エージェント・ヴィノッド 最強のスパイ
『エージェント・ヴィノッド 最強のスパイ』(エージェント・ヴィノッド さいきょうのスパイ、原題:Agent Vinod)は、2012年に公開されたインドのスパイ映画。シュリラーム・ラガヴァンが監督を務め、アリジット・ビシュワースと共に脚本も務めている。主演はサイーフ・アリー・カーンとカリーナ・カプールが務めている[4]。
エージェント・ヴィノッド 最強のスパイ | |
---|---|
Agent Vinod | |
監督 | シュリラーム・ラガヴァン |
脚本 |
シュリラーム・ラガヴァン アリジット・ビシュワース |
製作 |
サイーフ・アリー・カーン ディネーシュ・ヴィジャン |
出演者 |
サイーフ・アリー・カーン カリーナ・カプール |
音楽 | プリータム |
撮影 | C・K・ムラリーダラン |
編集 | プージャ・ラダ・スルティ |
製作会社 |
イルミナティ・フィルム エロス・エンターテインメント |
配給 | アクセスエー |
公開 |
2012年3月23日[1] 2014年2月8日 |
上映時間 | 157分 |
製作国 | インド |
言語 |
ヒンディー語 ロシア語 英語 パシュトー語 アラビア語 ウルドゥー語 |
製作費 | ₹600,000,000[2] |
興行収入 | ₹730,050,000[3] |
あらすじ
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キャスト
編集- ヴィノンド - サイーフ・アリー・カーン
- イラーム・パルヴィーン・ビラール/ルビー・メンデス - カリーナ・カプール
- 大佐 - アディル・フセイン
- ラジャン - ラヴィ・キシャン
- デヴィッド・カザン - プレーム・チョープラー
- ナザル - ラーム・カプール
- ハッサン・ナワーズ - B・P・シン
- フゼファ・ロカ大佐 - シャーバズ・カーン
- テームル・パシャ - グルシャン・グローヴァー
- ファラー・ファクェシュ - マリアム・ザカリア
- ジャガディシュワール・メトラ - ドリティマン・チャタジー
- イフティカール・アーメド - ラージャト・カプール
- ジミー - アヌシュマン・アジャイ・シン
- 自爆テロリスト - アリーフ・ザカリア
- 捜査官 - モハメド・アリー・シャー
- 教授 - ラリット・パリモー
- タチアナ・レンコ - エレナ・カザン
製作
編集1977年公開の『Agent Vinod』とタイトルが同じだが、シュリラーム・ラガヴァンは続編やリメイクではないと語っている[5]。また、ボリウッド・ハンガマの取材の中で、「アクション、スリル、キャラクターにあふれた現実主義的な映画」について述べている[5]。2010年5月30日、ラガヴァンはムンバイで撮影が始まったことを発表した。撮影は他にもモスクワやラトビアでも行われた[6][7]。カリーナ・カプールが演じたキャラクター「イラーム・パルヴィーン・ビラール」の名前は、2008年にラガヴァンがロサンゼルス・インド映画祭で出会ったパキスタンの映画監督イラーム・パルヴィーン・ビラールから取られている[8]。
評価
編集興行収入
編集公開初日の興行収入は9410万ルピーを記録した[9]。2日目の興行成績は初日を下回り[10][11]、公開初週末の興行収入は1億8000万ルピーを記録した[12]。公開第1週末の興行収入は3億6750万ルピーを記録し、最終的には興行的に失敗したと見なされている[3][13]。
批評
編集インディア・トゥデイのカヴェリー・バムザイは、「シュリラーム・ラガヴァンが愛の思考で弱くならなければ、『エージェント・ヴィノッド 最強のスパイ』はよりスマートで、より鋭く、よりクールな映画になっただろう」と批評した[14]。ザ・タイムズ・オブ・インディアのゴウラブ・マラニは映画を「平均より上」と表現し、「映画は面白いものの完璧ではない。この映画は全力を尽くしていない!」と批評している[15]。Rediff.comのラジャ・センは2.5/5の星を与え、「映画としては失望と言わざるを得ない」と批評している[16]。
