ウルヴァーハンプトン・ワンダラーズFC

イングランドのサッカークラブ

ウルヴァーハンプトン・ワンダラーズ・フットボール・クラブWolverhampton Wanderers Football Clubイギリス英語発音: [ˌwʊlvərˈhæmptən] ( 音声ファイル))は、イングランド中部・ウェスト・ミッドランズウルヴァーハンプトンをホームタウンとするサッカークラブ。

ウルヴァーハンプトン・ワンダラーズFC
原語表記 Wolverhampton Wanderers Football Club
愛称 Wolves
The Wanderers
クラブカラー     金色
   
創設年 1877年
所属リーグ プレミアリーグ
所属ディビジョン 1部(2024-25
昨季リーグ順位 14位(2023-24
ホームタウン ウルヴァーハンプトン
ホームスタジアム
モリニュー・スタジアム
収容人数 32,050[1]
代表者 中華人民共和国の旗 復星国際(所有者)
中華人民共和国の旗 施瑜(会長)[2]
監督 イングランドの旗 ガリー・オニール
公式サイト 公式サイト
ホームカラー
アウェイカラー
サードカラー
テンプレート(ノート)サッカークラブPJ

愛称はウルブスWolves[3]。ホームタウンの名前のウルヴァーとは狼という意味であり、エンブレムには狼が描かれている。1877年創設。

1950年代には現在のプレミアリーグに相当する1部リーグで3度のリーグ優勝を果たしたが、その後は長らく2部リーグが主戦場で、2013年には3部リーグに降格。しかし、2017年に復星国際に買収されて以降は成績が好転し、プレミアリーグに定着している。

音楽家のエドワード・エルガー、ロックバンド、レッド・ツェッペリンのヴォーカリスト、ロバート・プラントがクラブのファンであることも知られている。

最大のライバルはウェスト・ブロムウィッチ・アルビオンFCであり、ブラック・カントリー・ダービーと呼ばれる。両クラブとも1888年に世界最古のフットボールリーグが創設された初期メンバーであり、初対決は1883年に行われた[4]。また、同じく地理的な関係からバーミンガムに拠点を置くアストン・ヴィラFCバーミンガム・シティFCともライバル関係にある。

歴史

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1877年、教会に併設されていた学校のチーム "St Luke's FC" として設立された。1879年に他のチーム "Wanderers FC" と合併して現在の名称になった[3]。1950年代には、後にイングランド代表として世界で初めて代表100キャップを記録することになるビリー・ライトらを擁してリーグ戦を3度制した[5]

リーグ優勝3回など数々のタイトルを獲得した歴史を持つ。1971-72シーズンのUEFAカップで準優勝した。

以降はチャンピオンシップ(2部相当)が主戦場となっていたが、2009-10シーズンにプレミアリーグに昇格、3シーズンを戦ったが、2011-12シーズンに最下位で降格。

2012-13シーズンも低迷から抜け出せずフットボールリーグ1(3部)に降格、2年連続の降格となった。

2013-14シーズンはクラブ記録となる勝ち点103を達成して優勝し、2部に復帰。

2014-15シーズンはイプスウィッチ・タウンFCに得失点差で及ばず、7位でプレーオフ進出を逃した。

2015-16シーズンは低迷し14位で終えた。

2016年7月21日、中国の投資会社グループ「復星集団」の基幹企業「復星国際」(中国語: 复星国际有限公司)がオーナーのスティーヴ・モーガンから全株式を買い取り、クラブを買収した。この買収はサッカー界の大物代理人ジョルジュ・メンデスが代表を務めるマネジメント会社Gestifuteが仲介しており(復星集団はGestifuteの大株主)、メンデスはクラブの相談役としてクラブ経営に関わることになる。

