エフィナコナゾール
エフィナコナゾール(Efinaconazole)は、トリアゾール系抗真菌薬で[1]、14α-デメチラーゼの阻害剤であり[2][3]、真菌の細胞膜構成成分であるエルゴステロールの生合成を阻害する[4]。爪白癬(爪水虫)治療薬。商品名クレナフィン(clenafin)[1]。
IUPAC命名法による物質名 | |
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臨床データ | |
販売名 | Jublia |
ライセンス | US FDA:リンク |
法的規制 | |
薬物動態データ | |
生物学的利用能 | unknown oral |
データベースID | |
CAS番号 | 164650-44-6 |
ATCコード | None |
PubChem | CID: 489181 |
ChemSpider | 428538 |
ChEBI | CHEBI:82718en:Template:ebicite |
化学的データ | |
化学式 | C18H22F2N4O |
分子量 | 348.39 g/mol |
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概要
編集トリアゾール系抗真菌剤には内服薬や注射剤があったが、エフィナコナゾールは世界初のトリアゾール系の外用剤として科研製薬株式会社で開発された[1][5]。ケラチンとの親和性が高く爪甲内・爪床での高い抗真菌活性を示す[1]。2013年にカナダで爪白癬治療剤として認可され[5]、2014年に日本とアメリカでも認可された[5]。カナダとアメリカでは爪真菌症が適応疾患となっているが[5]、日本では爪白癬でしか認可されていない[5]。10%溶液が使用される[4][6][7]。
日本では「直接鏡検または培養等に基づき爪白癬であると確定診断された患者に使用」する事となっており、入手に際しては医師の診断および処方箋が必要である[4]。
1日1回罹患爪全体に塗布して使用する[5][4]。既に変色・変形した爪を回復させる薬剤ではないために、爪が伸びてこない症例には効果は期待できない[5]。外用48週間後の完全治癒率は17.8%[5]。接触性皮膚炎などの皮膚刺激があるために、爪以外の部位には不適とされ[5]、周囲の皮膚真菌症には別の抗真菌剤を併用する必要がある[5]。
副作用
編集第III相臨床試験での副作用は6.4%であった。主な副作用は、皮膚炎、水疱、紅斑、瘙痒、異常感覚、腫脹、疼痛、皮膚剥脱、爪甲脱落等であった[8]。全身性の副作用はない[5]。
薬物相互作用
編集なし[5]
出典
編集- ^ a b c d クレナフィン 開発の経緯2017年6月12日閲覧
- ^ Tatsumi Y, Nagashima M, Shibanushi T (May 2013). “Mechanism of action of efinaconazole, a novel triazole antifungal agent”. Antimicrob Agents Chemother 57 (5): 2405–2509. doi:10.1128/aac.02063-12.
- ^ “Drugs at FDA: JUBLIA”. 26 June 2014閲覧。
- ^ a b c d “爪白癬治療剤「クレナフィン爪外用液10%」の国内製造販売承認取得について”. 科研製薬 (2014年7月4日). 2015年5月17日閲覧。
- ^ a b c d e f g h i j k l 渡辺晋一 「皮膚真菌症の最新治療」日本医師会雑誌 146巻3号 509p
- ^ Patel T, Dhillon S (Nov 2013). “Efinaconazole: first global approval”. Drugs 73 (17): 1977–1983. doi:10.1007/s40265-013-0152-x. PMID 24249649.
- ^ Tschen EH, Bucko AD, Oizumi N, Kawabata H, Olin JT, Pillai R (Feb 2013). “Efinaconazole solution in the treatment of toenail onychomycosis: a phase 2, multicenter, randomized, double-blind study”. J Drugs Dermatol 12 (2): 186–192. PMID 23377392.
- ^ “クレナフィン爪外用液10% 添付文書” (2016年3月). 2016年6月28日閲覧。