アヴちゃん

ミュージシャン

アヴちゃん12月25日 – )は、日本の歌手ソングライター音楽プロデューサー俳優。2009年に女王蜂のボーカル兼ソングライターとしてデビューし、2015年には獄門島一家のボーカルとしての活動も始めた。

アヴちゃん
別名 薔薇園アヴ
生誕 ????12月25日[1]
ジャンル
職業
活動期間 2009年 –
共同作業者

ソングライター・音楽プロデューサーとしては薔薇園アヴ(ばらぞのアヴ)名義を用いる。2023年のオーディション番組『0年0組 -アヴちゃんの教室-』を通して結成されたオルタナティブ歌謡舞踊集団・龍宮城のプロデュースも手掛けている。

経歴

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音楽に興味を抱いたのは中学生のころで、特にPerfumeに憧れていた[3]。学生時代に学校の文化祭でバンドとしてパフォーマンスを披露すると人気を博し、ライブハウスでも歌い始めるようになった[3]。2009年に神戸市女王蜂を結成した[3][4]。2010年7月にフジロックフェスティバルで新人アーティストのステージである「ROOKIE A GO-GO」に出演した[5][6]。2011年3月に初となる全国流通アルバム『魔女狩り』をリリースし[7]、同年9月にソニー・ミュージックアソシエイテッドレコーズからアルバム『孔雀』をリリースしてメジャー・デビューした[5]。『孔雀』の収録曲「デスコ」が映画『モテキ』のメインテーマとなり、本人役として映画にも出演した[5]。バンドの露出が増加する一方で、メンバーの音楽技術や成長が伴わない状態が続き大きなプレッシャーを感じたため、2013年に活動を休止した[3][5]

アヴちゃんは音楽活動を辞めて実家に帰ることも考えていたが、所属事務所のスタッフからの激励を受けて、音楽を続けることを決めた[8]。この頃、懇意にしていた元BLANKEY JET CITY中村達也に「一緒に何かやりたい」と相談したところ、中村は快諾し、RIZEKenKenを紹介した[8]。その後アヴちゃんの依頼で東京事変長岡亮介が加わり、4人でスーパーグループである獄門島一家を結成した[8]。2013年8月に音楽フェスティバル「ライジング・サン・ロックフェスティバル 2013 in EZO」で獄門島一家として初出演した[9]。2014年には歌手の後藤まりこと共にトリビュート・アルバム美少女戦士セーラームーン THE 20TH ANNIVERSARY MEMORIAL TRIBUTE』で「愛の戦士」をカバーした[10]

女王蜂は約1年間の休止期間を経て、2014年2月に活動を再開した[5]。2015年、アヴちゃんは超新星のメンバーによって結成されたユニット・Funky GalaxyのデビューEPに収録されるリード曲「ジーザス feat.アヴちゃん from 女王蜂」の制作・ゲストボーカルを担当した[11]。2016年には女王蜂と獄門島一家のスプリット・シングル『金星/死亡遊戯』をリリースした[12]

2017年、『ロッキー・ホラー・ショー』でコロンビア役として自身初となるミュージカル出演を果たした[13][14]。2019年、東京で上演されたミュージカル『ヘドウィグ・アンド・アングリーインチ』でイツァーク役を演じた[15]。2020年、Hey! Say! JUMPがHoney Bee名義でリリースした楽曲「狼青年」の制作を担当した[16][17]。2021年には歌手のLiSAの10周年記念アルバム『LADYBUG』の収録曲である「GL」の制作を担当した[18]

2022年、湯浅政明が監督を務めるアニメ映画『犬王』で主人公役を演じた[19]。2023年にはオーディション番組『0年0組 -アヴちゃんの教室-』を通して結成されたオルタナティブ歌謡舞踊集団・龍宮城のプロデュースを手掛け[20]、テレビドラマ『ワンルームエンジェル』の主題歌として、蒼井翔太の楽曲「8th HEAVEN」の制作を担当した[21]

人物

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女王蜂の他のメンバーと同様、年齢・国籍・性別は非公表である[4]。男性・女性の両方の側面に共感している[22][23][24]。音楽活動を始めてからは『ヘドウィグ・アンド・アングリーインチ』のヘドウィグのようなジェンダーに違和感を抱えたキャラクターに共感するようになった[25]。日本語の情報源では、代名詞に「彼女」が使用されている[3][23][24][26][27]

初対面の人からどこのハーフなのか聞かれることが多いものの、「決して半分(=ハーフ)じゃない」「アイデンティティなんて別にいいじゃん、人に聞くことじゃないじゃん」という理由から、ハーフという言葉は嫌いだと述べている[28][29]

仏教徒であることを公言している[22][23]。女王蜂の元ドラマーであるルリちゃんは妹である[26][28]

