エルジア王国(えるじあおうこく、:Kingdom of Erusea)は、バンダイナムコエンターテインメント(旧ナムコ→バンダイナムコゲームス)のフライトシューティングゲームエースコンバット04』および『エースコンバット7』に登場する架空国家。2005年までは「エルジア共和国(えるじあきょうわこく、:Erusea Republic / Federal Republic of Erusea)」であり、共和制であった。

エルジアの国旗

概要

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エルジアはエースコンバットシリーズストレンジリアル世界に存在する国家のひとつである。『エースコンバット04』では主人公のメビウス1が所属するISAFの敵国としてエルジア共和国という国号で登場し、『エースコンバット7』では主人公のトリガーが所属するオーシア連邦の敵国としてエルジア王国という国号で登場する。

ユージア大陸の西部一帯を領土としており、東はサンサルバシオンなどの国家と国境を接する。西は海峡を隔てて北オーシア大陸のノルトランドが位置する。北はカスケード海、南はスプリング海に面する。

政治的には連邦制を取っており、時代によって王政共和制に変動する。

歴史

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王政時代

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20世紀のある時点では王政国家であり、国号も「エルジア王国」であった。シラージ王国などの周辺国を併合するといった拡張政策を取っていたが、ある戦争の敗北によって王政を廃止する声が上がり、外国の圧力や革命によって共和制に移行し、国号も「エルジア共和国」に改めた[1]。なお、共和制に移行した後から現在に至るまで、国旗は王政時代の薔薇の紋章を使い続けている。

共和制への移行とユージア大陸紛争

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共和制への移行後もエルジアは拡張政策を続けており、これによってボスルージ共和国を併合した[2]。1990年代初頭には国境に軍を差し向け、中央ユージア連合(FCU)の軍およびIUN国際部隊との間で膠着状態が続いたが、小惑星ユリシーズが地球へ落着することをFCU政府が発表し、FCU軍が離脱すると両者の関係は棚上げされた。

その後、エルジアは周辺諸国の脅威にユージア大陸の国家群が一丸となって対抗することを目的として結成されたユージア同盟軍にも参加するほど周辺国との関係を改善する。しかし、1997年、天然資源を多く埋蔵しているユージア大陸南部の国家群が、独断でオーシア連邦と軍事同盟の締結を画策しスプリング海条約を調印しようとしたことに北部・中部の国家群が反発、遂には条約調印日の5月30日、条約調印に反対する国の軍部がクーデターを起こし、ユージア大陸紛争が勃発した。

ユージア大陸紛争中のエルジアの動向は不明だが、アルビレオ隊などの部隊がクーデター軍に参画した他、南部の港湾都市アンカーヘッドがクーデター軍に参加した空母機動部隊の補給基地として使われている。結局ユージア大陸紛争は同盟軍によってクーデター軍が打倒されたことで終結したが、同時にこの紛争によって同盟軍は事実上瓦解し、エルジアと周辺国との関係も再び元の対立状態に戻ってしまうこととなる。

小惑星ユリシーズの影響

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1999年、小惑星ユリシーズが地球に落着し、世界に甚大な被害を齎した。ユージア大陸は各国によって共同開発された隕石迎撃用レールガン施設・ストーンヘンジによってユリシーズの破片の落着を抑えることができたが、それでも迎撃しきれなかった多数の破片が落着し、世界で最もユリシーズの被害を被ることとなる。

エルジアもその例外ではなく、首都ファーバンティ付近に破片が落下して数万人が死亡した他、これを含めて大小10個の隕石が領内に落下し、ユージア大陸内に存在する国家の中でも特に大きな被害を受けた。『04』内ではウィスキー回廊のゴールドバーグ・クレーターと首都ファーバンティ沖合のレイカー・クレーターが登場しており、特にその被害の大きさを物語っている。上記のように大きな被害を受けたにもかかわらず、大陸全体で数百万人といわれる被災難民の最大の受入れ先として期待された上、他の大陸諸国も難民問題をエルジアに押し付けることで解決を図ったため、結果的に難民はエルジア一国に押し付けられる形となってしまう。