2017年夏から強力な中国資本とメンデスの人脈を生かした改革が始まり、メンデスの顧客である監督のヌーノ・エスピーリト・サントの招聘に始まり、ルベン・ネヴェスを始めとしたポルトガル人の有力選手を次々と獲得[6]。2部クラブでは規格外の戦力を実現したクラブは2017-18シーズンの快進撃によりチャンピオンシップで優勝し、6年ぶりにプレミアリーグ復帰を果たした[7]

プレミアリーグ復帰初年度の2018-19シーズンは7位で終え、1979-80シーズンの6位以来の高順位となった[8]

2024年1月28日のFAカップ4回戦、ウェスト・ブロムウィッチ・アルビオンFCとのダービーにおいて、観客同士の乱闘が起き流血沙汰になった。試合は2-0で勝利した[9]

タイトル

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国内タイトル

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1953-54, 1957-58, 1958-59
2008-09, 2017-18
2013-14
1892-93, 1907-08, 1948-49, 1959-60
1973-74, 1979-80
1949, 1954, 1959, 1960

国際タイトル

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  • なし

過去の成績

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シーズン リーグ戦 カップ戦 リーグ杯 欧州カップ / その他 最多得点者
ディビジョン 順位 選手 得点数
1989-90 ディビジョン2 46 18 13 15 67 60 67 10位 3回戦敗退 2回戦敗退 フルメンバーズカップ 1回戦敗退   スティーブ・ブル英語版 27
1990-91 46 13 19 14 63 63 58 12位 3回戦敗退 2回戦敗退 2回戦敗退 27
1991-92 46 18 10 18 61 54 64 11位 3回戦敗退 3回戦敗退 1回戦敗退 23
1992-93 ディビジョン1 46 18 10 18 61 54 64 11位 4回戦敗退 2回戦敗退 アングロ=イタリアン・カップ 予選敗退 19
1993-94 46 17 17 12 60 47 68 8位 準々決勝敗退 2回戦敗退 予選敗退 15
1994-95 46 21 13 12 77 61 76 4位 準々決勝敗退 3回戦敗退 グループステージ敗退   デビッド・ケリー英語版 22
1995-96 46 13 16 17 56 62 55 20位 4回戦敗退 準々決勝敗退   ドナルド・グッドマン 20
1996-97 46 22 10 14 68 51 76 3位 3回戦敗退 1回戦敗退   スティーブ・ブル英語版 23
1997-98 46 18 11 17 57 53 65 9位 準決勝敗退 3回戦敗退   ドゥギー・フリードマン英語版 12
1998-99 46 19 16 11 64 43 73 7位 4回戦敗退 2回戦敗退   ロビー・キーン 16
1999-00 46 21 11 14 64 48 74 7位 4回戦敗退 1回戦敗退   アデ・アキンビイ英語版 16
2000-01 46 14 13 19 45 48 55 12位 4回戦敗退 3回戦敗退   アダム・プラウドロック英語版 11
2001-02 46 25 11 10 76 43 86 3位 3回戦敗退 1回戦敗退   ディーン・スタリッジ英語版 21
2002-03 46 20 16 10 81 44 76 5位 準々決勝敗退 2回戦敗退   ケニー・ミラー 24
2003-04 プレミアリーグ 38 7 12 19 38 77 33 20位 4回戦敗退 4回戦敗退   アレックス・レイ英語版 8
2004-05 チャンピオンシップ 46 15 21 10 72 59 66 9位 4回戦敗退 2回戦敗退   ケニー・ミラー 20
2005-06 46 16 19 11 50 42 67 7位 4回戦敗退 2回戦敗退 12
2006-07 46 22 10 14 61 56 76 5位 4回戦敗退 1回戦敗退   セイ・オロフィンジャナ 10
2007-08 46 18 16 12 53 48 70 7位 5回戦敗退 2回戦敗退   シルヴァン・イーバンクス=ブレイク 12
2008-09 46 27 9 10 80 52 90 1位 4回戦敗退 2回戦敗退 25
2009-10 プレミアリーグ 38 9 11 18 32 56 38 15位 4回戦敗退 3回戦敗退   ケヴィン・ドイル 9
2010-11 38 11 7 20 46 66 40 17位 4回戦敗退 4回戦敗退   スティーヴン・フレッチャー 12
2011-12 38 5 10 23 40 82 25 20位 3回戦敗退 4回戦敗退 12
2012-13 チャンピオンシップ 46 14 9 23 55 69 51 23位 3回戦敗退 3回戦敗退   シルヴァン・イーバンクス=ブレイク 15
2013-14 フットボールリーグ1 46 31 10 5 89 31 103 1位 1回戦敗退 1回戦敗退   リー・グリフィス
  バカリ・サコ
13
2014-15 チャンピオンシップ 46 22 12 12 70 56 78 7位 3回戦敗退 1回戦敗退   バカリ・サコ
  ヌーハ・ディッコ
15
2015-16 46 14 16 16 53 58 58 14位 3回戦敗退 3回戦敗退   ベニク・アフォベ 10
2016-17 46 16 10 20 54 58 58 15位 5回戦敗退 3回戦敗退   エルデル・コスタ 12
2017-18 46 30 9 7 82 39 99 1位 3回戦敗退 4回戦敗退   ディオゴ・ジョッタ 18
2018-19 プレミアリーグ 38 16 9 13 47 46 57 7位 準決勝敗退 3回戦敗退   ラウル・ヒメネス 17
2019-20 38 15 14 9 51 40 59 7位 3回戦敗退 4回戦敗退 UEL 2019-20 準々決勝敗退 27
2020-21 38 12 9 17 36 52 45 13位 5回戦敗退 2回戦敗退   ペドロ・ネト
  ルベン・ネヴェス
5
2021-22 38 16 6 17 38 43 51 10位 4回戦敗退 3回戦敗退   ラウル・ヒメネス
  ダニエル・ポデンセ
6
2022-23 38 11 8 19 31 58 41 13位 3回戦敗退 準々決勝敗退   ルベン・ネヴェス
  ダニエル・ポデンセ
6
2023-24 38 13 7 18 50 65 46 14位 準々決勝敗退 3回戦敗退   マテウス・クーニャ
  ファン・ヒチャン
13
2024-25 38  