ディスコグラフィ

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参加作品

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タイトル アーティスト アルバム
2012年 教えてジーザス[30] DJ BAKU N/A
2014年 愛の戦士[10] 後藤まりこ 美少女戦士セーラームーン THE 20TH ANNIVERSARY MEMORIAL TRIBUTE
2015年 ジーザス[11] Funky Galaxy(超新星 Funky Galaxy
2018年 デビルマンのうた[31] 牛尾憲輔 DEVILMAN crybaby オリジナル・サウンドトラック
2022年 独言[32] 大友良英 犬王 オリジナル・サウンドトラック
腕塚[32]
[32]
竜中将[32] 森山未來、大友良英
ステイン・アライヴ N/A ブレット・トレイン オリジナル・サウンドトラック

楽曲提供

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タイトル アーティスト アルバム
2013年 君が為[33] MEG CONTINUE
2015年 微熱案内人[34] 篠崎愛 EAT 'EM AND SMILE
火の海[35] 火野レイ (CV: 佐藤利奈) 美少女戦士セーラームーンCrystal キャラクター音楽集Crystal Collection
2020年 狼青年[17] Hey! Say! JUMP Fab! -Music speaks.-
2021年 GL[18] LiSA LADYBUG
2023年 8th HEAVEN[21] 蒼井翔太 DETONATOR

出演

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映画

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テレビドラマ

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劇場アニメ

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Webアニメ

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ミュージカル

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その他

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  • DAS × AURIS BUTTOCKS DRIVE!!(2012年) - イメージモデルを務めるイベント「代官山アートストリート」で公開されたショートムービー[30]

書籍

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  • アヴちゃん『AMPHIS Avuchan』イーネット・フロンティア、2020年。ISBN 978-4862059369 [41]

