発生―吸収制約モデル、発生制約モデル、吸収制約モデルの場合について、モデル式は以下のように表される。
- 発生―吸収制約モデルの場合
(1)
ただし
- 発生制約モデルの場合
(2)
ただし
- 吸収制約モデルの場合
(3)
ただし
発生―吸収制約モデルの場合の導出を以下に示す。
発地を 個、着地を 個、流動数の総和を [注釈 1]、地域 から地域 への流動を とする。このときの流動パターンを考え、流動量が最多となる場合の発着地の組合せを把握したい。このときの制約条件は以下の通りである(ただし は総移動費用)。
(4)
(5)
(6)
ここでは を に分配する、場合の数 の最大値の決定を行えばよい。このとき、
(7)
が成立する。ここで、最大値の導出のために、式(7)の両辺を自然対数変換すると以下の式が得られる。
(8)
ここで、スターリング近似により、 が十分に大きいとき が成り立つため
(9)
が導かれる。よって、 の最大化を目標としていく。その際、ラグランジュの未定乗数法を用いる。 は式(4)、 は式(5)、 は式(6)のラグランジュ乗数とするとき、ラグランジュ関数 は
(10)
となる。ここで、 の最大値を与える は、偏微分方程式 を解くことで求められる。よって、以下の式が成り立つ。
(11)
式変形すると、以下の式が得られる。
(12)
さらに式変形すると、以下の式が得られる[注釈 2]。
(13)
が得られる。このとき、
(14)
(15)
とおくと、式(13)は
(16)
と表示でき、発生―吸収制約モデルのときのエントロピー最大化空間的相互作用モデルが導かれた。
この他、発生制約モデルの場合は式(4)・式(6)を、吸収制約モデルの場合は式(5)・式(6)を、無制約モデルの場合は式(6)を制約条件として使用することで導出できる。
- ^ は、発着地の組合せ 種類の流動数の総和であり、
-
が成立する。
- ^ 式(12)を、式(4)・式(5)に代入して得られる以下の2式
-
-
を、さらに式(12)に代入すればよい。