エンジニアリングサービス (自動車産業)
自動車産業におけるエンジニアリングサービス(英:Engineering Service Provider)とは、パワートレイン・車体などの中核技術を自動車メーカーから受託開発するサービス業。日本においては、独立系エンジニアリング会社、カーメーカー系子会社及び派遣会社からの派生の三系統が存在する。
解説
編集最初に自動車産業が興った欧州では、その発祥当初より部品会社と自動車メーカーの対等な水平分業がなされた。その後、技術開発のみを行うエンジニアリング会社が、大学発のベンチャー企業として興った[1]。これら独立系エンジニアリング会社は、大学などと協業しながら独自の技術を持ち、自動車メーカーに対して図面提供や技術コンサルティングを行う。エンジニアリング会社と部品会社と自動車メーカーとが水平分業をしながら、効率よくバリューチェーンを形成し、自動車産業を作り上げている[2]。近年では、欧州のエンジニアリング会社大手が、相次ぎ日本に拠点を開いている[3]。
一方日本では、自動車メーカーの系列子会社としてエンジニアリング会社が興り、系列親会社からの業務委託を主業務とする。その多くはゲストエンジニアとして、自動車メーカー内に出向して開発活動に従事している[4]。
自動車エンジニアリングサービスの市場規模は、2021年の1533億米ドルからCAGR8.8%で成長し、2027年には2539億米ドルに達すると予測されている[5]。
主な独立系エンジニアリング会社
編集主なメーカー系エンジニアリング会社
編集- 豊田中央研究所
- トヨタテクニカルディベロップメント
- トヨタカスタマイジング&ディベロップメント
- トヨタ・リサーチ・インスティテュート
- ウーブン・バイ・トヨタ
- トヨタ車体研究所
- デンソーテクノ
- 愛知機械工業(製造も含む)
- 日産オートモーティブテクノロジー
- ホンダエンジニアリング
- ホンダ・リサーチ・インスティチュート・ジャパン
- ホンダテクノフォート
- SUBARUテクノ
- 三菱自動車エンジニアリング
- いすゞエンジニアリング
- 日野ヒューテック
脚注
編集出典
編集- ^ “内燃機関研究の成果を実用化へつなげる役割について” (2016年7月20日). 2021年10月4日閲覧。
- ^ ““欧州流技術開発”̶ 効率的・合理的な開発アプローチ̶” (2018年3月). 2021年10月4日閲覧。
- ^ “日本車、変わる自前主義 欧州の開発受託大手が相次ぎ拠点”. 日本経済新聞 (2017年9月23日). 2021年10月6日閲覧。
- ^ “第8回・ゲストエンジニア制度という名の技術流出!(1)” (2009年6月8日). 2021年10月4日閲覧。
- ^ “自動車エンジニアリングサービスの世界市場 (~2027年):用途 (ADAS&セーフティ・車体/電気/電子制御・シャーシ・接続・内装&外装・パワートレイン&排気・電池・モーター・充電器検査・シミュレーション)・サービス・ロケーション・車両区分・地域別」(MarketsandMarkets)”. 株式会社グローバルインフォメーション (2021年7月1日). 2021年10月4日閲覧。