脚注

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出典

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  1. ^ 女王蜂・アヴちゃんが初となる生誕祭ライブを開催へ”. Spice (2016年10月3日). 2021年1月5日閲覧。
  2. ^ ディスコ歌謡&強烈ビジュアルで話題の「女王蜂」、今秋メジャーデビュー”. Cinra. 2023年8月20日閲覧。
  3. ^ a b c d e Tsuchii, Aya (2017年4月11日). “新たな岐路に立った女王蜂”. i-D. 2021年6月2日時点のオリジナルよりアーカイブ。2020年1月5日閲覧。
  4. ^ a b 長谷川あや (2019年7月16日). “年齢や性別で人を判断するのって、つまらない――"女王蜂・アヴちゃん"という生き方”. Livedoor. 2025年2月17日閲覧。
  5. ^ a b c d e f Kuwahara, Ryoko (2017年4月2日). “宇宙特集:Avu-chan from Ziyoou-vachi『Q』Special Photo Shoot & Interview”. neol.jp. 2025年2月17日閲覧。
  6. ^ 10 周年のフジロック「Rookie a Go-Go」。出演者15組が決定”. チケットぴあ (2010年7月1日). 2025年2月17日閲覧。
  7. ^ 女王蜂、2011年秋ついにメジャー・デビュー”. Barks (2011年6月13日). 2025年2月17日閲覧。
  8. ^ a b c 田中和宏 (2019年7月16日). “女王蜂VS獄門島一家「金星 / 死亡遊戯」アヴちゃん×KenKenインタビュー”. 音楽ナタリー. ナターシャ. 2025年2月17日閲覧。
  9. ^ 〈RSR 2013〉全出演アクト決定! 女王蜂アヴちゃん含む獄門島一家のメンバーも公開”. タワーレコード (2019年7月19日). 2025年2月17日閲覧。
  10. ^ a b 岸野恵加. “「美少女戦士セーラームーン THE 20TH ANNIVERSARY MEMORIAL TRIBUTE」特集、後藤まりこ×アヴちゃん(女王蜂)対談”. 音楽ナタリー. ナターシャ. 2025年2月17日閲覧。
  11. ^ a b 超新星の新ユニット&女王蜂アヴちゃん、昼ドラ曲でコラボ”. Spice (2015年9月28日). 2025年2月17日閲覧。
  12. ^ 女王蜂のアヴちゃん率いるバンド・獄門島一家 初メジャー音源「死亡遊戯」解禁”. Billboard JAPAN (2016年4月19日). 2025年2月17日閲覧。
  13. ^ 女王蜂アヴちゃんの初舞台【ロッキー・ホラー・ショー】女王蜂メンバー全員の出演決定”. Billboard JAPAN (2017年7月3日). 2025年2月17日閲覧。
  14. ^ 「ロッキー・ホラー・ショー」開幕、古田新太「見どころはソニンのおっぱい」”. ステージナタリー (2017年11月7日). 2025年2月17日閲覧。
  15. ^ 「ヘドウィグ・アンド・アングリーインチ」に浦井健治&女王蜂・アヴちゃん”. ステージナタリー (2018年11月9日). 2025年2月17日閲覧。
  16. ^ 女王蜂アヴちゃんが謎のボーイズグループ・Honey Beeに新曲提供、振付は東京ゲゲゲイMARIE”. 音楽ナタリー (2020年10月12日). 2021年1月5日閲覧。
  17. ^ a b Hey! Say! Jump アルバムにアヴちゃん、Ayase、清水翔太、岡崎体育、まふまふ、橋口洋平参加”. 音楽ナタリー (2020年11月11日). 2021年1月5日閲覧。
  18. ^ a b LiSA、ミニアルバム『LADYBUG』収録楽曲が解禁 B'z松本孝弘に加え、女王蜂・アヴちゃん、ゆず・北川悠仁らが参加”. Spice (2021年3月19日). 2021年6月1日閲覧。
  19. ^ a b アヴちゃん、湯浅政明監督のアニメ映画「犬王」で森山未來とW主演”. 音楽ナタリー. ナターシャ (2021年7月27日). 2021年7月27日閲覧。
  20. ^ アヴちゃん手がける「0年0組」から7人組グループ「龍宮城」デビュー!お披露目イベント決定(コメントあり)”. 音楽ナタリー. ナターシャ. 2023年8月20日閲覧。
  21. ^ a b 「ワンルームエンジェル」主題歌は蒼井翔太 はらだの親友アヴちゃんが作詞・作曲”. 音楽ナタリー. ナターシャ (2023年10月5日). 2024年8月4日閲覧。
  22. ^ a b 天野史彬 (2017年5月18日). “女王蜂アヴちゃん×Mikiko 対談 「人」の力を信じる表現者たち”. cinra.net. 2021年6月1日閲覧。
  23. ^ a b c Iida, Neo (2018年11月19日). “「違うところにぶっとばして差し上げるものでありたい」:女王蜂アヴちゃん interview”. i-D. 2019年4月8日時点のオリジナルよりアーカイブ。2020年1月5日閲覧。
  24. ^ a b Kuwahara, Ryoko (2017年4月19日). “ローラ・アルバート×アヴちゃん(女王蜂)『作家・本当のJ.T.リロイ』対談”. Neol. 2020年1月5日閲覧。
  25. ^ Kawaguchi, Milli (2019年8月30日). “女王蜂・アヴちゃんの心の旅。バンド結成から今に至るまでの10年”. Ginza Mag. 2020年1月5日閲覧。
  26. ^ a b 耳マン (2017年2月7日). “あのバンドのボーカルが明かす"姉妹愛"がステキ!「最強」な2人に称賛の声”. Livedoor. 2021年6月2日時点のオリジナルよりアーカイブ。2020年1月5日閲覧。
  27. ^ 天野史彬 (2020年2月16日). “女王蜂を取り巻く熱狂はなぜ加速しているのか? 『十』と新作『BL』で洗練された音楽性”. リアルサウンド. 2021年3月1日閲覧。
  28. ^ a b 梶原有紀子 (2018年5月17日). “女王蜂・アヴちゃん 新曲「HALF」を通じ、自身の表現の核について語る想いとは”. Spice. 2020年1月5日閲覧。
  29. ^ 【インタビュー】女王蜂・アヴちゃん、アニメ『東京喰種:re』ED曲について「どヤンキーサウンドだと思います」”. 超!アニメディア. イード (2018年5月14日). 2020年1月5日閲覧。
  30. ^ a b アヴちゃん×DJ BAKU、DAS上映のショートムービーでコラボ”. 音楽ナタリー. ナターシャ (2012年8月20日). 2021年1月5日閲覧。
  31. ^ DEVILMAN crybaby Original Soundtrack”. アニプレックス. 2018年6月26日閲覧。
  32. ^ a b c d 女王蜂アヴちゃん&森山未來が熱唱する「犬王」本予告、大友良英が手がけるサントラも発売決定”. 音楽ナタリー. ナターシャ (2022年3月15日). 2022年3月15日閲覧。
  33. ^ MEG新作よりtofubeats、アヴちゃん×DECO*27曲先行配信”. 音楽ナタリー. ナターシャ (2013年11月27日). 2021年1月5日閲覧。
  34. ^ 篠崎愛、ソロ歌手デビュー予告映像公開”. Barks (2015年3月9日). 2021年1月5日閲覧。
  35. ^ 「美少女戦士セーラームーンCrystal キャラクター音楽集Crystal Collection」特集、セーラー戦士5人に前代未聞のインタビュー”. コミックナタリー. ナターシャ (2015年4月30日). 2025年2月20日閲覧。
  36. ^ 女王蜂・アヴちゃん、テレビ東京『怪奇恋愛作戦』で気迫のドラマ初出演”. ROCKIN'ON JAPAN (2015年3月13日). 2018年12月1日閲覧。
  37. ^ 「パリピ孔明」アヴちゃん演じるマリア・ディーゼルの楽曲、最終回当日に配信リリース”. 音楽ナタリー. ナターシャ (2023年11月27日). 2025年2月20日閲覧。
  38. ^ DEVILMAN crybaby (ONA)”. Anime News Network. 2018年10月30日閲覧。
  39. ^ ロッキー・ホラー・ショー”. パルコ (2017年). 2018年11月30日閲覧。
  40. ^ ヘドウィグ・アンド・アングリーインチ 2019”. チケットぴあ. 2018年12月1日時点のオリジナルよりアーカイブ。2018年11月30日閲覧。
  41. ^ 女王蜂アヴちゃんの写真集『AMPHIS Avuchan』5月刊行、「対極」を表現”. Cinra (2020年4月13日). 2021年1月5日閲覧。

外部リンク

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