インタビュー・ウィズ・ヴァンパイア

インタビュー・ウィズ・ヴァンパイア』(原題: Interview with the Vampire)は、1994年製作のアメリカ映画

インタビュー・ウィズ・ヴァンパイア
Interview with the Vampire: The Vampire Chronicles
監督 ニール・ジョーダン
脚本 アン・ライス
原作 アン・ライス
夜明けのヴァンパイア
製作 スティーヴン・ウーリー
デヴィッド・ゲフィン
出演者 トム・クルーズ
ブラッド・ピット
キルスティン・ダンスト
クリスチャン・スレーター
スティーヴン・レイ
音楽 エリオット・ゴールデンサール
主題歌 ガンズ・アンド・ローゼズ
悪魔を憐れむ歌
撮影 フィリップ・ルースロ
編集 ミック・オーズリー
製作会社 ゲフィン・ピクチャーズ
配給 ワーナー・ブラザース
公開 アメリカ合衆国の旗 1994年11月11日
日本の旗 1994年12月10日
上映時間 123分
製作国 アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
言語 英語
製作費 $60,000,000[1]
興行収入 アメリカ合衆国の旗カナダの旗 $105,264,608[1]
世界の旗 $223,664,608[1]
次作 クイーン・オブ・ザ・ヴァンパイア
テンプレートを表示

概要

アン・ライスによる小説『夜明けのヴァンパイア』の映画化作品。小説は1973年に執筆し、1976年に出版された。

インタビュアー役は、当初リヴァー・フェニックスが演じる予定であったが、当人が死亡したためクリスチャン・スレーターが扮した[2]。クリスチャン・スレーターは後に出演料を全て、リヴァー・フェニックスが支援していたボランティア団体に寄付した。

原作者のアン・ライスが1970年代に脚本を書いた時、ルイ役にはアラン・ドロンを念頭に置いていた[3]。映画の制作に入った時、ライスはイギリス人俳優のジュリアン・サンズをレスタト役に考えていたが、当時サンズは『眺めのいい部屋』で有名になったばかりで知名度が低かったため、レスタト役はトム・クルーズに与えられた。ライスはこの配役を批判し、「クルーズが私の吸血鬼レスタトになるのなら、エドワード・G・ロビンソンレット・バトラーになれる」とコメントし、この配役は「とても変。どうしてこれでうまくいくのかほとんど想像できない」とまで言った。ルイ役のブラッド・ピットについても批判していて「クルーズとピットの組み合わせなんて、まるで「トム・ソーヤーの冒険」のトムとハックみたいよ」と述べた。しかしライスは出来上がった作品を見てクルーズの演技に満足し、「彼が登場した瞬間から、トムは私にとってレスタトだった」、また「トムがレスタト役を成功させたことは、私には予知できなかったこと」と述べ、『デイリー・バラエティ』誌に7,740ドルの見開きページの広告を掲載して前言を謝した[4]

出演陣も豪華で、舞台美術も評価され、第67回アカデミー賞では2部門にノミネートされた。他には第15回ゴールデンラズベリー賞でワーストスクリーンカップル賞(トム・クルーズとブラッド・ピット)を受賞した。

ストーリー

カリフォルニア州サンフランシスコ。とある建物の一室で、野心的なライターの青年ダニエル・マロイ(クリスチャン・スレーター)は用意したテープを回し、黒髪の青年紳士ルイ(ブラッド・ピット)へインタビューを始める。ルイは、200年というその驚くべき半生を語り始める。

18世紀末のアメリカ合衆国ニューオリンズ。フランス移民で農場主のルイ。最愛の妻と娘を同時に失い、絶望の底で自暴自棄になった彼に一人の男が興味を持つ。レスタト(トム・クルーズ)と名乗るその男の正体は、生き血を糧に永遠の時を生きるヴァンパイアであった。彼は、人間的で弱く繊細な魂を持つルイに魅力を感じ、永遠を共に生きる伴侶に彼を選んだのである。首筋に牙を立てられ「このまま死ぬか。共に生きるか」という選択を与えられたルイは、ヴァンパイアとして生きる道を選んだ。