ヒンドゥスタン・タイムズのアヌパマ・チョープラーは2.5/5の評価を与え、「映画は後半でスピードを上げるにもかかわらず、あなたを不満足にさせるかも知れません」と批評している[17]。コイモイのミリガンク・ダニワラは2/5の星を与え、「『エージェント・ヴィノッド 最強のスパイ』は間違った意味で大胆な実験です。それは完全な楽しさを与えるものではありません……ジェームズ・ボンドあるいはハリウッドの『ボーンシリーズ』に遠く及びません」と批評している[18]。ジー・ニュースは「『エージェント・ヴィノッド 最強のスパイ』は賢明な方法で楽しむ試みをしています。しかし、それは素晴らしい作品とは呼ばれません。スタイリッシュなプレゼンテーションは見るべきですが、それ以外には何もありません」と批評している[19]。デカン・クロニクルのカリド・モハメドは2/5の星を与え、「提案。もしあなたが『エージェント・ヴィノッド 最強のスパイ』を最後まで観るつもりなら、目を覚ますためのコーヒー入りの大きな魔法瓶を持ってくるべきです」と批評している[20]。CNN-IBNのラジーヴ・マサンドは2/5の評価を与え、「映画は様々な作品の影響を受けており、独自のアイデンティティーを見付けることはできない」と批評している[21]。
受賞・ノミネート
編集賞 | 部門 | 対象 | 結果 | 出典 |
---|---|---|---|---|
第5回ミルチ・ミュージック・アワード | プログラマー&アレンジャー・オブ・ザ・イヤー | DJプカン、ヒャチンス・ドウザ「Dil Mera Muft Ka」 | 受賞 | [22][23] |
Song representing Sufi tradition | 「Raabta」 | ノミネート |
トラブル
編集公開前、サイーフ・アリー・カーンと実業家アイクバール・ミール・シャルマが喧嘩を起こし、それが映画のための宣伝だと指摘された[24]。しかし、カーンは宣伝目的という指摘を否定し、「私はそのようなネガティブな方法で宣伝することを信じません。むしろ、ポスターとプロモーションは適切な種類の話題によって作られるべきです」と語っている[25]。
イランのバンドのバロバックスは、映画の劇中歌「Pyaar Ki Pungi」がバンドの「Soosan Khanoom」からの盗作だと主張し、公開1週間前に音楽監督のプリータムを訴えた。しかし、バロバックスは公開2週間後に「それぞれの歌は別物である」と述べて訴訟を取り下げ、プリータムに謝罪している[26]。
パキスタンでは、劇中で同国の情報機関ISIがテロ組織との関係を示唆する描写がされていることを理由に上映が禁止された[27]。パキスタンの処置についてカーンは、「これはリアルな種類のスリラーです。私たちはパキスタンに対するネガティブな要素があり、彼ら検閲官が問題を示していることも知っています。私たちはパキスタンに潜伏する犯罪者を描きましたが、それは周知の事実です。しかし、最終的にはRAWのエージェントが勝利し、悪役が敗北することを望みます。彼らがそれを不快に思うのならば、彼らは『エージェント・ヴィノッド 最強のスパイ』がパキスタンで上映禁止にされている事実を公表するべきです」と語っている[28]。
公開1週間後、『エージェント・ヴィノッド 最強のスパイ』に盗作疑惑が持ち上がった。報道によると、映画には古い映画の曲が無断使用されており、その曲は『Phir Subah Hogi』の「Aasmaan Pe Hai Khuda」、『The Train』の「Meri Jaan Maine Kaha」、『ダラパティ 踊るゴッドファーザー』の「Rakamma」の3曲とされ、これらの曲の権利所有者は映画にクレジットされていなかったという。カーンはこの問題について、権利所有者には使用料を支払い済みであり、こうした問題はこれが最後の案件だと語っている[24]。
出典
編集- ^ “Release Dates”. Bollywood Hungama. (23 December 2011) 2011年12月9日閲覧。
- ^ “Agent Vinod Budget”. 24 August 2013閲覧。
- ^ a b “Agent Vinod”. Box Office India. 2018年7月8日閲覧。
- ^ “'Agent Vinod' riddled with woes”. Mid-Day. 28 March 2013閲覧。
- ^ a b IndiaFM News Bureau (12 October 2007). “"Agent Vinod is not a remake of Rajshri film" – Sriram Raghavan”. Bollywood Hungama. 2010年5月31日閲覧。
- ^ Kotwani, Hiren (30 May 2010). “Saif's second home production goes on the floor”. Hindustan Times 2010年5月31日閲覧。
- ^ Indo-Asian News Service (2 November 2011). “Language barrier for Agent Vinod crew in Latvia”. Hindustan Times 2011年11月4日閲覧。