2000年4月には20万人以上の難民が押し寄せ、限界を迎えたエルジア共和国外務省はビザ申請に制限を課すことを発表。しかし周辺諸国はこれを強く非難し、エルジア製品の不買運動を行った。エルジア政府は難民に対し他の国への移動を呼びかけ、国営の航空機バスなどを使った輸送を試みたが、一部のNGOは「人道空輸計画」と称する無計画な難民輸送を続けた。エルジア政府はこれに対し、無責任を通り越して殺人行為だと非難したが、結果的にエルジアは難民を受け入れ続けざるをえなくなり、最終的に60万人以上という大量の難民が国境に押し寄せた。

この状況に対しエルジア政府は「難民問題を1つの国に押し付けるべきではない。この悲惨な避難生活を続ける人々を救うには、国際社会の援助が必要だ」とし、また当時のエルジア外務大臣であるフレデリック・アップダイクもGAZE誌の取材に対し、「エルジア国内にも大小合わせて10個の隕石が落下しており、特に首都ファーバンティ付近に落ちた隕石によって数万の国民が亡くなった。今の我が国は、柔らかい寝床と暖かい食事が用意された快適なシェルターなのではなく、大陸で最も被害を受けた苦難と混乱の土地であることを知ってほしい。(他の国は)平時にはエルジア製品の不買運動をしているのに、金がかかる国際問題となると一方的に我が国を頼る。100万人の避難民受入は到底無理な話であり、批判されるべきは小国のひがみ根性だ」 と答えた。また、難民キャンプを視察した国連のグッゲンハイム弁務官も「難民問題をひとつの国に押し付けるべきではなく、国際社会による救済が必要である」と語り、ユージア大陸の各国に受入枠の拡大と避難計画の前倒しの実行を要請したが受け入れられることはなく、結果的に多くの難民は限界に達したエルジア国境の劣悪な難民キャンプで病気や飢えに苦しんだ。

大陸戦争(第一次大陸戦争)

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難民問題により自国を取り巻く環境が悪化する中、最終的にエルジア政府は難民を押し付ける東部諸国に対し軍事侵攻することで事態の打開を図ることを決定。2003年夏、隣国サンサルバシオンに侵攻し首都サンサルバシオン及びストーンヘンジを占領、大陸戦争を勃発させる。開戦後は超巨大対空砲として軍事転用されたストーンヘンジによる制空支援の下、ISAF全軍に匹敵する軍事力により1年で大陸全土をほぼ掌握したが、ISAF司令部が置かれた大陸極東部の島国ノースポイントの攻略に失敗し、ISAFによる大陸反攻及びストーンヘンジの破壊後は敗北への道を歩む。最終的に2005年9月19日、ISAF部隊による包囲作戦で首都ファーバンティが陥落したことでエルジア政府はISAFによる降伏勧告を受諾。降伏に反対するエルジア軍の一部若手将校は開発中だった最終兵器「メガリス」を稼働させ攻撃を続けたが、9月26日にメガリスはISAFにより破壊され、これにより大陸戦争は完全に終結した。

大陸戦争後

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大陸戦争後はISAF主導の元で暫定自治政府が組織され、講和条約が締結された。国土の40%を周辺国への割譲やセラタプラの独立によって失い、軍事力も国土防衛やユリシーズによる難民受入の支援活動を行える程度にまで限定された。暫定自治政府による統治は3年間続けられ、2008年に王政復古を企図する動きが発生した[3]。その後も数年に渡り暫定自治政府の下で統治が実施されたものの、2012年4月には王政への移行が進んでおり[4]、12月にはGAZEニュースもエルジア王国という国号を使用して報道している[5]

