の形や生殖器官の構造は、現生種であるイチョウ(Ginkgo biloba)に類似するものもある。
主な種
編集- Ginkgoites digitata var. huttoni Seward (三畳紀、白亜紀前期)
- テガタカセキイチョウ Ginkgoites digitata (Brongniart) Seward[2](ジュラ紀後期〜白亜紀前期)
- Ginkgoites sibirica (Heer) Seward(三畳紀〜白亜紀前期)
- Ginkgoites pseudoadiontoides (Hollick) Florin(白亜紀後期)
関連項目
編集脚注
編集- ^ 巌佐庸・倉谷滋・斉藤成也・塚谷裕一『岩波 生物学事典 第5版』岩波書店、2013年2月26日。ISBN 978-4-0008-0314-4。
- ^ 産総研 地質調査総合センター 地質標本館. “テガタカセキイチョウ(地質標本鑑賞会)”. (独)産業技術総合研究所. 2013年11月3日閲覧。
参照文献
編集- 木村達明『古生物学4』朝倉書店、1978年4月。ISBN 978-4-2541-6212-7。
- 遠藤隆次『植物化石図譜』朝倉書店、1966年4月30日。ISBN 978-4254162271。