- ^ “Meet the real Iram Parveen Bilal - Times of India”. The Times of India 2017年9月15日閲覧。
- ^ “Agent Vinod First Day Territorial Breakdown”. Box Office India (24 March 2012). 28 June 2012時点のオリジナルよりアーカイブ。31 March 2012閲覧。
- ^ “Agent Vinod Second Day Business”. Box Office India (25 March 2012). 26 June 2012時点のオリジナルよりアーカイブ。31 March 2012閲覧。
- ^ “Agent Vinod Has Limited Growth on Sunday”. Box Office India (26 March 2012). 26 June 2012時点のオリジナルよりアーカイブ。31 March 2012閲覧。
- ^ “Agent Vinod First Weekend Territorial Breakdown”. Box Office India (26 March 2012). 26 June 2012時点のオリジナルよりアーカイブ。31 March 2012閲覧。
- ^ “Agent Vinod”. Box Office India. 30 November 2016閲覧。
- ^ Bamzai, Kaveree (23 March 2012). “Agent Vinod movie review”. India Today. 23 March 2012閲覧。
- ^ Malani, Gaurav (23 March 2012). “Agent Vinod: Movie Review”. The Times of India. 23 March 2012閲覧。
- ^ Sen, Raja (23 March 2011). “Review: Agent Vinod just isn't clever enough”. Rediff. 23 March 2012閲覧。
- ^ anupama chopra. “Anupama Chopra's review: Agent Vinod”. 23 March 2012閲覧。
- ^ Dhaniwala, Mrigank (23 March 2011). “Agent Vinod Review”. Koimoi. 23 March 2012閲覧。
- ^ Zee News Bureau (23 March 2012). “Review: ‘Agent Vinod’ – All style, no substance”. Zee News. 23 March 2012閲覧。
- ^ Mohammed, Khalid (23 March 2012). “Agent Vinod review: Now, here’s boretainment”. Deccan Chronicle. 23 March 2012閲覧。
- ^ Rajeev Masand. “Masand: 'Agent Vinod' is a boring, disappointing film”. CNN-IBN. 23 March 2012閲覧。
- ^ “Nominations - Mirchi Music Award Hindi 2012”. www.radiomirchi.com. 2018年4月27日閲覧。
- ^ “Winners - Mirchi Music Award Hindi 2012”. www.radiomirchi.com. 2018年4月27日閲覧。
- ^ a b “Saif pays the price for using old songs in Agent Vinod”. Hindustan Times. (2 April 2012) 2012年4月30日閲覧。
- ^ “Agent Vinod needs no publicity: Saif Ali Khan”. EMIRATES 24/7 2018年7月8日閲覧。
- ^ “Iranian band Barobax apologizes to Pritam”. The Times of India 2012年4月30日閲覧。
- ^ “Leading News Resource of Pakistan”. Daily Times. (30 March 2012) 2012年4月30日閲覧。
- ^ “Pakistan's ban on Agent Vinod a shame: Saif”. Hindustan Times. (21 March 2012) 2012年4月30日閲覧。