王を選出するにあたって、前王政時代の王の子供は既に死去していたため、前王の孫が王となった。やがてこの王は病気で死去し、子供がいなかったため弟が王位を継いだ。弟には数人の子供がいて王位継承者には事欠かなかったはずだったが、交通事故により子供含む一家が全滅してしまい、直系の継承者が途絶えたため、傍系従兄弟から王が選出された[1]

旧エルジア領のセラタプラでは、オーシアが主導する形で国際軌道エレベーターの建造が進められていた。エルジアではこれがオーシアによる搾取の象徴として受け止められ、オーシア軍がIUN国際停戦監視軍として大陸各地への駐留規模を拡大していったことで、両国は対立を深めていった[3]。軍部では急進派が台頭し、軍事予算の多くを無人機の研究に当てた[6]。エルジア航空宇宙局(EASA)はノースオーシア・グランダーI.Gの支援を受け無人戦闘機や無人戦闘AIの開発を推し進めた。また、ハッカーの育成にも力を注いだ。

第二次大陸戦争(灯台戦争)

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2019年5月15日、エルジア王国はかねてより対立が続いていたオーシア連邦に対し宣戦布告し、第二次大陸戦争(灯台戦争)が勃発する。エルジアは宣戦と同時にオーシア各地の軍港や軍事施設をコンテナ船から発進した無人戦闘機を用いて奇襲攻撃し、オーシア本土にいた空母戦力に多大なダメージを与えた他、軌道エレベーターを急襲し無血制圧した。またハッカーによりオーシア軍の偵察衛星の半数を掌握し、自軍のものとして利用した。その後、ユージア大陸でオーシア軍を主力とする大陸各地のIUN国際停戦監視軍駐屯地を攻撃し、開戦1か月後には対外路線でエルジアに同調した大陸の一部諸国と共に大陸各地にある停戦監視軍駐屯地の8割を制圧したと宣言した[7]。これら開戦劈頭の攻撃の主軸となったのは戦前より開発を推し進めていた無人戦闘機群であり、正確無比な攻撃で軍事目標のみを叩き民間への誤爆をしない「クリーンな戦争」を行ったことが、民間人への誤爆を繰り返すオーシア軍と比較されたこと、加えて王女のローザ・コゼット・ド・エルーゼが出演するプロパガンダ放送が行われたことにより、エルジアは国際社会の支持を集めることに成功する。加えて軌道エレベーター防衛用として建造されたアーセナルバード2機を戦力に加え、無人戦闘機による自動遊撃システムを構築するなど勢いに乗り、一時はユージア大陸に展開するオーシア軍を大陸南東部に追いやった。

しかし元々超大国であるオーシアに対し所詮はユージア大陸の一国家に過ぎないエルジアはその国力・軍事力共にオーシアに劣っており、アーセナルバードの内1機が撃墜され、アーセナルバードによる軌道エレベーター防衛網が2機体制時の半分以下にまで縮小されたことでその恩恵に与ることが出来なくなり、形勢は軍事力で圧倒するオーシア側に有利となる。結果、エルジアは徐々に追い詰められ、遂に首都ファーバンティまでオーシア軍に制圧されてしまった。加えて、同時期にオーシア・エルジア双方が行った衛星攻撃作戦の結果ケスラーシンドロームが発生。軌道上の衛星通信網が崩壊した結果、オーシア・エルジア双方とも極度の混乱状態に陥ることとなる。オーシア軍が通信網崩壊によるIFFの機能不全やエルジア側の情報工作などで同士討ちを繰り広げる一方、エルジア軍では統制が失われ無人機運用に懐疑的で開戦に反対していた保守派と戦争継続を主張する急進派に分裂し内戦が勃発。特にアーセナルバードの補給基地が置かれており、オーシア軍とエルジア軍との激戦地となっていたタイラー島では、補給基地死守を図るエルジア軍急進派と補給基地奪取及び爆撃機部隊による無差別爆撃を試みるエルジア軍保守派、孤立潰走するオーシア軍が入り乱れ、エルジア軍保守派が島内にいるベルカ人の組織的虐殺などの戦争犯罪を行うなど地獄と化した。更にはシラージ自治州(旧シラージ大公国)や旧ボスルージ共和国などこれまでエルジアが併合してきた領土で独立運動が勃発、もはや群雄割拠状態となったエルジアにとって戦争どころではなくなってしまった。