欲求に忠実で、ためらいも無く人を襲い続けるレスタト。それとは対照的に人の良心を捨てきれないルイは、他人の命を奪うことが出来ず農場の小動物の血をすすって喉の渇きを凌いでいた[5]。ルイはある日、美しい少女クローディア(キルスティン・ダンスト)に出会う。ペストの蔓延によって両親を失い、力無く泣き縋る幼い少女をルイは抱きしめるが、喉の渇きに耐え切れず彼女の首に噛み付いてしまう。その一部始終を陰で見ていたレスタトは大喜びし、クローディアをヴァンパイアとして蘇生させる。そして、人と吸血鬼の狭間で悩み続けるルイにその幼い吸血鬼の世話役を与えた。

クローディアの子供特有の貪欲さを気に入ったレスタトはその教師役となった。より良い血を得る術から忌むべきタブーに至る、レスタトの美学の全てを教え込まれたクローディアは次第に歯止めが効かなくなり、やがてレスタトと共に人々を恐怖に陥れる存在となった。そんな彼女を心配しつつも本能的に湧き上がる欲求との戦い。ルイはいまだ良心の呵責に苛まれ続けていた。

数十年後。クローディアは大人の女性に憧れを抱き、その容姿に執着し始める。肉体は少女のままでありながら、その心は知性を持った大人の女に成長していたのである。真実を知ったクローディアは、「なぜ私は大人になれないの?」「私をこんな姿にしたのは誰?」とやり場の無い怒りと悲しみを爆発させる。必死に許しを請うルイとは対照的に、レスタトは「永遠の命を与えられて何が不満なのか」と言い返す。

少女の憎しみの矛先はレスタトに向けられ、一線を越えた感情はルイをも巻き込んだ反逆計画へと変わっていく。

キャスト

役名 俳優 日本語吹替[6]
ソフト版 フジテレビ テレビ東京
レスタト・デ・リオンコート英語版 トム・クルーズ 鈴置洋孝 江原正士 森田順平
ルイ・ド・ポワント・デュ・ラック英語版 ブラッド・ピット 平田広明 宮本充 堀内賢雄
ダニエル・マロイ(インタビュアー) クリスチャン・スレーター 家中宏 堀内賢雄 成田剣
クローディア キルスティン・ダンスト 本多瑛未里 矢島晶子 大谷育江
アーマンド英語版 アントニオ・バンデラス 玄田哲章 小川真司 小山力也
サンティアゴ スティーヴン・レイ 千田光男 西村知道 佐々木梅治
イヴェット タンディ・ニュートン 岡村明美 水谷優子 石塚理恵
マドレーヌ ドミツィアーナ・ジョルダーノ 弘中くみ子 坪井木の実
セントクレア ライラ・ヘイ・オーウェン 竹口安芸子 翠準子 沢田敏子
セントクレアの愛人 リー・エメリー 石田彰 岸尾大輔
ギャンブラー ジョン・マコーネル 江川央生 茶風林 佐々木誠二
バーの女性 ベリナ・ローガン 小林優子
ニューオーリンズの売春婦 インドラ・オーヴ 日野由利加 金野恵子 豊嶋真千子
広場の女性 ジャネット・コントミトラス 磯辺万沙子 片岡富枝
ピアノの先生 ロジャー・ロイド=パック 西村知道
人形作家 ジョージ・ケリー 塩屋浩三
ペスト犠牲者の運搬人 モンテ・モンタギュー 古澤徹

脚注

  1. ^ a b c Interview with the Vampire (1994)”. Box Office Mojo. Amazon.com. 2009年11月16日閲覧。
  2. ^ エンドロールの最後には「In Memory of River Phoenix」(リヴァー・フェニックスに捧ぐ)の弔辞が記されている。
  3. ^ Anne Rice Reader By Katherine Ramsland
  4. ^ Go Figure, Entertainment Weekly, 1994年12月30日 .
  5. ^ 人以外の血は精力を得るには不十分で不味い、非常用であるという本作の設定に基づいた描写。
  6. ^ 飯森盛良 (2015年9月1日). “飯森盛良のふきカエ考古学 ヴァンパイアとは、パイア(鳥)がヴァン(ではない)である!?の巻”. 吹替キングダム. 2023年11月13日閲覧。

関連項目

外部リンク