ウィリー・ウィリー(英語:willy willy)は、塵旋風 (dust devil) のことを表すオーストラリアの先住民アボリジニ言葉である。

日本では、「発達した熱帯低気圧の名称の一種で、日本で言う台風と同じ気象現象である」のような形で紹介され、オーストラリアでの熱帯低気圧の名称だと説明されることが多い。オーストラリア周辺の熱帯低気圧は、一般的にサイクロン (cyclone) と呼ばれ、こちらが現在「台風のオーストラリアでの呼称」にあたる(英語圏では cyclone は低気圧全般を指す語でもあるため、誤解のないように tropical cyclone (熱帯低気圧)と言い換えたり、後述の海域・勢力別名称を用いたりすることが多い)。

ただし、「サイクロン」も、熱帯低気圧が存在する海域別に、その勢力ごとに名称がつけられている。例えば「トロピカル・ロー」 (tropical low) や「シビア・トロピカル・サイクロン」 (severe tropical cyclone) といった名称がある。詳細は熱帯低気圧#観測機関別の分類を参照。また、個々のサイクロンにはそれぞれ、海域別にオーストラリア気象局フィジー気象局が、あらかじめリスト化されていた名称を発生順に付けている。例えば、2005年3月の「イングリッド」 (Ingrid) や2002年12月から2003年1月の「ゾーイ」 (Zoe) などがある。詳細は熱帯低気圧#命名を参照。

ウィリー・ウィリーが示す概念は、学術的には塵旋風とよばれる、つむじ風あるいは旋風などにあたる現象である。竜巻についても、学術的には塵旋風と異なるものの、形状が似ていることからしばしばウィリー・ウィリーに含まれることがある。

オーストラリアでは未だにこの名称が使われていることもある。

出典

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  • Peters, Pam (1995). The Cambridge Australian English Style Guide. Cambridge, New York: Cambridge University Press, 11. ISBN 0-521-43401-7.
  • 小口高・財城真寿美 (2009). ウィリー・ウィリーは熱帯低気圧ではない - 用語法の変化に乗り遅れた日本. 地理(古今書院), 54-9, 102-110. 要約

関連項目

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