最終的に急進派は軌道エレベーターを巡る戦いでオーシア軍・エルジア軍保守派・ボスルージ共和国空軍などのエルジア内分離主義勢力によって構成された有志連合に敗北。残ったアーセナルバード1機も有志連合により撃墜されたことで保守派がエルジアの主導権を掌握し、2019年12月1日、エキスポ・シティ会談によりオーシアとの間に停戦条約を締結し、灯台戦争は終結した。

しかし灯台戦争終結後もエルジアでは独立運動が続いた他、自由エルジアを名乗る武装集団が大陸北部で活動しており、IUNはこれに対処すべくユージア大陸各国の軍で再編した国際停戦監視軍を各地に派遣している。

その後の情勢

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2020年6月30日にオーシアが主催するベルカ戦争終結25周年記念式典に参加した。GAZE誌2020年7月10日号の表紙を飾ったレッドミル空軍基地でのエレファントウォークの写真では、大陸戦争で活躍した黄色中隊と灯台戦争で活躍したソル隊の機体が他国のエース機と並び、黄色中隊カラーの5機のSu-37とソル隊カラーの1機のX-02Sと4機のSu-30M2が行進している。また、写真の右側には5機のラファールが並んでいる[8][9]

地理

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都市

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ファーバンティ (Farbanti)
エルジアの首都。ユージア大陸最西部に位置する港湾都市。西部にユリシーズの破片が落着したことでレイカー・クレーターと呼ばれるクレーターが出来上がり、地殻変動によって市街地の一部が水没し市街地水没地区と呼ばれる区画が生まれている[10]。街の南には埋め立て地区があり、ここにエルジア軍総司令部が置かれている。埋め立て地区から東の市街地にはシルバー橋で繋がっており、北の市街地に向かってはジョンソン記念橋で繋がっていたが、大陸戦争でISAFの攻撃で破壊された。
灯台戦争が起きた2019年時点ではイージス・アショアが設置されている他、市街地の側には復興祈念公園が置かれている。また、北の市街地へは破壊されたジョンソン記念橋に代わり新たな橋が建造されて繋がっている。大陸戦争時と比べ、近代的な高層ビル群が立ち並ぶなど復興が進んでいるが、一方で市街地水没地区に建つ高層ビル群は未だに撤去工事等がなされておらず、倒壊しているものもあれば朽ち果てているものもあるなど廃墟の様相を呈している。
アンカーヘッド (Anchorhead)
 
都市部のモデルとなった横浜市の沿岸部。
アンカーヘッド湾に接するエルジア領南部の港湾都市。
港は北のアンカー港と南のダキアーク港に分かれており、都市部には高層ビルが立ち並び、ダキアーク港にはスマキア造船所が存在する。市内には国道208号線の他、湾岸ハイウェイと呼ばれる高速道路が通る。市街地北東の埠頭にはグランダーパーク[注 1]というアンカーブリッジに繋がる巨大なパーキングエリアが存在する。
2019年時点ではアンカー港とダキアーク港には1基ずつイージス・アショアが設置されている。灯台戦争での戦局悪化に伴い、ファーバンティを防衛すべく退役艦やモスボール保管されていた艦艇をかき集めて停泊させていたが、オーシア軍の奇襲攻撃を受けて壊滅的損害を被る。その後、衛星破壊作戦の混乱により市街地ではエルジア軍が急進派と保守派に分裂して戦闘を繰り広げ、展開していたオーシア軍も敵味方が分からず同士討ちをする泥沼な戦場と化した。
エースコンバット2』ではクーデター軍の補給拠点となっており、空母が停泊していたが統合軍の攻撃を受ける。『2』を再構築した『エースコンバット3D』でも同じくクーデター軍の補給拠点となっており、キネアー級航空母艦を中心とした艦隊が停泊していた所ユージア同盟軍の攻撃を受ける。その後は同盟軍によって奪還され、クーデター軍は爆撃機を出撃させ空爆を試みるが同盟軍によって阻止された。
市街のデザインは横浜港をモチーフとしている[11]

