オノラ・オニール
オノラ・シルヴィア・オニール CH CBE HonFRS FBA FMedSci MRIA(Onora Sylvia O'Neill, 称号: Baroness O'Neill of Bengarve[1], 1941年8月23日[1] - )は、イギリスの哲学者・政治家。ケンブリッジ大学名誉教授[2]。王立学会名誉フェロー。英国学士院元会長[1]。英国貴族院議員[1]。
Onora O'Neill CH CBE HonFRS FBA FMedSci MRIA | |
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個人情報 | |
生誕 | Onora Sylvia O'Neill 1941年8月23日(83歳) イギリス 北アイルランド Aughafatten |
出身校 | オックスフォード大学、ハーバード大学 |
職業 | ケンブリッジ大学名誉教授、貴族院議員 |
受賞 | ホルベア賞、バーグルエン賞 |
研究テーマは、カント、倫理学、政治哲学、正義論、グローバル・ジャスティス、生命倫理、信頼[1]、利他主義[3]など。博士課程指導教授はジョン・ロールズ[1]。
人物
編集1941年北アイルランドに生まれる[1]。外交官の父ダグラス・ウォルター・オニールの仕事の関係でドイツで幼少期を過ごす[1]。帰国しロンドンのセント・ポール女学院を経て、オックスフォード大学サマーヴィル・カレッジに入学[1]。当初は歴史学を専攻していたが、哲学を志すようになり、同カレッジのエリザベス・アンスコムの支援のもと専攻をPPPに変更する[1]。卒業後、渡米しハーバード大学でジョン・ロールズやロバート・ノージックの教えを受け、ロールズの指導のもと博士号を取得する[1]。
教育者としては、ニューヨークのバーナード・カレッジ(当時はコロンビア大学の女子カレッジ)で教鞭をとった後、1977年に帰国してエセックス大学教授、1992年からケンブリッジ大学教授となり、また同年から2006年までニューナム・カレッジ学寮長を兼任[1]。退職後はケンブリッジ大学名誉教授となる[1]。
社会活動としては、アリストテレス協会会長(1988年 - 1989年)、英国遺伝子諮問委員会議長代理[1](1996年 - 1999年)、ナフィールド生命倫理委員会議長[1](1996年 - 1998年)、ナフィールド財団理事[1](1998年 - 2010年)、イギリス哲学会初代会長[1](2004年 - 2006年)、英国学士院会長[1](2005年 - 2009年)、平等および人権委員会議長[1](2013年 - 2016年)といった要職を歴任する。2001年のギフォード講義、2002年のBBCリース講義、2013年のTED[4]などでは、「信頼」をテーマに講義した[1]。
政治家としては、1999年トニー・ブレア首相による貴族院改革により、一代貴族に叙爵され(Baroness O'Neill of Bengarve)、終身の無所属議員(中立派のクロスベンチャー)となる[1]。
栄典としては、大英帝国勲章(CBE)をはじめ複数の受勲がある[1]。2017年にはホルベア賞とバーグルエン賞を受賞した。
著作(日本語訳)
編集単著
編集- 『正義の境界』神島裕子訳、みすず書房、2016年。ISBN 9784622079552。
- 『理性の構成 カント実践哲学の探究』加藤泰史監訳、法政大学出版局〈叢書・ウニベルシタス〉、2020年。ISBN 9784588011245
- 『正義と徳を求めて 実践理性の構成主義的説明』髙宮正貴・鈴木宏・櫛桁祐哉訳、法政大学出版局〈叢書・ウニベルシタス〉、2024年。ISBN 9784588011702
その他
編集- 「子どもの権利と子どもの生」大江洋訳、『現代思想』青土社、24巻7号、1996年。
- 「緒言」『義務とアイデンティティの倫理学 規範性の源泉』クリスティーン・コースガード著、寺田俊郎;三谷尚澄;後藤正英;竹山重光訳、岩波書店、2005年。ISBN 9784000225397
- 「〔訳出〕オニール,オノラ(2002)『信頼をめぐる問い:BBC リース講義2002』ケンブリッジ大学出版局」石川伸子訳、『学習院大学大学院政治学研究科政治学論集』31号、2018年。NAID 120006461010
脚注
編集- ^ a b c d e f g h i j k l m n o p q r s t u v オノラ・オニール著、神島裕子訳『正義の境界』みすず書房、2016年。ISBN 978-4-622-07955-2。「訳者あとがき」253-258頁。
- ^ “オノラ・オニール”. みすず書房. 2022年12月15日閲覧。
- ^ マイケル・E・マカロー 著、的場知之 訳『親切の人類史 ヒトはいかにして利他の心を獲得したか』みすず書房、2022年。ISBN 978-4-622-09567-5。294頁。
- ^ オノラ・オニール (2013-09-25), 信頼について理解しなければならないこと 2022年12月16日閲覧。