エチレンスルフィド
エチレンスルフィド (ethylene sulfide) とは、分子式が C2H4S と表される有機硫黄化合物。炭素2個、硫黄1個から成る複素3員環(エピスルフィド)構造を持ち、含硫黄複素環式化合物の中でもっとも小さく単純なもの。多くの有機硫黄化合物のように強い悪臭を有する。別名として硫化エチレン(りゅうかエチレン)とも呼ばれる。IUPAC系統名はチイラン (thiirane) で、その名称はエピスルフィドの総称として用いられることもある。
エチレンスルフィド | |
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Thiirane | |
Thiacyclopropane | |
識別情報 | |
CAS登録番号 | 420-12-2 |
PubChem | 9865 |
ChemSpider | 9481 |
UNII | A2W5165740 |
EC番号 | 206-993-9 |
国連/北米番号 | 1992 |
KEGG | C19419 |
MeSH | ethylene+sulfide |
ChEBI | |
RTECS番号 | KX3500000 |
バイルシュタイン | 102379 |
Gmelin参照 | 1278 |
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特性 | |
化学式 | C2H4S |
モル質量 | 60.12 g mol−1 |
外観 | 淡黄色の液体 |
密度 | 1.01 g cm−3 |
融点 |
-109 °C |
沸点 |
329 °C |
蒸気圧 | 28.6 kPa (at 20 °C) |
熱化学 | |
標準生成熱 ΔfH |
51-53 kJ mol−1 |
標準燃焼熱 ΔcH |
-2.0126 MJ mol−1 |
危険性 | |
GHSピクトグラム | |
GHSシグナルワード | DANGER |
Hフレーズ | H225, H301, H318, H331 |
Pフレーズ | P210, P261, P280, P301+310, P305+351+338, P311 |
NFPA 704 | |
引火点 | 10 °C (50 °F; 283 K) |
関連する物質 | |
関連する複素環式化合物 | エチレンオキシド アジリジン ボリラン |
特記なき場合、データは常温 (25 °C)・常圧 (100 kPa) におけるものである。 |
合成
編集エチレンスルフィドは炭酸エチレンとチオシアン酸カリウム (KSCN) との反応で合成される[2]。そのときチオシアン酸カリウムは真空下で融解させて水を除去した後に反応させる。
- KSCN + C2H4O2CO → KOCN + C2H4S + CO2
反応
編集エチレンスルフィドはアミンと反応して 2-メルカプトアミン誘導体を与える[3]。2-メルカプトアミン誘導体はキレート性配位子として用いられる。
- C2H4S + R2NH → R2NCH2CH2SH
出典
編集- ^ a b “thiirane (CHEBI:30977)”. Chemical Entities of Biological Interest (ChEBI). UK: European Bioinformatics Institute. 2024年10月26日閲覧。
- ^ Searles, S.; Lutz, E. F.; Hays, H. R.; Mortensen, H. E. (1962). “Ethylenesulfide.” Org. Synth. 42: 59.
- ^ Cremlyn, R. J. (1996). An Introduction to Organosulfur Chemistry. Chichester: John Wiley and Sons. ISBN 0-471-95512-4.
関連項目
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