企業

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エルジア中央放送(Erusean News Network, ENN)
報道機関。灯台戦争ではファーバンティを攻撃したオーシア軍機が市街地を誤爆したり戦闘機が住宅地に墜落するといったことを報道している。
エア・エルジア(Air Erusea)
航空会社環太平洋戦争時にはアピート国際空港におけるユークトバニア軍のテロ事件に巻き込まれ、着陸許可が降りずダイバートを強いられた。「7」ではセラタプラの飛行場に旅客機が駐機している。

軍事

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大規模な陸海空その他の軍を有している。大陸戦争開戦直前には一国でISAF全参加国の総軍事力と同程度の軍備を有していたほどの軍事大国であったが、敗戦に伴い灯台戦争開戦時にはその軍事力は国土防衛やユリシーズ難民受入の支援活動を行える程度にまで限定されている。そのため、無人戦闘機の大量投入によりこれを補った他、軌道エレベーター防衛用として配備されていた巨大無人機「アーセナルバード」を接収し運用していた。大陸戦争後まで大陸内の他の国々とは関係が悪く、武装平和と呼ばれる長い緊張関係にあった一方、非公式ながらもベルーサ大陸の大国ユークトバニア連邦共和国などとは、武器の輸出入に関する相互援助関係にあったともいわれている。

なお、灯台戦争時にはIRBMを保有しており(管轄は不明)、シエラプラタに設けたIRBM基地からオーシア軍駐屯地に対し攻撃を加えようとしたが、大半が発射前にオーシア軍によって破壊され、発射に成功したものもオーシア軍によって撃墜された。対衛星ミサイルも保有しており、灯台戦争時に実戦投入されている。この他にも灯台戦争時にはイージス・アショア[注 2]をファーバンティに1基、アンカーヘッドに2基(アンカー港とダキアーク港に1基づつ)配備しており、オーシア空軍部隊に対し防空戦闘を実施している。

陸軍

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作中の描写は少ないが、軍事大国としてかなりの数の地上部隊を有している。大陸戦争時には、第5・第20・第25・第55の4つの機甲師団のパッチが存在している。また、灯台戦争時には戦闘工兵部隊を保有していることが描写された。

装備は主力戦車としてM1エイブラムス[注 3](大陸戦争時)やT-72及びT-90(灯台戦争時)を、その他にも装甲兵員輸送車自走砲自走ロケット砲などを保有している。また、灯台戦争時の戦闘工兵部隊は地雷除去用としてMICLIC英語版を保有していた。攻撃ヘリコプターも運用しており、大陸戦争時はAH-64Mi-24Ka-50、灯台戦争時はAH-64Dを運用していることが確認できる。

海軍

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大陸戦争時には主力艦隊として「無敵艦隊」の異名を持つ「エイギル艦隊」を有していた。エイギル艦隊は旗艦である戦艦タナガーを筆頭に、空母ジオフォン、イージス艦レイブン、その他多数の巡洋艦駆逐艦潜水艦等で構成された強力な艦隊であり、コンベース港に集結して物資集積や緊急展開軍の編成を待ってISAF総司令部が置かれたノースポイントへの直接侵攻を行おうとしたが、ISAF側による物資輸送の妨害や燃料関連施設の破壊で足止めを受け、最後はISAF空軍による奇襲攻撃を受け旗艦タナガーを始め所属艦艇の大半が撃沈されたため壊滅した。エイギル艦隊の壊滅後は目立った戦力は見られないが、ファーバンティ攻防戦では湾内に戦艦を意図的に座礁させて固定砲台として運用している。他にもイスタス要塞の潜水艦基地に数隻の潜水艦を停泊させ、ファーバンティ攻防戦でも市街地水没地区に潜水艦を展開させていたが、積極的な活動をさせていたかは不明。

