カシオペヤ座ζ星は、カシオペヤ座にある4等星恒星である。

カシオペヤ座ζ星[1]
zeta Cassiopeiae
仮符号・別名 附路[2] (Fulu[3])
星座 カシオペヤ座
見かけの等級 (mv) 3.66[1]
3.59 - 3.68(変光)[4]
変光星型 疑わしい[4]
位置
元期:J2000.0[1]
赤経 (RA, α)  00h 36m 58.28419s[1]
赤緯 (Dec, δ) +53° 53′ 48.8673″[1]
赤方偏移 -0.000001[1]
視線速度 (Rv) -0.20 km/s[1]
固有運動 (μ) 赤経: 17.38 ミリ秒/年[1]
赤緯: -9.86 ミリ秒/年[1]
年周視差 (π) 5.50 ± 0.16ミリ秒[1]
(誤差2.9%)
距離 590 ± 20 光年[注 1]
(182 ± 5 パーセク[注 1]
絶対等級 (MV) -2.8[注 2]
絶対等級 (MV) -2.6[注 3]
ζ星の位置
物理的性質
半径 5.9 ± 0.7 R[5]
質量 8.3 ± 0.6 M[5]
表面重力 3.81 ± 0.11 cm/s2 (log g)[5]
自転速度 17 ± 3 km/s[5]
自転周期 5.37045 ± 0.00008 [5]
スペクトル分類 B2IV [1], B2Ⅴ[6]
光度 3,800 - 7,940 L[5]
表面温度 20,426 ± 850 K[5]
色指数 (B-V) -0.20[7]
色指数 (U-B) -0.87[7]
色指数 (R-I) -0.21[7]
年齢 約19×106[6]
他のカタログでの名称
カシオペヤ座37番星[1],
BD +53 105[1],
FK5 17[1],
HD 3360[1]
HIP 2920[1], HR 153[1],
NSV 225[1],
SAO 21566[1]
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特徴

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天の川銀河星間物質の影響を受けて0.13等ほど暗く見えているとされる[6]スペクトル分類ではB2IVとされているが、準巨星ではなく水素核融合で輝く主系列星であり、恒星進化論に拠れば、2,500万年ほどの主系列星の期間のおよそ4分の3を過ぎた辺りと見られる[6]ネオン酸素からなる白色矮星となるか、超新星爆発を起こすかの境目辺りの質量を持つ[6]

名称

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学名はζ Cassiopeiae(略称はζ Cas)。固有名の附路[8] (Fulu[3]) は、古代中国の天文学において二十八宿の1つの奎宿という星宿に含まれる星官である。「附路」は、宮殿と宮殿をつなぐ渡り廊下(閣道)の南側に作られた脇道のことである[9]。2017年6月30日、国際天文学連合の恒星の固有名に関するワーキンググループは、Fulu をカシオペヤ座ζ星の固有名として正式に承認した[3]

脚注

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注釈

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  1. ^ a b パーセクは1 ÷ 年周視差(秒)より計算、光年は1÷年周視差(秒)×3.2615638より計算
  2. ^ 星間物質の影響(0.13等級の減光)を取り除いて計算した場合。
  3. ^ 視等級 + 5 + 5×log(年周視差(秒))より計算。小数第1位まで表記

出典

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  1. ^ a b c d e f g h i j k l m n o p q r s SIMBAD Astronomical Database”. Results for zet Cas. 2017年7月30日閲覧。
  2. ^ 大崎正次 1987, p. 334.
  3. ^ a b c IAU Catalog of Star Names”. 国際天文学連合. 2017年7月30日閲覧。
  4. ^ a b Result for NSV 225”. Combined General Catalogue of Variable Stars. 2017年7月30日閲覧。
  5. ^ a b c d e f g Neiner, C. et al. (2003). “Discovery of a magnetic field in the Slowly Pulsating B star ζ Cassiopeiae”. Astronomy & Astrophysics 406 (3): 1019-1031. Bibcode2003A&A...406.1019N. doi:10.1051/0004-6361:20030742. ISSN 0004-6361. 
  6. ^ a b c d e Jim Kaler. “Zera Cas”. 2017年7月30日閲覧。
  7. ^ a b c 輝星星表第5版
  8. ^ 大崎正次 1987, p. 325.
  9. ^ 大崎正次 1987, p. 185.

参考文献

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