欧州の成績

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現所属メンバー

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プレミアリーグ 2023-24シーズン 基本フォーメーション(3-4-3
2024年4月22日現在

注:選手の国籍表記はFIFAの定めた代表資格ルールに基づく。

No. Pos. 選手名
1 GK   ジョゼ・サ
2 DF   マット・ドハーティ
3 DF   ラヤン・アイト=ヌーリ ( )
4 DF   サンティアゴ・ブエノ ( )
5 MF   マリオ・レミナ ( )
6 MF   ブバカル・トラオレ
7 FW   ペドロ・ネト
8 MF   ジョアン・ゴメス
11 FW   ファン・ヒチャン
12 FW   マテウス・クーニャ
14 FW   ノア・レミナ英語版
No. Pos. 選手名
15 DF   クレイグ・ドーソン
17 DF   ウーゴ・ブエノ
20 MF   トミー・ドイル
21 MF   パブロ・サラビア
22 DF   ネルソン・セメド ( )
23 DF   マクシミリアン・キルマン ( )  
24 DF   トティ・ゴメス ( )
25 GK   ダニエル・ベントレー
27 MF   ジャン=リクネル・ベルガルド ( )
30 FW   エンソ・ゴンサレス
40 GK   トム・キング英語版 ( )
63 FW   ネイサン・フレイザー英語版 ( )

※括弧内の国旗はその他保有国籍、もしくは市民権、星印はEU圏外選手を示す。

監督

ローン移籍選手

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in

注:選手の国籍表記はFIFAの定めた代表資格ルールに基づく。

No. Pos. 選手名
20 MF   トミー・ドイル (マンチェスター・シティFC)
14 FW   ノア・レミナ英語版 (パリ・サンジェルマンFC)
out

