オオオナモミ
オオオナモミ(大葈耳、学名:Xanthium occidentale)はキク科オナモミ属の一年草。同属のなかで最も大きく育つ。
オオオナモミ | |||||||||||||||||||||||||||
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分類 | |||||||||||||||||||||||||||
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学名 | |||||||||||||||||||||||||||
標準: Xanthium occidentale Bertol. (1822)[1]
標準: Xanthium orientale L. subsp. orientale (1763)[2] | |||||||||||||||||||||||||||
シノニム | |||||||||||||||||||||||||||
和名 | |||||||||||||||||||||||||||
オオオナモミ(大葈耳) | |||||||||||||||||||||||||||
英名 | |||||||||||||||||||||||||||
Cocklebur[5] Clotbur[5] Burweed[5] rough cocklebur |
分布
編集南アメリカ、ヨーロッパ、オセアニア、アジア(日本を含む)に移入分布する[6]。
特徴
編集一年生の草本[5]。茎の高さは50 - 200センチメートル (cm) ほどになる[5]。草姿はオナモミによく似るが、茎や葉柄は褐紫色に染まるものが多い[5]。また枝葉が広い範囲に渡って広がる。
葉はやや大きく、形状はカエデに似て3 - 5裂し、質は厚く[5]、表面はザラザラとしている。鋸歯は尖らない[5]。
花は秋に咲き、雌雄異花である。雄花は枝の先の方につき、白っぽいボンボリ状になるが、雌花は緑色の塊状のものの先端にちらりと顔を出すのみである。
オオオナモミも他のオナモミと同じように、果実に多数の棘(とげ)があり、長さは3 - 6ミリメートル (mm) [5]、この棘によって動物の毛や人の衣服に付着する。果苞はオナモミよりも数が多く、互いに接してつき、長さは1.8 - 2.5 cm、幅1 - 1.8 cmほどある[5]。果実の面は毛が少なく、光沢があり、熟すと褐色になる[5]。これにより種を伝播し、範囲を広げる。
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全草
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果実
外来種問題
編集日本では1929年(昭和4年)に吉野善介によって岡山県で初めて記録され[5]、現在ではオナモミよりも普通に、日本全国に渡って見ることができる[7][5]。ときに、オナモミとオオオナモミの中間型も見つけられており、交雑によるものと見られる[5]。
在来種の植物の生育を妨げる恐れがあるほか、牧草地や農作物の有害雑草となる[7]。
外来生物法にもとづき要注意外来生物に指定されており、日本生態学会によって日本の侵略的外来種ワースト100にも選定されている[7]。
脚注
編集- ^ 米倉浩司・梶田忠 (2003-). “Xanthium occidentale Bertol. オオオナモミ(sensu orig.)(標準)”. BG Plants 和名−学名インデックス(YList). 2024年8月17日閲覧。
- ^ 米倉浩司・梶田忠 (2003-). “Xanthium orientale L. subsp. orientale オオオナモミ(標準)”. BG Plants 和名−学名インデックス(YList). 2024年8月17日閲覧。
- ^ 米倉浩司・梶田忠 (2003-). “Xanthium strumarium L. var. canadense auct. non (Mill.) Torr. et A.Gray オオオナモミ(シノニム)”. BG Plants 和名−学名インデックス(YList). 2024年8月17日閲覧。
- ^ 米倉浩司・梶田忠 (2003-). “Xanthium canadense auct. non Mill. オナモミ(シノニム)”. BG Plants 和名−学名インデックス(YList). 2024年8月17日閲覧。
- ^ a b c d e f g h i j k l m n o 長田武正 1976, p. 85.
- ^ a b オオオナモミ 国立環境研究所 侵入生物DB
- ^ a b c d 多紀保彦(監修) 財団法人自然環境研究センター(編著)『決定版 日本の外来生物』平凡社、2008年4月21日。ISBN 978-4-582-54241-7。
参考文献
編集- 長田武正『原色日本帰化植物図鑑』保育社、1976年6月1日。ISBN 4-586-30053-1。
- 北川尚史監修、伊藤ふくお写真、丸山健一郎文 『ひっつきむしの図鑑』 トンボ出版、2003年。ISBN 4-88716-147-6。