オオレイジンソウ
オオレイジンソウ(大伶人草、学名:Aconitum iinumae[1])は、キンポウゲ科トリカブト属の多年草[4][5][6][7]。
オオレイジンソウ | |||||||||||||||||||||
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分類(APG IV) | |||||||||||||||||||||
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学名 | |||||||||||||||||||||
Aconitum iinumae Kadota (2014)[1] | |||||||||||||||||||||
シノニム | |||||||||||||||||||||
和名 | |||||||||||||||||||||
オオレイジンソウ(大伶人草)[4] |
特徴
編集地下の根茎は塊根をつくらないで垂直に伸びる。茎は直立して、高さ50-100cmになり、茎の上部や花柄には曲がった毛が生える。長い葉柄がある根出葉は直径20cmの大型になり、7-9中裂し、裂片はさらに浅裂し、裂片の先はとがる。根出葉は花時にも残る[4][5][6][7]。
花期は7-8月。茎先に長さ約30cmになる細長い総状花序をつけ、淡黄色の花を多数つけ、下側から咲く。かぶと状の花弁にみえるのは萼片であり5枚あり、1個の花の高さは2.5-3cmになる。花弁は頂萼片の内側にかくれ、花弁の身部は長さ8mm以上あり、花弁の距は長さ4mm以上に伸び、距の先が著しく内側に曲がる。雄蕊に毛は無い[4][5][6][7]。
分布と生育環境
編集日本では、本州の中部地方以北(福井県以東の日本海側山地)に分布し、亜高山帯から高山帯、ときに山地帯の湿った草地、林縁などに生育する[4][6][8]。
名前の由来
編集和名オオレイジンソウ(大伶人草)の「伶人」とは、かぶと状の花の形が舞楽の奏者である伶人(れいじん)が被る冠に似ていること、また同属のレイジンソウ(伶人草、学名:Aconitum loczyanum )より全体に大きいことによる[5][6][9]。
種小名(種形容語)iinumae は、江戸時代の本草学者、飯沼慾斎への献名。本種は、エゾレイジンソウ Aconitum gigas の変種として扱われてきたが、門田裕一 (2014) の研究によって、エゾレイジンソウと本種はそれぞれ独立種とされた。Aconitum gigas の変種名 var. hondoense を種の階級に上げて種小名として組み替えると、「ミタケウズ」 Aconitum hondoense Nakai (1920)(=Aconitum mitakense Nakai (1920))と同名となってしまう[注釈 1]ことから、門田 (2014) は、「レイジンソウ」を「草木図説」において最初に記録した飯沼を記念した Aconitum iinumae とした[8][10][11]。
ギャラリー
編集-
各萼片の先は緑色を帯びる。
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根出葉。
脚注
編集注釈
編集出典
編集- ^ a b オオレイジンソウ 「BG Plants 和名−学名インデックス」(YList)
- ^ オオレイジンソウ(シノニム) 「BG Plants 和名−学名インデックス」(YList)
- ^ オオレイジンソウ(シノニム) 「BG Plants 和名−学名インデックス」(YList)
- ^ a b c d e 『山溪ハンディ図鑑2 山に咲く花(増補改訂新版)』p.216
- ^ a b c d 田村道夫 (1982) 『日本の野生植物 草本II離弁花類』「キンポウゲ科」p.63
- ^ a b c d e 『新牧野日本植物圖鑑』p.135
- ^ a b c 『山溪ハンディ図鑑8 高山に咲く花』pp.334-335
- ^ a b 門田裕一 (2016)『改訂新版 日本の野生植物 2』「キンポウゲ科」p.123
- ^ 『山溪名前図鑑 野草の名前 夏』p.67
- ^ a b 門田裕一:「オオレイジンソウ(キンポウゲ科)の新学名」,The Journal of Japanese Botany,『植物研究雑誌』, Vol.89, No.4, pp.253-258, (2014).
- ^ Takenoshin Nakai, Notulæ ad Plantas Japoniæ et Koreæ, XXII, The botanical magazine, 『植物学雑誌』,Vol.34, No.400, p.en41 (1920).
参考文献
編集- 佐竹義輔・大井次三郎・北村四郎他編『日本の野生植物 草本II離弁花類』、1982年、平凡社
- 清水建美、木原浩『山溪ハンディ図鑑8 高山に咲く花』、2002年、山と溪谷社
- 高橋勝雄『山溪名前図鑑 野草の名前 夏』、2003年、山と溪谷社
- 牧野富太郎原著、大橋広好・邑田仁・岩槻邦男編『新牧野日本植物圖鑑』、2008年、北隆館
- 門田裕一監修、永田芳男写真、畔上能力編『山溪ハンディ図鑑2 山に咲く花(増補改訂新版)』、2013年、山と溪谷社
- 大橋広好・門田裕一・木原浩他編『改訂新版 日本の野生植物 2』、2016年、平凡社
- 米倉浩司・梶田忠 (2003-)「BG Plants 和名−学名インデックス」(YList)
- Takenoshin Nakai, Notulæ ad Plantas Japoniæ et Koreæ, XXII, The botanical magazine, 『植物学雑誌』,Vol.34, No.400, p.en41 (1920).
- 門田裕一:「オオレイジンソウ(キンポウゲ科)の新学名」,The Journal of Japanese Botany,『植物研究雑誌』, Vol.89, No.4, pp.253-258, (2014).