注:選手の国籍表記はFIFAの定めた代表資格ルールに基づく。

No. Pos. 選手名
-- GK   ルイ・モールデン英語版 (ノーサンプトン・タウンFC)
-- DF   ジェルソン・モスケラ (ビジャレアルCF)
-- DF   ボラ・ベンデグーズ (セルヴェットFC)
-- FW   ファビオ・シルヴァ (レンジャーズFC)
No. Pos. 選手名
-- MF   チェム・キャンベル英語版 (ウィコム・ワンダラーズFC)
-- MF   ルーク・カンドル (ストーク・シティFC)
-- FW   シキーニョ (ストーク・シティFC) ( )
-- FW   ゴンサロ・ゲデス (ビジャレアルCF)
-- FW   ダニエル・ポデンセ (オリンピアコスFC)
-- FW   サーシャ・カライジッチ (アイントラハト・フランクフルト)
-- MF   ジョー・ホッジ (クイーンズ・パーク・レンジャーズFC)


歴代監督

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歴代所属選手

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エンブレム

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当初、ユニフォームは特に定まっていなかったが、1891年から市章にあやかる黄色と黒を基調とするものに定まった。後にこの配色は、市のモットーである「Out of Darkness Cometh Light(夜明けは必ずやってくる)」のDarkness(黒)とLight(黄)を象徴していると受け止められるようになった[3]

エンブレムはFAカップ決勝に進出した1949年や1960年には市章を使ったが、1979年にクラブのエンブレムを作る事になり、黄色地に愛称ウルブスから跳ねるとクラブ名の頭文字「WW」が黒であしらわれたデザインが採用された。一時は、この狼が3頭並んだデザインも使われた[3]

1979年に変更が施され、黄色地に正面を向く狼の顔のデフォルメが基調となった。最初は枠が無く下にWOLVESと文字があったが、1988年から1993年までは盾の中に狼の顔があるデザインとなった。1993年から1996年は市章がエンブレムに使われたが、1996年から再び正面の狼に戻り、2002年からは枠が六角形に変わった[3]

脚注

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  1. ^ Premier League Handbook 2020/21”. Premier League. p. 42. 12 April 2021時点のオリジナルよりアーカイブ12 April 2021閲覧。
  2. ^ JEFF SHI - Executive chairman
  3. ^ a b c d e エンブレムの世界 ウルブス『サッカーマガジン』2012年5月1日号、ベースボール・マガジン社、斉藤健仁、2012年、雑誌23881-5/1, 055頁。
  4. ^ Inc, SEESAW GAME (2015年4月2日). “ローカルダービーは100以上…世界最古のサッカー文化を持つイングランド”. サッカーキング. 2024年2月2日閲覧。
  5. ^ 田島 大 (2019年7月28日). “ウルブズ、40年ぶり欧州カップ戦。その起源を紐解くとCL創設の歴史が”. footballista. 2023年6月7日閲覧。
  6. ^ 田島 大 (2018年10月4日). “今、ウォルバーハンプトンで石を投げればメンデスの関係者に当たる”. footballista. 2023年6月7日閲覧。
  7. ^ “英2部に異変!? 補強資金50億円…1つのクラブを変えた中国資本と大物代理人。そこに渦巻く闇”. フットボールチャンネル. (2018年4月20日). https://www.footballchannel.jp/2018/04/20/post266201/ 2018年8月18日閲覧。 
  8. ^ Edwards, Joe (6 May 2019). “Confirmed: Wolves to finish seventh in the Premier League”. Express & Star. https://www.expressandstar.com/sport/football/wolverhampton-wanderers-fc/2019/05/06/confirmed-wolves-to-finish-seventh-in-the-premier-league/ 
  9. ^ FA杯のダービーで流血沙汰のトラブル発生、協会が調査へ”. www.afpbb.com (2024年1月29日). 2024年1月29日閲覧。

外部リンク

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