灯台戦争時には多数の巡洋戦艦、イージス艦、巡洋艦、駆逐艦、フリゲートを有しており、空母ニョルズを中核とした機動部隊ニヨルド艦隊」の他、二戦級艦艇や無人機主体の戦闘教義に適合しにくい艦艇を集めて保存し、緊急時に現役復帰させて使用する「即応予備艦隊(通称:ラーン艦隊)」を有していた。航空隊も存在しているようで、作中ではSu-33[注 4]ラファールM[注 5]の他、一部艦艇はAH-64Dを艦載して運用している。衛星通信網崩壊後勃発した内戦では、保守派に属するフリゲートが同じく保守派の地上部隊と共にタイラー島の急進派が占拠するマスドライバーの奪還作戦を実施している。なお、部隊名や作中に登場する艦の一部にはいずれもギリシャ神話北欧神話に登場する神[注 6]や巨人[注 7]などの名が付けられている。

また、特筆すべき艦艇として灯台戦争時、即応予備艦隊特殊戦闘艦部隊に所属していた潜水航空巡洋艦「アリコーン」が挙げられる。アリコーンはユークトバニアがシンファクシ級潜水空母の拡大発展形として建造しながら、実戦投入せずにスクラップにする予定だった「プロイェクト・アリコーン」を買い取って大規模改修を施した艦で、単艦で空母打撃群に匹敵する戦力投射能力を有するとされていたが、実戦投入前に反乱を起こして離脱。オーシア首都オーレッドへの核攻撃を行おうとしたが、オーシア軍によって阻止され撃沈された。

空軍

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非常に多彩な機種を運用しており、大陸戦争時ではF-4[注 8]F-5F-14AF-15CF-15EF-15ACTIVE[注 9]F-16CF/A-18F-22AV-8BF-117A-10F-2ミラージュ2000[注 10]、ラファールM[注 10]ユーロファイタータイフーン[注 10]トーネードIDS[注 10]MIG-21MIG-29Su-35Su-37[注 11]S-37(Su-47)を運用する部隊が確認できる。とりわけ、「Su-37」5機で構成されるエース部隊「アクィラ中隊」は、その塗装から戦時中ISAF空軍に「黄色中隊」と呼ばれ恐れられた。灯台戦争時もその多彩さは健在で、F-5やF-15ACTIVE、F/A-18、トーネードIDS、Su-35が見られなくなった代わりに、新たにF-14D、F-15JF/A-18FF-35CGripen EMIG-31[注 12]Su-34Su-35S[注 13]Su-57[注 14]などを運用する部隊が確認できる他、EA-18Gで構成される電子戦機部隊、無人機開発のための実験部隊としてSu-30SMとSu-30M2で構成される第68実験飛行隊「ソル」が存在した。

また、戦略爆撃機部隊も有しており、大陸戦争・灯台戦争を通じTu-95Tu-160を運用していた他、大陸戦争時にはB-2[注 15]XB-70[注 16]を運用し、灯台戦争時にはケープ・レイニー空軍基地にB-52が駐機していた。輸送機としてはC-17Il-76の他、灯台戦争時には連絡機としてC-1を運用しているのが確認できる。また、大陸戦争時にはエルジア航空宇宙局(EASA)によりX-02が独自開発され、実戦投入には間に合わなかったものの戦後も国外での生産や改良型の開発が続けられた上、自由エルジア蜂起の際には鹵獲された機体が自由エルジア軍によって運用された。灯台戦争では、EASAとノースオーシア・グランダーI.G社(グランダー社)が、X-02の大幅な改修型であるX-02Sや新型無人機であるADF-11を共同開発している。また、オーシア軍内部からの告発では、灯台戦争においてグランダー社はオーシアの本国法人からオーシアに兵器供与を行う傍ら、エルジアに対してもユージアの現地法人から兵器供与を行っていたとされる。

特筆すべき事項としては、灯台戦争時に多数の無人戦闘機群を運用していたことが挙げられる。その主力はグランダー社製のMQ-99小型無人多用途戦闘機で、灯台戦争開戦時にはオーシア本土に停泊中のコンテナ船に搭載された輸送用コンテナからゼロ距離発進による奇襲攻撃を仕掛けて多大な戦果を挙げた他、防空レーダーと連動して無人で発進・迎撃を行う自動邀撃システムによって強固な防空網を構築した。また、何らかの方法によりオーシア連邦が軌道エレベーター防衛用として配備していた2機のアーセナルバード、及びアーセナルバードに搭載されているMQ-101の制御を奪取し、以後無力化されるまで自国の航空戦力として運用し続けた。その他にも、F/A-18FやSu-35Sといった有人機を、コックピットに球形のAIユニット「コプロ」をマウントすることで無人機として運用することも行っている。

ミサイル防空軍

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大陸戦争時、ストーンヘンジの運用及び近接防空を担った部署。元々は空軍の下部組織である「ミサイル防空局」で、空軍の中でも左遷された将校が行く部局であったことから、その恨みや縦割り行政から空軍との関係は非常に険悪であった。

航空宇宙軍

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灯台戦争時に名称が出てくる部署。タイラー島のアーセナルバード補給基地を介しアーセナルバードへの補給を担っていたと思われる。衛星通信網崩壊後は急進派に属し、補給基地を奪取すべく保守派が攻撃を仕掛ける中、マスドライバーを使いアーセナルバードに補給を行うサプライシップを打ち上げようとした。空軍と同一の組織であるかは不明。

自由エルジア

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自由エルジア(Free Erusea)はエルジア空軍の若手将校を中心とする一派である。自由エルジア空軍(FEAF)を擁しており、独自の国旗を持ち、国籍マークも他のエルジア軍とは異なるものが使われる[12]大陸戦争では他のエルジア軍と共にISAFに対抗している[注 17]

大陸戦争でエルジア共和国が敗北すると、自由エルジアはテロ組織という形で壊滅と復活を繰り返すようになる。大陸戦争後もユージア大陸各地で旧エルジア軍の残党がISAFに抵抗を続けていたが、2006年9月下旬に旧エルジア空軍の将校を中心とする一派が自由エルジアを名乗り、各地の残党を糾合して一大勢力となった。しかしこれはISAFが展開した掃討作戦により壊滅した。2010年に勃発した環太平洋戦争の余波によりユージア大陸では武器や資金が流れ、小さなテロ活動しかできなかった組織が小中規模の軍事行動を起こすようになると、2014年に自由エルジアは軍事行動を再開し各地でIUN国際停戦監視軍と交戦するようになる。2019年に勃発した灯台戦争においても自由エルジアを名乗る勢力の活動が認められる。エルジア軍とオーシア軍が同時に開始した衛星破壊作戦による混乱の中で、10月1日時点で自由エルジアが武装蜂起したという噂が流れている。また、エルジア北部で自由エルジアを名乗る愛国主義勢力の活動が再燃しており、戦争終結後も緊張状態が続いている[13]

脚注

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注釈

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  1. ^ 英語字幕では「Gründer Park」と表記されており、ノースオーシア・グランダーI.Gとの関連性が示唆されている。
  2. ^ ミサイル防衛を主任務とする現実のそれとは異なり、SPY-1レーダーを配した構造物周辺に多数の地対空ミサイル及びCIWSを配置したもの。
  3. ^ サイドストーリーではマガフ7を使用。
  4. ^ 空母ニョルズ艦載機
  5. ^ 潜水航空巡洋艦アリコーンのSACS隊
  6. ^ 空母ニョルズ(北欧神話の海神)、戦艦デュスノミア(ギリシャ神話の女神)など
  7. ^ ミサイル巡洋艦スカジ(北欧神話の女の巨人)など
  8. ^ 灯台戦争時でもグラムロック隊などで運用されている。
  9. ^ 実際のF-15ACTIVEとは異なり、推力偏向ノズルが前身のF-15S/MTDと同形状の二次元式である単座機となっている。
  10. ^ a b c d なお、大陸戦争を描いた「04」では一部メーカーからはライセンスを得られなかったため、当機等一部の航空機名で略称が用いられている。詳細は「04」を参照のこと。
  11. ^ 後述する黄色中隊、灯台戦争時のアスク隊・エギル隊など
  12. ^ アンカーヘッドに奇襲攻撃を仕掛けたオーシア軍を迎撃すべくスクランブルしたフロッティ隊など
  13. ^ 灯台戦争終盤、オーシア軍とエルジア軍の一部部隊で結成された有志連合に参加したリジル隊・スコール隊など
  14. ^ アリコーン防衛を目的にアルティーリョ港上空に展開したシグルズ隊など
  15. ^ コモナ諸島のロケット発射基地に対する攻撃に投入。
  16. ^ ユージア大陸北部アイスクリークに上陸したISAF地上部隊に対する巡航ミサイル攻撃の母機として投入。
  17. ^ 『エースコンバット04』において多くの敵ネームド機には自由エルジア所属を示すマーキングが施されている。

出典

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  1. ^ a b 『ACES at WAR A HISTORY 2019』、128-133頁。
  2. ^ 『エースコンバット7』、エンブレム解説
  3. ^ a b 『ACES at WAR A HISTORY 2019』、76-77頁。
  4. ^ “FRONTLINE” 2012年4月号 特集:廃棄される巨大潜水艦”. 2020年6月8日閲覧。
  5. ^ 『エースコンバット7』SPミッション1、デブリーフィング後ムービー。
  6. ^ 『ACES at WAR A HISTORY 2019』、127頁。
  7. ^ ACE COMBAT(TM) 7: SKIES UNKNOWN シーズンパス トレーラー OBC NEWS”. 2020年8月27日閲覧。
  8. ^ GAZE 2020年7月10日号特集:「戦争の英雄達:環太平洋戦争機密文書解除」”. エースコンバット7公式サイト. バンダイナムコエンターテインメント. 2020年12月28日閲覧。
  9. ^ ACE COMBAT 25th Anniversary WALLPAPER”. ACE COMBAT™シリーズ25周年特設サイト. バンダイナムコエンターテインメント. 2020年12月28日閲覧。
  10. ^ AC04Web PDFアーカイブ” (PDF). バンダイナムコエンターテインメント. p. 29-31. 2021年4月30日閲覧。
  11. ^ 『エースコンバット7』開発者ロングインタビュー(後編)──「Unreal Engine 4」による開発、eスポーツ展開、そして“アンカーヘッド”について”. Alienware Zone (2019年5月7日). 2021年4月30日閲覧。
  12. ^ Su-33 フランカ-D `エースコンバット 黄色の13` (プラモデル)”. ホビーサーチ. ハセガワ. 2021年5月25日閲覧。
  13. ^ 『ACES at WAR A HISTORY 2019』、126頁。

参考資料

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  • PS2ソフト『エースコンバット04 shattered skies』 ナムコ、2001年
  • 3DSソフト『エースコンバット3D CROSS RUMBLE』 バンダイナムコゲームス、2012年
  • PS4/Xbox One/Steamソフト『エースコンバット7 SKIES UNKNOWN』 バンダイナムコエンターテインメント、2019年
  • エースコンバット7 コレクターズエディション付属ブックレット『ACES at WAR A HISTORY 2019』、バンダイナムコエンターテインメント、2019年
  • AC04Web PDFアーカイブ バンダイナムコエンターテインメント
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